アパート一棟買いは失敗する?原因と対策方法を徹底解説

不動産

不動産投資をする際に、アパートの一棟買いを検討するケースがあります。
しかし、一棟買いは失敗のリスクが高いと言われているので懸念してしまう人もいるでしょう。
そこで今回は、アパート一棟買いは失敗してしまうのか、解説していきます。

アパート一棟買いで失敗してしまう原因

アパート

アパート一棟買いで失敗してしまうのには原因があります。
まずは、どのような原因で失敗してしまうのかご紹介していきます。

空室リスクが高まる

戸数が多いアパートを購入した場合、入居者の確保が難しくなってしまいます。
新築であれば入居を希望する人も多いと思われがちです。
しかし、周辺に家賃がより安い物件があったり、ニーズに合わない間取りだったりすると、思ったように入居者を確保できなくなってしまいます。
また築年数が経過する中で周辺環境が変わることも、空室リスクを高める要因となります。
リビングやベランダからの眺望が悪くなることや、大学が移転して学生よりファミリー層が多くなることも考えられるでしょう。
それらが原因で空室が増えてしまうと、家賃収入の大幅な下落につながりかねません。

維持費がかさみやすい

維持費がかさんでしまうのも、アパート一棟買いで失敗する原因のひとつです。
アパートは築年数が経過するにつれて老朽化してしまうので、大規模修繕を10年~15年のスパンでしなければいけません。
老朽化でボロボロになってしまうと、入居者を集めるのがより難しくなってしまいます。
そのため、定期的に外壁塗装工事などを行わなければいけないのです。
中には大規模なメンテナンスを目前とした物件が売りに出されているケースもあります。
慣れている人なら見極められますが、不動産投資を始めたばかりの人はそのような物件に当たって苦しい状況に陥ってしまう場合があるので注意しましょう。

オーバーローン状態になってしまう

不動産投資を始めようと思った時に、「初期費用ゼロ」という謳い文句に惹かれる人は少なくありません。
しかし、初期費用ゼロの物件はオーバーローン状態になってしまうので注意が必要です。
不動産投資の初期費用には、頭金の他に不動産会社に支払う仲介手数料や印紙代、登記をするためにかかる司法書士への報酬なども含まれます。
初期費用がかからないということは、全てローンで賄わなければいけないということになるのです。
つまり、物件の購入費用と諸費用を毎月返済していかなければいけません。
諸費用もローンに含んだ場合、金利が高くなってしまう可能性もあります。
オーバーローンになった場合の金利はどのくらいになるか、という点もあらかじめ確認しておきましょう。

区分所有よりも比較検討が難しい

区分所有の場合は、間取りや広さ、駅からの近さなどの条件を揃えていくつかの物件を比較できます。
そして、あなた自身の予算や希望に合う物件を選べるのです。
一方アパート一棟買いだと、間取りや駅からの近さを確認する点では変わりません。
しかし、物件の規模が数戸のものもあれば、十数戸の物件もあるので、区分所有よりも比較しながら検討するのが難しいです。
きちんと検討せずに価格だけで決めてしまうと大きな失敗につながり、後悔してしまう可能性も考えられます。

節税目的

節税目的でアパート一棟買いをした場合も、失敗したと感じてしまう恐れがあります。
不動産投資における節税効果の高さは、初年度の経費が多いことが理由となっています。
初年度は、物件を購入して仲介手数料やローンの手数料を支払うため、必然的に経費が多くなるのです。
区分所有の場合は2,000万円台から購入できるのですが、アパート一棟買いの場合は1億円以上となるケースもあります。
家賃収入があっても帳簿上は赤字になるので、所得税が還付されます。
その結果、節税となるのです。
しかし、2年目以降は経費が少なくなるので節税効果が薄れてしまいます。
あくまでも節税効果は副次的なものだと理解しておくようにしましょう。

アパート一棟買いで失敗しないための対策方法

アパート

せっかくアパート一棟買いで不動産投資をするなら、失敗したくないと思うものです。
続いては失敗を回避するための対策をご紹介します。

中古物件を購入する

失敗を回避したいなら、中古物件を購入するのがおすすめです。
中古ならアパート一棟買いをしても、新築よりも初期費用を抑えられます。

新築の方が入居者にとって魅力歴だと感じるかもしれませんが、新築をアピールできるのはわずかな期間だけです。
そのため、あえて中古物件を選択するというのもひとつの手だと言えます。

リノベーションも検討する

アパート一棟買いで失敗をしたくないのであれば、リノベーションすることを前提に物件を選ぶのも良いでしょう。
新築のアパートでも築年数が経過すれば劣化していき、入居者の獲得が難しくなってしまいます。
いずれそのような時がやってくるなら、最初から中古物件を買ってリノベーションするのがおすすめです。
リノベーションをすると、オリジナリティのある魅力的な物件になるので、近隣のアパートとも差別化できます。

現地を確認して周辺環境や利便性をチェックする

空室が増えてアパート一棟買いを後悔しないためには、現地を確認して周辺環境や利便性をチェックすることも大切です。
近隣のエリアにスーパーやコンビニなどがあるか、治安は悪くないか、バスはどのくらい走っているのか、などは確認しておくべきポイントです。

年数が経過して状況が変わる場合もありますが、購入する段階でどのような環境になっているか確認しておくのは重要なので忘れないようにしましょう。

キャッシュフローで比較する

キャッシュフローは、家賃収入からローンの返済額や諸経費、固定資産税などを差し引いた残額です。
キャッシュフローは物件の規模に関わらず、平等に示される指標となります。
そのため、購入を考えている物件のキャッシュフローを算出し、比較してみるのは大切なのです。
計算する際は満室時だけではなく、入居率が80%の場合、入居率が50%の場合なども合わせて出しておくと多面的な比較ができるのでおすすめです。

まとめ

アパート一棟買いは、大きな収入につなげられる可能性もありますが、失敗のリスクも大きいです。
失敗を避けるのは、どのような原因があるのか知っておく必要があります。
原因がわかっていれば対策も講じやすくなるからです。
また、失敗を根本的に回避する方法も把握しておくとなお良いでしょう。
そうすることによって、アパート一棟買いによる安定した収入確保につなげやすくなります。