オートロックは本当に安全?メリット・デメリットや賃貸物件選びのポイントを解説

オートロック

これから賃貸物件で一人暮らしを始めようと考えている方や、新たに引っ越しを計画している方の中には、オートロック付きの物件に興味を持っている方も多いでしょう。
近年は防犯意識が高まっていることもあり、オートロックを導入するマンションも増えています。
しかし、いまいちオートロックがどういったものなのか、そもそも本当に安全なのか不安に感じる方もいるかもしれません。
そこで今回は、オートロックの特徴からメリット・デメリット、賃貸物件を選ぶ際のポイントなどを解説していきます。
オートロック付き物件に興味がある方、住んでみたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

賃貸物件に導入されているオートロックとは

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そもそもオートロックがどのような機能なのか理解しておく必要があります。
オートロックとは、カードや暗証番号などを認証することによってドアの鍵が電気的に解錠したり、ドアが閉まると自動で施錠したりするシステムです。

マンションの場合、エントランスに設置されていることがほとんどです。
例えばエントランスの中に入るためには、住民は専用の鍵や暗証番号を使って解錠できます。
しかし、来訪者の場合は鍵を持っていないため、まずはドアの横に設置されたインターホンを利用し、目的の部屋を呼び出して解錠してもらわなくてはなりません。
このシステムにより、例えば不審者や部外者の入室・入館を防げたり、インターホンやカメラで確認してからドアのところまで行かなくても解錠できたりします。

オートロックには、主に電池錠・電気錠・電磁石錠の3種類が利用されています。

・電池錠
電池で解錠・施錠を行うタイプです。
電池で動かしているため配線工事が不要で、導入コストを抑えられます。
そのため、小規模なマンションなどによく使われている錠です。

・電気錠
オートロックに使われる錠の中で一般的なタイプです。
電気錠の中にも様々な種類があり、扉に合ったものが取り入れられます。

・電磁石錠
磁石の強力な吸着力を使って施錠するタイプです。
既存の扉をオートロックにしたい場合や、電気錠が設置できない場合などに用いられます。
ただし、停電時には解錠してしまうため既存の鍵で施錠するか、別途バッテリーが必要になります。

オートロックには様々な種類がある

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オートロックと言っても実は様々な種類があります。
ここでは代表的な5つのタイプをご紹介しましょう。

集合キー式

集合キー式とは、一般的な住宅と同様に差し込み型の鍵を使って解錠する仕組みです。
集合キー式はオートロックの中でも普及されているもので、ディンプルシリンダー錠を用いることが多いです。
鍵はマンション内すべてに対応してしまうためセキュリティ面は甘く、万が一合鍵を作られてしまうとオートロックを突破されてしまいます。
鍵を複製されてしまうリスクもあることから、オートロックの中でも安全性に期待できない種類と言えるでしょう。

カードキー(非接触型IC)式

カードキー式は、磁気カードを使用するタイプと非接触型ICを使用するタイプの2種類に分かれます。
磁気カード式の場合は磁気部分を読み取ることで解錠しますが、キャッシュカードなどと混在してしまうことで壊れたり、解錠しにくくなったりするケースも多いです。

一方、非接触型ICカードの場合はSuicaやPASMOなどのIC認証カードを利用します。
ICチップはスマホにも搭載できるため、スマホをカードキー代わりにすることも可能です。

暗証番号式

暗証番号式は、エントランスのドア前に設置されたテンキーのある設備に暗証番号を入力すると、オートロックが解錠する仕組みです。
集合キー式やカードキー式とは異なり、鍵やカードを持ち歩かなくても良いため、落とすリスクも防げます。
ただし、自分でその番号を忘れてしまうとエントランスの中に入場できなくなってしまうので注意が必要です。

また、暗証番号式は後ろに人がいた場合、番号を盗み見られてしまう可能性があります。
特にマンションの住戸すべてで同じ暗証番号が使われている場合、防犯性は低くなってしまうので注意しましょう。

