相続貧乏にならないために!やってはいけない実家の相続

相続

両親が他界したら、実家の相続は自分がやらなければならない、という人は少なくないでしょう。
実家は両親が遺してくれた大切な財産であり、それを受け継ぐことでお金が入ってきたり、得したりといったこともあります。
しかし、近年では実家の相続をしたことで相続貧乏になってしまうケースが増えてきているのです。
相続貧乏にならないためにも、実家の相続はしてはいけないのでしょうか?
今回は、今から知っておきたい実家の相続について取り上げていきましょう。

実家の相続で相続貧乏に?

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ひと昔前までは、実家の相続といえば兄弟同士で誰が財産を引き継ぐかで争うケースが多くありました。
しかし、近年では実家の相続をすると得をするどころか負担が増えて貧乏になってしまうと押し付け合うようになっていると言われています。
その大きな原因は、相続税の納付です。
相続する資産が多い場合、相続税の負担が大きくなる可能性があります。
いくら財産を引き継いだとしても、負担が大きくなるだけで貧乏になったと感じてしまっては辛く悲しい思いをしてしまいます。
最近では、こうした相続貧乏が少なくないのです。

住まない実家はお金がかかる

実家

特に実家の相続をして後々困ってしまうのが、相続しても実家には住まないパターンです。
実家に住まない場合、空き家を管理することになるため、実際に住むよりもかえってお金がかかります。

相続税が高くなる

相続した実家に住む場合、「小規模住宅の評価減制度」が適用となり、土地の評価額が8割程度安くなります。
土地の評価額が安くなれば、相続税はそれに伴って大きく軽減されます。
しかし、空き家を管理することになった場合、当然ながらこの制度は適用されないため、相続税の支払いも大きくなります。

メンテナンスなど維持するにもお金がかかる

空き家となった実家を維持管理するのは、それだけでもコストがかかります。
たとえ住むことがないといっても、慣れ親しんだ実家をすぐに売却するという決断はなかなかできないものです。
しかし、空き家としてそのまま手つかずの状態で残しておくわけにはいきません。
固定資産税・老朽化による修繕費・管理費は必ずかかります。

解体するにもお金がかかる

空き家を放置しておくと、景観や衛生面が悪化して近隣住民や行政側から注意される可能性があります。
解体する場合でも、解体費用は決して安いものではありません。
また、壁や天井などにアスベストが使用されていた場合、さらに解体費用の負担が大きくなります。

住まない実家を相続したときの対処法

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実家を相続したけれど、今後も住むことがなく空き家になる場合、そのまま残して管理する以外に売却・賃貸として出す・寄付するといった3つの方法があります。

売却する

上述したように、空き家を維持管理するにはコストがかかります。
売却といっても、地価が低く立地や建物の状態が悪ければ、そもそも買い手が見つからないこともあります。
そんな時は、親戚や周辺住民をあたってみたり、無償で譲渡したりといった選択をするのも手です。

賃貸に出す

立地や建物の状態が良ければ、賃貸として出すことも可能です。
賃貸に出せば当然家賃収入が入ってくるため、早期の老朽化を防ぎ、維持管理費の負担も軽減されます。

寄付する

買い手が見つからず賃貸にも出せない時には、自治体に寄付することもできます。
寄付できるのは、建物そのものではなく土地です。
ただ、有用な土地として判断されなければ、寄付そのものが難しくなる可能性もあるので注意が必要です。

相続する際の手続きと名義変更

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実家の相続における手続きは、遺言書があるかどうかで大きく変わります。

遺言書がある場合

遺言書が遺されていた場合、遺言書に書かれた内容に基づいて資産を分割できます。
遺言書には、被相続人が自筆で署名押印した自筆遺言書のほか、公証人と法律で定められた方式で作成した公正証書遺言の2つがあります。
土地や建物の名義変更の際には、遺言書が必要です。
自筆遺言書の場合は、名義変更の前に家庭裁判所で検認してもらい、遺言書の存在有無を確認してもらう必要があります。
名義変更には、遺言書のほか遺言者の他界事項記載がある除籍謄本・相続人の住民票・固定資産税評価証明書・受遺者の戸籍謄本・相続関係説明図などを用意しなければなりません。

遺言書がない場合

遺言書が見つからなかった場合、遺産分割には相続人全員の同意の得た上で「遺産分割協議書」を作成しなければなりません。
遺産分割協議書には、相続人全員の話し合いで決めた内容や署名・実印押印が記載されます。
名義変更には、その遺産分割協議書のほか、被相続人の全ての戸籍謄本と除住民票・相続人全員の戸籍謄本と住民票・固定資産税評価証明書・相続関係説明図が必要です。

相続税はどのくらいかかる?

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相続税は、相続する資産が基礎控除額以上の場合かかってくる税金です。
基礎控除額とは、3000万円+法定相続人1人につき600万円の計算で算出されます。
相続税の税率は10~55%で累進課税となっているため、相続する資産が多ければ多いほど相続税の支払いが大きくなる仕組みとなっています。

相続した実家に住む場合

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では、相続した実家に住む場合、具体的にどのようなことに注意しなければならないのでしょうか?

遺産分割のバランスに注意

まず注意するべきことは、遺産分割のバランスです。
相続した実家に住むと、分割で不公平が出る可能性が高いです。
というのも、例えば財産額が実家と現金だけで構成された場合、実家の相続税評価額が3000万円で、現金では500万円程になる可能性があります。
そうなると、相続人同士でトラブルになりかねません。

リフォームを想定しておくこと重要

一般的に、相続した実家は築年数も経過していて古いことが多いでしょう。
古い建物に住むとなると、早いうちからリフォームや修繕にお金がかかる可能性が高いです。
外壁や屋根などの外観だけでなく、水回りやクロスなど、建物全体のリフォームが必要になることもあります。
相続した実家に住むなら、リフォーム・修繕費用についても予め想定しておかなければなりません。

まとめ

両親が亡くなると、必然的に実家の相続をどうするのかという問題が必ず起こります。
その時になってどうすれば良いかと頭を抱えるのではなく、事前に相続する際の注意点を理解しておくようにしましょう。
そしてまた、家族間で相続の話し合いをしておくことも大切です。