一生で一番大きな買い物となる家づくりは、正しい知識・情報を持つことで安心して進めることが可能です。
今回は、家づくりを始める方にぜひ知ってもらいたい、「坪単価」について説明していきます。
坪単価で分かることや坪単価に隠された注意点など、家づくりの中で気になる情報をご紹介しましょう。
目次
「坪単価」とは何か?
坪単価は知っているか否かでは家づくりの満足度にも影響する可能性があります。
まずは坪単価とはどういったものなのか、解説していきましょう。
1坪あたりの建築費
坪単価というのは1坪あたりの建築費を指しています。
“坪”は日本の古くからある伝統的な単位であり、尺貫法に基づいて計算されてきました。
しかし今や取引や証明において尺貫法を用いることは禁止されているため、なかなか目にしないという人も多いでしょう。
坪は1坪あたり約3.31平米で、畳数に置き換えるとおよそ2畳です。
つまり1坪は約3.31平米や約2畳における建築費を計算しているということになります。
坪単価の計算方法は、建築価格÷建築面積(坪)で求められます。
建築価格2,500万円で延床面積が50坪の場合には、2,500万円÷50坪=坪単価50万円とです。
この時注意しなければいけない点は、建築面積を「坪数」で計算するということです。
「平米数」や「畳数」で計算してしまうとおかしなことになってしまうので注意してください。
ハウスメーカーと工務店でも異なる
前述で説明してきた坪単価をどうして求める必要があるのか気になる人もいるでしょう。
その理由は、ハウスメーカーや工務店によって坪単価が異なるからです。
ハウスメーカーや工務店では自社の坪単価をサイトやカタログなどを見ても書かれてはいませんが、営業担当に直接聞けば教えてくれます。
坪単価をすぐに知れるというわけではなく知るまでに少し手間がかかってしまいますが、「この価格でこれくらいのグレードの家ができる」ことを覚えておくと、良いデータ集めになります。
データがたくさんあれば、その分こだわりを詰め込んで満足のいく家づくりも行いやすいです。
しっかりと各社のデータを集めて理想の住まいを実現させましょう。
坪単価をチェックする際のポイント
続いては各ハウスメーカーや工務店の坪単価をチャックする際のポイントをご紹介します。
ポイントを理解しているだけでも良い情報集めにつながっていくので、ぜひ活用してみてください。
「延床面積」と「施工面積」どちらが使われているか
住宅業界では坪単価についての明確なルールを設けていません。
そのため、ハウスメーカーや工務店などによって坪単価が異なるのですが、さらに算出方法にも決まりがないという点にも注意が必要です。
建築会社の坪単価を知る際にはどんな数字を用いて計算されているのか確認してみてください。
「延床面積」となっている場合には、家の面積以外にバルコニーやポーチ、インナーガレージなどを含めた面積で計算されています。
しかし、「施工面積」の場合は家そのものだけの面積となり、バルコニーやポーチなどは含まれない坪単価の算出方法になってしまうのです。
例えば建築費用に2,500万円用意できる方が、延床面積50坪で計算したとしましょう。
施工面積で計算した場合、50坪の中にはバルコニーやポーチにかかる費用が含まれていないため、設置するとなると余計にコストがかかってしまうことになります。
実際、施工面積で計算されていると坪単価は安くなりお得に感じてしまうものです。
しかし、安いからお得だと安心はできません。
バルコニーなどの場所も含めた家の面積で計算されていると思い込んでしまうと、後々費用がかさんでしまうため、どちらの面積を使って計算されているのかもしっかりと確認していきましょう。
坪単価以外の費用にも注目!
坪単価によって住まいづくりに必要なお金を確認できるのは大きなメリットと言えます。
ただし、家を完成させるためには建物本体の工事費以外にも様々な費用が発生してきます。
代表的なものに、付帯工事費や諸経費などが挙げられます。
付帯工事費とは新居で生活するために必要な家具やカーテンなどの「インテリア費用」、空調設備を整えたり照明器具を取り付けたりといった「電設工事関連費用」、外構や庭づくりのための費用となる「エクステリア工事費用」が入っています。
また、家づくりのために家屋の解体が必要なら解体工事費もその中に含まれるでしょう。
他にも付帯工事には、整地をするための「造成工事費用」、地盤調査補強が必要となった場合に行う「基礎補強工事費用」があります。
一方で諸経費は、家づくりで必要となる各種税金やローン関連費用、火災保険料などで支払う費用のことです。
税金には家を建てた際やローンを借りた際にかかる「登録免許税」があり、他にも融資を受ける際の契約書作成で必要な「印紙税」、不動産を取得した時に課税される「不動産取得税」があります。
他にも「住宅ローン手続き費用」や「火災・地震保険費用」、さらに「給水負担金・放流負担金」、「町並保全費」など、あらゆる場面で資金が必要です。
こういったことから坪単価はなるべく安く抑えた方が安心です。
場合によっては建築予算を下げることも検討しておきましょう。
数社から見積もりを出すことが大切
ハウスメーカーや工務店の坪単価を知ったとしても、様々な場面でお金を必要とするならば契約に一歩踏み込めないという人も多いでしょう。
先ほどもお伝えしましたが見積もりによって家づくりにおけるデータを集めることも可能です。
最低でも2~3社は坪単価に加え、全体を通してかかる費用の見積りを出してもらうようにしましょう。
付帯工事費や諸経費など家づくりにおける必要なお金が分かると、建てるべき住まいの姿も見えてくるはずです。
まとめ
今回は意外と知らない坪単価についてご紹介してきました。
坪単価が分かれば各建築会社における建築費用が分かるほか、同じ施工面積における相場も知ることができる大事な情報です。
各社の坪単価を見ていく際には「延床面積」と「施工面積」、どちらで算出された数字であるのかもはっきりとさせましょう。
施工面積だと思わぬところで費用がかさんでしまいがちです。
ただし、だからと言って延床面積であれば安心ということでもなく、付帯工事費や諸経費などといった場面でも資金が必要になってきます。
建物本体の工事費は全体の7割程度です。
この事実も踏まえつつ、安心できる家づくりを目指しましょう。