生体認証式

生体認証式は、あらかじめ住民の顔や指紋を登録しておき、センサーが読み取って解錠するタイプです。
一般的な鍵とは違って複製が困難であり、紛失するリスクもありません。

顔認証の場合は近年カメラの精度も向上しており、認証スピードも上がったことで利便性が非常に高まりました。
顔を見せれば良いのでハンズフリーで解錠できますが、マスクをしている場合は一度外さなくてはいけません。
指紋認証も、登録した指を指紋認証機に当てるだけで解錠します。
ただし、乾燥している時期や高齢の方になると反応が悪くなってしまうケースもあるため、暗証番号やカードキーとの併用が可能だと安心です。

スマートキー

スマートキーはスマホを使って解錠・施錠が行えるタイプです。
近年はIoT住宅が増えている影響で、スマートキー式のオートロックも登場しています。
オプションのアダプターを追加し、Wi-Fiに接続すれば遠隔での操作も可能になるので、例えば鍵を閉め忘れてしまった場合でも安心です。

また、鍵の盗難や紛失、複製のリスクも回避できます。
ただし、機械の取り付け不良やスマホが壊れてしまった場合に鍵を開けられなかったり、スマホの充電が切れてしまうことで締め出されたりするリスクはあります。

リモコン式

少し離れた場所からでも解錠・施錠ができるタイプのオートロックです。
車のリモコンのように遠隔から操作して解錠したい時に便利です。

ただし、リモコンは1つしかないため、例えば使用する人数が多い場合には適していません。

オートロックのある賃貸住宅に住むメリット

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オートロックのある賃貸住宅に住むと、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか?
ここでは、オートロックのある賃貸住宅に住むメリットについてご紹介します。

住民以外の人間が入り込みづらい

オートロックのある賃貸住宅における一番のメリットは、何と言っても不審者や部外者など住民以外の人間が入り込みづらい点になります。
オートロックの主な目的は安心して生活できるよう、知らない人を入れないことにあります。
そのため、不審者や部外者が侵入しにくい点は大きなメリットと言えます。
例えば女性の一人暮らしでは、オートロックのある賃貸住宅に住んでいることでストーカー被害の予防につながることもあります。
オートロックのない賃貸物件だと自宅の玄関前まで不審者が来てしまったり、玄関の郵便受けから部屋の中を覗かれたりするなどのトラブルもあるため、中にはオートロックがあることを優先して物件を選んでいる方もいます。

訪問営業や押し売り、勧誘などを避けやすい

住民と関係のない人がマンションの中まで入り込めないということは、玄関まで訪問営業や押し売り、勧誘などが来ることもないです。
オートロックがない賃貸住宅の場合、突然玄関のチャイムが押されるとつい出てしまい、直接顔を合わせながら対応しなくてはいけない場合もあります。
オートロックでカメラ付きインターホンが備わっていれば、相手に顔を見られない状態で対応できるため断りやすくなるでしょう。

また、カメラ付きインターホンなら応対せずに居留守を使うことも可能です。
玄関のすぐそばまで来ているわけではないため、居留守を使った場合でも気配を悟られないように心配することもありません。

空き巣に狙われにくい

オートロックは空き巣などの犯行で狙われにくいという特徴もあります。
オートロックのない賃貸住宅だと玄関のすぐそばまで侵入されてしまい、そのままピッキングなどで部屋の中に入られてしまう可能性があります。
しかし、オートロックが備わっていればまずエントランスの鍵を突破してから、玄関ドアのピッキングを行う必要があるため、かなりの時間がかかってしまうでしょう。
空き巣は犯行に及ぶ際、誰かに見られたくないという思いから、短時間で犯行が難しい場合は諦めるケースが多いです。

