想定していなかった転勤を命じられたり、親と同居しなければいけない状況になったりすることは、誰にでも考えられる出来事です。
万が一これらの事態が起こりマイホームを手放す必要が出てきた時、どうすべきか迷ってしまう人もいるでしょう。
そのような時に、「家を貸す」という選択も検討する人は多いです。
しかし、家を貸すとトラブルも起こりやすいので注意が必要となります。
今回は、家を貸す流れやトラブルを防ぐための注意点について解説していきます。
目次
家を貸す流れについて
手続きを円滑に進めるには、どのような流れで家を貸すのか把握しておく必要があります。
まずは家を貸す際の流れからご紹介しましょう。
管理会社を決定する
家を貸すためには、管理会社に依頼しなければいけません。
そのため、最初にするのは管理会社を決めるという作業です。
不動産管理会社であればどこでも良いというわけではなく、下記のポイントを踏まえながら決めるようにしましょう。
・管理サービスの範囲
・料金の内訳
・入居者の募集方法
・集客力
・管理している物件数
・管理業務の報告頻度 など
また、契約までに間取り図や設備に関する説明書を用意しておくと、お願いしたい管理会社が見つかった時にスムーズです。
条件を決める
募集条件もあらかじめ決める必要がありますが、特に大事なのは家賃です。
家賃があまりにも高すぎると借り手が見つかりにくくなってしまいます。
また低すぎる場合は、ローンなどが残っていないとしても損になってしまうので気を付けましょう。
周辺の賃貸物件の家賃を調べ、相場はどのくらいなのか確認してから決めるのがおすすめです。
家賃以外にも決めなければいけない点がいくつもあります。
・普通借家契約と定期借家契約のどちらか
・契約期間はどのくらいか
・ペットの可否はどうするか
・喫煙の可否はどうするか
・退去時の原状回復費用の範囲はどうするか
・敷金や礼金は設定するか
・保証人や管理会社は利用するか
・火災保険には加入してもらう など
オーナーが自由に条件を設定できますが、管理会社と相談しながら決めるのが無難です。
貸すための準備をする
条件などが決定したら、家を貸すための準備をします。
リフォームが必要な場合は検討したり、貸し出しても問題ないように室内を整えたりするのです。
リフォームした方が入居者は決まりやすいですが、費用をかけすぎると収支のバランスが悪くなってしまいます。
それも踏まえて家賃などを設定することが重要なポイントだと覚えておきましょう。
ただし、故障している部分の修繕は必須になるため、プロにお願いして動作するようにしておいてください。
賃貸借契約を結ぶ
準備が整って入居者が見つかったら、賃貸借契約を結びます。
契約を結ぶ前に内見を希望する入居希望者も多いので、既に引越しを済ませているなら鍵は管理会社に預けておきましょう。
まだ引越しをしていない段階で入居希望があった場合に関しては、内見可能かどうか決めておくといざという時に焦らずに済みます。
入居の申し込みが入ったら審査しますが、すべて管理会社にお任せすることも可能です。
家を貸す際のトラブルを防ぐための注意点
家を貸すとなると、トラブルが心配だと悩んでしまう人もいるでしょう。
そのような不安を抱えている人向けに、家を貸す際のトラブルを防ぐための注意点をいくつかピックアップしてご紹介します。
契約について
普通借家で長期的に家を貸す場合は、オーナーが再度その家に住みたいと思った時に一方的な都合で解約ができません。
貸し手側の都合で退去を迫ることができないという点は、契約前に把握しておくべきポイントだと言えるでしょう。
定期借家契約で一時的に家を貸す場合は、自動更新ではないので借り手側が「微妙だな」と感じてしまう可能性があります。
そのため、普通借家契約よりも入居者が見つかりにくくなる可能性があるということは把握した上で選択するようにしましょう。
管理について
家を貸す場合の管理方法には、自主管理方式、管理委託方式、サブリース方式、リロケーション方式という4つがあります。
それぞれの注意点にはどのような点が挙げられるのかご紹介します。
・自主管理方式
自主管理方式は、管理会社に管理費用を支払うことなく収入が得られます。
しかし、クレーム処理や家賃の回収、契約の更新などをすべて自分でやらなければいけません。
それが手間だと感じるなら向いていない方法です。
・管理委託方式
管理委託方式は、すべて管理会社にお任せできるのが大きなメリットです。
しかし、管理費用を支払わなければいけないので自主管理方式よりも手元に残るお金は少なくなります。
・サブリース方式
サブリース方式は、不動産のオーナーと賃借人の間に不動産会社が入るので、家賃は相場より安くなります。
空室保証がないパススルー型だと、空室リスクはすべてオーナーが負うことになります。
サブリース方式を選ぶなら、家賃法相型を選んだ方がオーナーは安心できるでしょう。
・リロケーション方式
リロケーション方式は、転勤などで一時的に家を貸すという方法です。
転勤などの際に一時的に貸し出す方法となっているので、長期的に貸したい場合には不向きです。
税金などの収支について
家を貸すことで収入を得るなら、確定申告を忘れないようにしましょう。
家を貸して収入を得るのは事業に該当します。
オーナーは不動産所得を得ているとみなされるため、毎年確定申告をして税金を納めなければいけません。
確定申告は自分でもできますが、煩雑だと感じる場合は税理士などの専門家に依頼するのがおすすめです。
万が一、確定申告を怠ると脱税だとみなされてしまい、罰則を受けることになってしまうので注意が必要です。
また、住宅ローンが残っている場合は、家を貸すことができません。
自宅を貸して得た家賃で住宅ローンを返すという方法はできないので、ローンがどの程度残っているか確認しておきましょう。
まとめ
転勤などを理由に引越しをする際、家を貸すという選択肢も生まれます。
家を貸すことでトラブルが起こらないようにするには、今回紹介した注意点を把握しておくことがポイントになります。
また、どのような流れで貸すのかということも把握しておけば、依頼から契約までスムーズに進むでしょう。