不動産を経営している方は、入居者が支払う家賃が収入源となります。
ただ、多くの大家さんを悩ませている問題が家賃の滞納です。
ちょっとした払い忘れですぐに支払ってもらえるようであれば問題ありませんが、滞納の期間が長い、頻度が多いとなると対処を考えなければなりません。
そもそもなぜ家賃滞納が起きてしまうのでしょうか?
今回は家賃滞納の原因や滞納する人への対処法についてご紹介します。
目次
家賃滞納が起こる理由とは?
家賃滞納が起きてしまうのには様々な理由が挙げられます。
入居者はどういった事情で家賃を滞納してしまうのか、その理由を見ていきましょう。
単にお金がない
お金がない理由は人によって異なります。
家賃を納める前に散財してしまった人もいれば、残業が減った、産前産後休暇に入った、業績悪化で給料が減ったなど収入が下がってしまい、支払えなくなった人も多いです。
現状支払えるお金がない場合、次の収入日になれば滞納分を支払ってもらえるでしょう。
ただし、今までと同等の収入が得られなくなった人は今後も滞納が続く可能性があります。
払うのを忘れていた
単純に家賃の支払い日を忘れていて、支払えなかった人も多いです。
支払日に旅行など遠出をしている場合は、払いたくてもすぐに払えない状況です。
また、急な病気やケガで対応に追われ、支払日をうっかり忘れることもあります。
この場合は、支払うお金自体は確保できている方が多いので、滞納のことを伝えればすぐに払ってもらえるでしょう。
家族と疎遠になっている
学生が多いアパート暮らしをする学生は社会人と比べて経済力がなく、親から援助してもらっているケースも多いです。
ただ、学業やバイト、遊びに夢中で家族と疎遠になる子も多く、親からの援助が受けられず家賃を滞納してしまうケースがあります。
家賃保証会社が増加
最近は家賃保証会社を利用する物件が多く、保証人なしでも気軽に入居できるようになっています。
万が一、家賃を滞納しても保証会社が大家に支払い、後から本人に保証会社が請求する形となっています。
どのみち入居者は滞納分の支払いが求められるものの、保証される安心感から気が緩んでしまう人も多いです。
家賃を払わせる方法とは?
家賃滞納は大家にとって大きなダメージとなってしまいます。
滞納する入居者には、次の方法で家賃を支払ってもらいましょう。
本人に催促する
まず滞納が分かったら、本人に電話か訪問で支払いを催促します。
支払う気がある人であれば、催促の時点ですぐに対応してくれるはずです。
催促する際は、いつまでに支払えるか確認して支払いを待ちましょう。
督促状を送る
催促しても入金がない、または連絡が付かない場合は督促状を送ります。
督促状は家賃未払いや入金のお願い、不明点の連絡、振込先、滞納金額などを書面に記載し、郵送または入居者宅のポストに入れてください。
保証人に連絡を行う
入金や話し合いに応じない場合は、保証人に連絡を入れましょう。
保証人は家族や近い人物が設定されているケースが多く、早い段階で解決する場合があります。
このまま家賃が支払わなければ裁判の可能性があり、保証人は裁判や財産の差し押さえを回避したいと考え、支払いに応じるケースが多いからです。
内容証明郵便で催告状を送付
催促や督促状を送ってから1~2ヶ月以上も滞納が続いた時は、催告状を送付します。
催告状を送る時は内容証明郵便を使って送りましょう。
内容証明郵便は郵送の証拠を公的に残す送付方法で、相手に心理的な圧迫感を与え、話し合いや支払いに応じてもらえる確率が高まります。
また、家賃滞納にも5年間の時効があり、催告状を送付することで6ヶ月間は時効のカウントをストップできます。
その間に、部屋の明け渡しの要求や強制退去の裁判を行い、時効を10年間に引き延ばすことが可能です。
家賃滞納が治らない場合の策について
入居者が家賃を滞納している時点で、大家と借主の間では信頼関係がすでに破綻している状態と言えます。
この場合、賃貸契約の解除を要求できます。
そもそも家賃滞納は賃貸借契約に違反するので、賃貸契約を解除する旨を書面にし、内容証明で送って要求しましょう。
最終手段として裁判を行うことも
支払いや退居に応じないのであれば、最終的には裁判で争うことになります。
家賃滞納は契約違反なので結果は早く出やすく、3ヶ月以上の滞納で大家の主張が認められれば2週間程で結果が出ます。
ただし、借主が出廷しなかったり、争ったりする場合は3ヶ月から半年以上かかってしまうこともあるでしょう。
起訴が遅いと滞納される家賃も増えていくので、できるだけ早く判断して実行した方が良いです。
家賃滞納で困らないためには?
裁判をすれば大家が結利ですが、強制退去を実行する際に予内金は大家が負担しなければなりません。
立て替えた分は借主に請求できるものの、数十万から数百万円かかる費用を全て回収できるとは限りません。
そのため、家賃滞納をされた時に困らないように、次の策を講じておきましょう。
保証会社をつけておく
入居者が家賃滞納した時のリスクヘッジとして、保証会社をつけておきましょう。
基本的に保証会社は管理会社が提携するところを利用することになります。
保証会社をつければ、万が一に入居者が家賃を滞納しても立て替えてもらえます。
しかも、確実に家賃を回収できる点が大きなメリットです。
ただし、保証範囲などは保証会社ごとに違うので、管理会社を通じて会社の特徴やサービス内容を事前に確認しておきましょう。
保証人の経済状況を確認しておく
入居者本人が入金に応じないのであれば、保証人に支払いを要求することになります。
しかし、その保証人にも支払える能力がなければ、滞納分の回収が厳しくなります。
そのため、入居審査の段階で保証人の経済力も確認し、判断しておくと安心です。
まとめ
賃貸経営は入居者の家賃から安定的な収入を得られることが最大の魅力ですが、大家は家賃滞納のリスクへの対応もあらかじめ考えておかなければなりません。