そのため、オートロックがあることで空き巣の抑止力にもつながります。

オートロックのある賃貸住宅に住むデメリット

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ここまでオートロックのある賃貸住宅に住むメリットについてご紹介してきましたが、その一方でデメリットに感じてしまう部分もあります。
オートロックのある物件を選ぶ際は、デメリットについてもきちんと理解した上で物件選びをしていきましょう。

絶対に侵入されないわけではない

メリットの項目で空き巣に狙われにくいことをご紹介しました。
しかし、あくまで狙われにくいというだけで、完全に防げるわけではありません。

例えば住民や宅配業者のフリをして侵入されてしまうこともあるでしょう。
場合によっては住民が犯罪者になってしまう可能性もゼロとは言い切れません。
また、オートロック付きの高層マンションに住んでいた場合でも、空き巣が入ってしまい金品を盗られてしまったケースも存在します。
防犯対策を怠っていると、様々な侵入手口を使ってマンション内に侵入し、犯行に及ぶ危険性もあります。
例えば外出する際にはきちんと窓を閉めて鍵をかける、オートロックを解錠する時は後ろに人がいないか確認するなど、ある程度防犯意識を高めることも大切です。

家賃が高めに設定されている

オートロック付きの賃貸住宅は、他の物件に比べて家賃が高めに設定されているケースも多くみられます。
特に木造住宅よりも、鉄筋コンクリート造で作られている場合は家賃が高くなるため、相場よりも家賃がかなり高くなってしまう可能性があります。
オートロック付きの賃貸住宅だと導入にも費用がかかっていますし、管理費も必要です。
また、築浅物件に導入されやすいことから、家賃が高くなりやすいと考えられます。
家賃が高めに設定されていたとしても、その分セキュリティ面は安心できる部分も多いため、オートロック付きを条件とした場合に家賃設定はいくらまでなら出せるか、他の条件で妥協できる部分はないかをチェックしてみましょう。

鍵を忘れたり紛失したりすると締め出されてしまう

ゴミ捨てや近くのコンビニまでちょっとした外出をする時に起きやすいのが、家に鍵を忘れてしまうことです。
鍵を持って出かけないとオートロックを解錠することができず、締め出されてしまいます。
家族がいれば連絡を取ることで解錠してもらえますが、一人暮らしの場合は他の住民に頼んで入れてもらうか、管理会社に連絡する必要があります。

また、集合キーやカードキーなどは紛失するリスクもあります。
オートロックでなくても鍵は紛失するリスクはあるため、いずれにせよ鍵の紛失には注意が必要です。

スマートフォンの充電に注意しなくてはならない

スマートキー式の場合、スマホの充電が切れてしまうと遠隔で操作できず、スマートキー以外の鍵がないと解錠できなくなってしまいます。
そのため、常にスマホの充電が切れないようにと注意を払うようになり、常に電池残量を気にかけてしまう人も多いです。
常にスマホの充電を気にしなくてはいけなくなるのは、デメリットと言えます。
近年はモバイルバッテリーの普及により、スマホの充電が切れてしまってもモバイルバッテリーで充電すれば問題ありません。
しかし、ちょっとした外出でモバイルバッテリーを持ち歩いておらず、そこで充電が切れてしまう可能性もあるでしょう。

郵便物をわざわざ共用玄関まで取りに行かなくてはならない

オートロック付きの賃貸住宅だと、宅配便は直接受け取るか宅配ボックスを活用することになりますが、宅配便以外の郵便物に関しては共用玄関のポストに投函されます。
そのため、郵便物を受け取る際にはわざわざ共用玄関まで取りに行く必要があります。
特に毎日朝刊が届けられる家庭の場合は、毎朝わざわざ共用玄関まで降りて、また部屋に戻らなくてはなりません。
物件によっては直接配達できるよう特定の時間帯になるとオートロックを解除したり、配達員には暗証番号を伝えておき、玄関まで持ってきてもらったりすることも可能ですが、そうなるとセキュリティ面で不安が生じてしまいます。

