長期間、そのままにしていて負担だけが重なってきた土地に対して、新しい価値を生み出すために駐車場を経営する人がいます。
比較的、最初に必要な費用を抑えることができるのでハードルも低く、始めやすいと感じるかもしれません。
しかし、駐車場として利用されていても、毎年決まった税金がかかってしまうのです。
そこで、駐車場経営前に知っておきたい固定資産税についての内容を解説していきます。
目次
固定資産税ってなに?
誰もが耳にしたことがある固定資産税ですが、これは地方税の1つです。
固定した資産を持っているため、税金がかかってくるという仕組みは、住宅の固定資産税と同じ仕組みとなります。
ここでは、固定資産税の内容について説明していきましょう。
不動産を所有していると納めなければならない
そもそも、固定資産税は不動産を所有していれば納める義務があります。
土地、建物、事業用の資産も対象となっていて、駐車場も固定資産税の対象です。
納付義務がある人は、毎年1月1日時点での所有者(個人や法人)となり、課税標準に税率がかかった金額を納めなければなりません。
この、課税標準という部分はそれぞれの自治体で評価されるもので、3年に1回見直しされます。
駐車場なども不動産扱いになるため、必ず固定資産税は払わなければならないということです。
駐車場の固定資産税には減免措置がない
固定資産税には減免措置というものがあり、小規模住宅用地であれば1/6になり、一般の住宅用地なら1/3にできます。
また、新築住宅では床面積が120㎡以下なら1/2に軽減されるなど、固定資産税の減免措置で税に関する負担が変わってきます。
しかし、駐車場となった場合は固定資産税に関する減免措置の対象ではなくなってしまうのです。
さらに、駐車場の固定資産税は住宅用地に比べて3~6倍高くなります。
駐車場の設備にも固定資産税は課せられる
前述したように、駐車場の固定資産税は住宅用と比較すると高くなりますが、また駐車場の設備によっても固定資産税が課せられます。
住宅用では、土地と建物に対して固定資産税がかかってきますが、駐車場となった場合は舗装されたアスファルトやコインパーキングの機器、またフェンスなどの設備が資産とされます。
設備は経年劣化があるものは償却資産となり、評価額が決められています。
設備を整えていくと、評価額も高くなってしまうでしょう。
駐車場の固定資産税の計算方法とは?
基本的に固定資産税は、各評価額に標準税率となる1.4%をかけて計算されます。
この税率の部分は市区町村によって違いがありますが、土地と駐車場によっても変わってきます。
ここでは、土地と駐車場の固定資産税の計算をしていきましょう。
土地部分に課せられる固定資産税の計算方法
土地の部分に課せられる固定資産税の計算方法ですが、固定資産税の評価額に1.4%をかけて計算します。
この評価額は、固定資産税納付書で確認することもできますが、路線価を見て判断することも可能です。
路線価とは、毎年1月1日の価格を基にして公表されていて、道路に対しての評価が分かるものとなります。
駐車場設備に課せられる固定資産税の計算方法
続いて、駐車場の設備に課せられる固定資産税の計算です。
設備部分では、償却資産税評価額に1.4%をかけて計算します。
この償却資産税評価額は、設備を取得した際にかかった費用から70%~80%程度をかけたものを目安にしていますが、設備は年数の経過によって劣化するため評価が低くなることを視野に入れています。
そのため毎年評価は下がっていきますが、取得時の50%以下まで下がることはないでしょう。
都市計画税が課せられる場合もある
駐車場となる土地がある場合、気にしたいのが都市計画税です。
都市計画税は、駐車場が対象の地域にあれば、固定資産税の支払いと同時に納めなければなりません。
そのため、対象地域に駐車場を持っていると都市計画税まで課せられてしまうということです。
都市計画税は、課税評価額に税率をかけて計算しますが最高でも0.3%となります。
駐車場の固定資産税を節約するには?
建物のない駐車場は、固定資産税の減免措置がないだけでなく、場所によっては都市計画税が課せられてしまう場合もあります。
つまり、税金を節約するのが難しくなってしまうということです。
駐車場にかかってくる固定資産税を節約するには、どのような方法があるのでしょうか?
アスファルト舗装の駐車場にする
アスファルトで舗装していない土地は、償却資産がないとみなされるため、償却資産税の対象にはなりません。
そのため、同じ面積を所有していても税率が高くなってしまうのです。
アスファルトでの舗装がされていると、構造物の敷地であるとみなされ、貸付事業用宅地等に該当します。
国税庁の特例により、200㎡以下の敷地を限定に評価額を減額できるため、アスファルト舗装の駐車場にしておく方がプラスになるでしょう。
償却資産税を減らす
駐車場という決まった土地の部分に関しては、固定資産税を減少させることは困難でしょう。
しかし、設備設置に関する償却資産の部分は150万円を超えてしまった場合、会計処理次第で償却資産税が節税できます。
取得費が150万円のラインを超えてしまった場合、一括償却資産として計上します。
これにより、3年に分散して10万円から20万円に満たない資産取得費として免税が受けられるという考え方です。
例えば200万円の取得費がかかった場合、150万円を超えてしまったため、一括償却資産にしたとします。
これを3年分、つまり3つに分けるのがこの考え方です。
住宅用地とつなげる
また駐車場の固定資産税を節約するには、用途を駐車場と住宅用地につなげることも可能です。
駐車場が付いている賃貸住宅、また住宅と駐車場というようなスタイルに変えると課税の方法も変わってきます。
住宅などの建物があると費用も多くかかってしまいますが、新たな価値に期待できるでしょう。
まとめ
駐車場は固定資産税の対象になるもので、土地と駐車場に必要な設備部分に税金がかかってきます。
不動産を所有している限り、固定資産税は必ず必要になりますが、駐車所のスタイルによっては節税ができるでしょう。
立地条件によっても税金額が変わりますが、少しでも固定資産税が軽減できるようにしてみましょう。