アパート経営で相続税対策!節税できる理由と対策のポイントを解説

相続

アパート経営は相続税対策として有効な方法法と言われています。
そのため、将来に備えてアパート経営をしたいと考える人もいるでしょう。
今回は、どうしてアパートを経営すると相続税対策になるのか、どのようなポイントを押さえておけば良いのか、といった点について解説していきます。

アパート経営は相続税対策になるのはなぜ?

アパート経営

アパート経営によってなぜ相続税対策ができるのでしょうか?
まずはその理由から解説していきます。

借地権割合・借家権割合により不動産の評価減が可能

1つ目は、借地権割合・借家権割合により不動産の評価減が可能だからという理由です。
借地権割合は、相続税路線価図で土地ごとに定められています。
その割合は、30~90%と幅広くなっています。
路線価図に記載されているアルファベットが借地権割合を示していて、一般的な住宅地は60~70%であるケースが多いです。
アパートやマンションが建っている土地は貸家建付地と呼ばれています。
貸家建付地の評価額は、その土地の路線価評価額に全国一律30%の借家権割合をかけて算出されます。
アパート経営をしていると、その土地や建物を持ち主は自由に使えません。
そのため、借地権割合や借家権割合によって不動産の評価額を減らせるようになっています。

小規模宅地等の特例が適用される

2つ目は、小規模宅地等の特例が適用されるからという理由です。
小規模宅地等の特例は、土地に建物が建っている場合に要件を満たすと適用になります。
適用になると、土地の評価額を一定の割合で減額するのがこの特例です。
アパートやマンションが建っている土地は、200㎡まで本来の評価額から50%減額できると定められています。
200㎡を超える分は評価額が減額されることはありません。
しかし、減額対象となる部分があるので現金として持っているよりも相続税をはるかに抑えられます。

ローンによって資産を建物に変えられる

3つ目は、ローンによって資産を建物に変えられるという理由です。
アパートやマンションといった賃貸物件の建てる時に多額の費用がかかるのでローンを組むケースが大半を占めます。
ローンを組むことも相続税対策として有効です。

借入した資金でアパートなどを建てれば、資産は現金ではなく建物になります。
そうなった場合、固定資産税評価額で評価されます。
固定資産税評価額は本来の評価額よりも低くなるのが通例なので、必然的に相続税を抑えることにつながるのです。
預貯金など多額の現金資産を保有しているのであれば、それを使ったアパートなどの賃貸物件を建てた方が良いという見方もできます。
他に貸し出すことによって、大幅に相続税を節税できるからです。

アパート経営でどれだけ節税できるか比較

相続税

アパート経営で節税ができると言われても、ピンとこない人は多いかもしれません。
そこで続いては、アパート経営でどれだけ節税できるか、具体的に比較してみましょう。
今回は現金5,000万円を相続した場合と、5,000万円でアパートを購入して相続した場合を比較していきます。

・現金5,000万円を相続した場合
現金5,000万円を配偶者がいない子ども1人で相続した場合の相続税評価額は、そのまま5,000万円となります。
その場合の基礎控除額は、3,000万円+(600万円×1人)=3,600万円です。
つまり、課税遺産総額は1,400万円となるのです。
さらに15 %の税率をかけ、さらに50万円の控除を受けられるので支払うべき相続税は160万円となります。

・5,000万円でアパートを購入して相続した場合
現金ではなく5,000万円の物件を購入した場合、相続税評価額は5割~6割ほどまで下がります。
6割まで下がったと仮定すると、3,000万円と評価されます。
さらに、賃貸物件のであるため30%減額されることも考慮して考えなければいけません。
基礎控除額は3,600万円を下回ることになるため、相続税がかからないのです。

アパート経営で相続税対策を行うメリット

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相続税対策にも色々な種類がありますが、アパート経営を取り入れることでいくつかのメリットを享受できます。
どのようなメリットがあるのか解説していきましょう。

どんな土地も活用しやすい

アパートは、どのような土地でも建てやすいので土地を有効活用できます。
建築規制もそこまで厳しくなく、工業専用地域や市街化調整区域以外ならどこでも建てられます。

木造や軽量鉄骨など安価な素材も使えるので、投資額も抑えやすいです。

家賃収入を得られる

家賃収入を得られるのも、アパート経営のメリットです。
景気の変動などの影響も受けにくいので、安定した収入が期待できます。

節税対策にもなるので一石二鳥だと言えるでしょう。

事業系の土地活用よりも低リスク

事業系の土地活用と比べてみるとリスクが低いという点も、メリットとして挙げられます。
テナント誘致はハードルも高いですが、アパートはある程度の需要があります。

そのため、経営難に陥るリスクもないわけではありませんが、事業系の土地活用よりは低リスクです。

アパート経営で相続税対策をするポイント

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アパート経営で節税するには、押さえておくべきポイントがあります。
最後に、アパート経営で相続税対策をするポイントをピックアップしてご紹介します。

良質なアパートを建てる

アパートを建てても相続する時点で入居者がほぼ100%でなければ、効果が薄くなってしまいます。
満室もしくはそれと同等な期間を長く維持するには、良質なアパートを建てることが重要です。
耐用年数を超えると税金が高くなるので、それ以内でローンを支払い終わっていることも重要なポイントです。

土地から購入する場合は借入金を使わない

アパートの建築費だけなら家賃収入で返済していける見込みがあります。
しかし、土地は収益性がそこまで高くないため、借入金を使って購入するのは避けましょう。
土地は現金で購入し、アパートをローンで購入するというのが賢明な判断だと覚えておいてください。

分割方針を事前に決めておく

アパートは相続税評価額を下げる効果が大きいですが、分割しにくくなります。
相続トラブルを回避するためにも、遺言で分割対策をしておきましょう。

遺言書に抵抗がある場合は、弁護士に分割案意見書を書いてもらうという方法もあります。

サブリースは慎重に検討する

サブリースでアパート経営をする方法もありますが、オーナーの収益性が低くなってしまうので慎重に検討する必要があります。
相続税対策で楽にアパート経営をしたいと思うかもしれませんが、デメリットをきちんと理解しておかないと後悔する羽目になりかねません。

まとめ

アパート経営は、相続税対策として有効です。
しかし、アパート経営の実態をきちんと理解しておかないと上手くいかなくなる可能性もあります。
相続税対策としてアパートを有効活用したいなら、アパート経営で相続税対策をするポイントもしっかり理解しておきましょう。