オートロック付き物件への侵入手口と対策方法

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オートロック付きの賃貸住宅のデメリットでもご紹介したように、一般の賃貸住宅よりセキュリティは向上するものの、完全に侵入を防げるわけではありません。
不審者や空き巣などは、具体的にどのような手口を使ってオートロック付きの賃貸住宅に侵入してくるのでしょうか?
ここでは侵入手口とその対策方法についてご紹介します。

住民に便乗して侵入してくる

侵入手口として特に行われやすいのが、住民に便乗して侵入してくる方法です。
住民だけが解錠できるため、そのタイミングを狙い後に続く形で侵入します。
中には解錠に手間取った様子を見せ、後ろにいる本当の住民に解錠を促すことで、後に続いて侵入されるケースもあります。

住民に便乗して侵入される手口は、せっかくのセキュリティ機能も簡単に突破されてしまうため、注意しなくてはなりません。

【対策方法】
住民に便乗して侵入される手口の対策方法としては、まず後ろに人がいないか確認し、もし人がいたら必要に応じて声をかけておきましょう。
そのマンションに住んでいる人だったとしても顔見知りでなければ本物の住民かどうか判断できませんが、積極的に声掛けを行っていれば侵入も回避しやすくなります。
また、万が一解錠してから一緒に入ってこられた場合は、一旦その人から離れて外に出ることをおすすめします。

他の鍵を使って解錠されてしまう

集合キー式のオートロックで見られる手口として、他の鍵を使って解錠されてしまうケースがあります。
集合キー式はマンション内のすべての鍵に対応しているケースが多く、生体認証式やスマートキー式などに比べると簡易的な構造です。
そのため、合鍵さえ作ってしまえば簡単に中に入れるようになってしまいます。

【対策方法】
他の鍵を使って解錠されてしまう手口は、そもそも鍵を交換しないと対策できないため、個人での対策には限界があります。
物件を選ぶ際には、事前に管理会社の対策やトラブルが発生した場合の対処法などを確認しておくと安心です。

暗証番号がバレてしまう

暗証番号式だと、鍵やカードキーなどがなくても番号を入力するだけで解錠することが可能です。
しかし、暗証番号は管理会社の電話番号下4桁など、案外わかりやすい数字が設定されており、場合によっては突破されてしまう可能性もあります。
推測されやすい番号を暗証番号に設定するのは非常に危険です。
また、長く同じ暗証番号を使っていたり、ボタンを押している様子を見られていて番号がバレてしまったりするケースもあるでしょう。

【対策方法】
暗証番号を個別に設定できる場合、定期的に番号を変更することが大切です。
長年同じ番号を使っていれば忘れにくいものの、安全面を考えると定期的に番号は変更しておいた方が良いです。
また、暗証番号は覚えやすいように自分や家族の誕生日や電話番号、同じ番号を羅列したものなどを設定する方もいますが、これでは推測されやすく侵入を許してしまう可能性もあります。
自分しかわからない数字の羅列で設定するようにしてください。

宅配業者やインフラ業者を装う

オートロック付きの賃貸住宅でも、宅配業者であれば荷物を受け取るためにオートロックを解錠するケースは多いです。
しかし、この宅配業者が実はなりすましで、そのまま犯行に及ぶケースもあるでしょう。
また、なりすましは宅配業者だけでなく、水道・電気・ガスなどインフラ業者を装うケースも少なくありません。

【対策方法】
宅配業者への対策としては、在宅中に宅配業者からの訪問があった場合、インターホンなどを使って非対面での受け取りを希望すれば玄関前に荷物を置いてもらい、帰った後に荷物を受け取るという方法がおすすめです。
業者がいなくなったと判断するために少し待たなくてはなりませんが、安全に荷物を受け取れます。
インフラ業者は基本的に点検などで訪問する際、必ず事前にチラシなどで訪問予定日を周知するよう取り組んでいます。
そのため、チラシが入っていないにも関わらず訪問してきた場合はなりすましの可能性が高いです。
また、社員証など身分証をカメラに映してもらい、一度事業所へ問い合わせてみるのも1つの方法です。

センサーの誤作動で侵入されてしまう

外側からの侵入を防げるオートロックですが、内側からだと屋外に出る時にセンサーが作動して自動的に施錠する仕組みとなっています。
このセンサーの誤作動を活用し、マンションに侵入されてしまったケースがあります。

【対策方法】
センサーの誤作動に関しても個人での対策は難しいのが現状です。
そのため、物件選びの時から不動産会社へ確認を取り、過去にセンサーの誤作動で侵入されたことはあるか、構造上問題がある場合どのような対策を講じているのか、などを確認しておくようにしましょう。

ドア以外の部分から侵入を許してしまう

オートロック付きの賃貸住宅では、侵入できる部分がエントランスだけとは限りません。
例えば非常階段や塀、雨樋、排水管などを使って侵入されるケースもあります。

このような場合、いくらオートロックでセキュリティがしっかりしていたとしても安心できません。

【対策方法】
ドア以外の部分からの侵入に関しては、「オートロック付きだから」と安心せず、きちんと防犯対策を行っておくことが大切です。
例えばベランダからの侵入を防ぐために人感センサーの照明や、窓や扉の振動・開閉でブザーが鳴る防犯アラームなどを設置しておくと安心です。
また、玄関のドアにはサムターン回しを防ぐためにサムターンガードを取り付ける、窓を割って侵入されないよう防犯フィルムを貼るなどの対策ができます。

オートロックのある物件を選ぶ際のチェックポイント

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オートロックのある物件を選ぶ際、つい間取りばかりを気にしてしまいますが、きちんと防犯面もチェックしておくことが大切です。
特にオートロックのある物件は「オートロックがあるから大丈夫だろう」と安心してしまうため、他の防犯対策がどのようになっているのかチェックが甘くなってしまう人もいます。
そこで、オートロックのある物件の内見を行う際に確認しておきたいセキュリティ面のポイントについて解説します。

オートロックにはどの種類が利用されているか

オートロックにも様々な種類があることをご紹介しましたが、きちんと構造について理解しておくとセキュリティレベルの高いオートロックかどうか判断しやすくなります。
例えば生体認証式であれば鍵を持ち歩く必要もなく、複製されてしまう危険性もありません。
ただし、生体認証式は比較的新しい技術ということもあり、築浅物件に多く家賃が高いマンションにしかないケースも多いです。
どの種類が利用されているか確認しつつ、予算との兼ね合いも考えておきましょう。

オートロック以外の防犯システムは備わっているか

エントランスなどの共用部分にはオートロックだけでなく、防犯カメラを取り付けているところもあります。
防犯カメラの設置によって犯罪の抑止力につながることも多いです。
ただし、防犯カメラはオーナーが設備投資のコストを抑えるために、ダミーとなっていていざ侵入されてしまった時に犯人がわからなかったというケースもあるかもしれません。
また、防犯カメラの設置場所が悪く、死角になっている場所があることも考えられます。
オートロック以外の防犯システムが備わっているか、備わっていた場合でもきちんと稼働しているかなどは確認すべきポイントです。

エントランス以外に侵入されやすい経路はないか

玄関はエントランスでしっかりと不審者の侵入を防げても、玄関以外の部分から侵入されてしまうケースはあります。
例えば、建物の周囲を取り囲むように塀が設定されていても、すぐに超えられるほどの高さであれば犯罪の抑止力にはつながりません。
むしろ塀があることで一度侵入してしまえば外からは見つかりにくく、犯罪を行いやすい環境になってしまいます。
物件を選ぶ際はエントランス以外に侵入されやすそうな経路がないかも必ずチェックしておきましょう。

勝手口・非常口は常に施錠されているか

賃貸住宅によってはエントランス以外に勝手口や非常口が設けられている場合もあります。
例えば火事などが起こった際、エントランスのセンサーが不具合を起こしてしまうと外には出られなくなってしまうので、非常口が設けられているケースは多いです。
しかし、勝手口や非常口が施錠されていなければ、いくらエントランスのセキュリティレベルが高くても意味がありません。

もし勝手口や非常口がある場合は、きちんと施錠されているか確認しておくようにしましょう。

マーキングサインはないか

マーキングサインとは元々訪問販売員が利用していたもので、住民の属性を示す際に使われていました。
しかし、現在は空き巣犯も利用しています。
例えば「S」と書かれていると一人暮らし、「F」と書かれていた場合は家族で暮らしていることを表しています。
ポストや表札、ガスメーターなどに書かれてしまうケースが多いため、内見時にはマーキングサインがされていないかチェックしておきましょう。

ピッキングしにくい鍵が使われているか

住戸ごとに鍵が用意されている場合、ピッキングしにくい鍵が使われているかチェックしておくと安心です。
例えばディスクシリンダー錠やピンタンブラー錠はピッキングしやすく、鍵の中でも防犯性は低くなってしまいます。
一方、ディンプルシリンダー錠は上記の鍵よりも構造が複雑で、ピッキングしにくい鍵です。

よりセキュリティ面を強固にしたい場合はピッキングしにくいディンプルシリンダー錠が使われているか確認しておきましょう。

オートロック以外にもチェックしておきたい物件選びのポイント

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物件を選ぶ際には安全面を重視することはもちろん大切ですが、やはり住んでみて快適かどうか、暮らしやすいかも重要となってきます。
ここでは、オートロック以外にもチェックしておきたい物件選びのポイントを解説していきましょう。

設備の劣化状況

暮らしを快適なものにするためには、設備の劣化状況をチェックしておくことも大切です。
築浅物件であれば問題ありませんが、10年以上経過している物件だと設備が劣化しており、住み始めてからすぐに不具合を起こしてしまう可能性があります。

いくら内装がきれいに整えられていたとしても、設備の劣化状況はきちんと確認しておくべきです。

壁の薄さ

アパートやマンションなどの集合住宅だと複数の家庭が入居しているため、騒音トラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
騒音トラブルを避けるためにも、生活音がどれくらい漏れてしまうのか、または聞こえてくるのかを確認した方が良いでしょう。
ただし、壁の薄さを確認したくても内見だけでは判断できない場合もあります。
不動産会社のスタッフに尋ねると壁の薄さや防音性について回答をもらえるので、その意見も参考にしてみてください。

また、床の防音性もチェックする必要があります。

コンセントの数と位置

コンセントの数と位置によって家電を置く場所などが決まってきます。
間取りを見た時にどこに何を置くか具体的にイメージしておき、コンセントの位置は適切か、数は不足していないかを確認しておきましょう。

共用部分の清潔さ

集合住宅の場合、エントランスや階段、エレベーター、廊下などはすべて共用部分になります。
この共用部分が汚かったり、電気がつかなかったりする場合、きちんと管理されていない物件である可能性が高いです。

また、マンションに住民専用のゴミ捨て場が設置されている場合、そこも綺麗に管理されているか確認しておくと良いでしょう。
共用部分が綺麗に使われているマンションなどは、住民のマナーやモラルがきちんと守られている可能性が高いです。

今回は、オートロックの特徴からメリット・デメリット、賃貸物件を選ぶ際のポイントなどをご紹介してきました。
オートロックは住まいのセキュリティを向上し、不審者や空き巣の侵入を防ぐ役割を持っています。
しかし、いくら強固なオートロックだったとしても絶対に侵入されないわけではありません。
オートロック付きの賃貸住宅だからといって安心せず、一人ひとりがきちんと防犯対策に取り組むことが重要となります。
また、オートロック付きの物件を選ぶ際には、防犯カメラなど他の防犯システムは備わっているか、侵入されやすい経路はないかなどもチェックすることが大切です。
今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ自分の暮らしに合ったオートロック付き物件を探してみてください。