古民家リノベーションと建て替え、どちらを選ぶべき?

古民家リノベーション

古民家リノベーションは、昔の住宅の良さを残しつつ、現代のライフスタイルに合わせた家づくりです。
しかし、「古民家リノベーションをするより建て替えた方が良いのではないか?」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、建て替えと比較した時に古民家リノベーションにはどのようなメリット・デメリットがあるのかご紹介していきます。
古民家リノベーションをしようか、建て替えをしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

古民家リノベーションのメリット・デメリット

古民家リノベーション

古民家リノベーションにはたくさんの魅力が詰まっています。
具体的にどのようなメリットがあるのか、またデメリットもあるのかご紹介していきましょう。

メリット

昔ながらの日本家屋の雰囲気を残せる

昔ながらの日本家屋には、今の住宅には出せない趣や雰囲気が残っています。
例えばたくさんの年数を経たことで柱や梁には深い色・質感が出てきます。せっかくの柱や梁を壊してしまうのはもったいないです。
また、近年は「和モダン」がトレンドになっていますが、古民家リノベーションなら和モダンな雰囲気に生まれ変わることもできます。

固定資産税を抑えられる

住宅を所有していると毎年固定資産税を納めなくてはなりません。
この固定資産税の税額は築年数によって変わり、年数が古いと税額は安くなります。
つまり、新築に建て替えてしまうとその分固定資産税も高くなってしまうのです。

古民家リノベーションであれば、改修した部分はあっても基本的な築年数は変わらないので固定資産税はそのままになります。

デメリット

天井が高いので断熱性が低い

古民家の特徴は天井が高く、平屋であるケースが多いです。
これは風通しを良くするために天井を高くしているのですが、現代においては断熱性が低くなってしまい、空調費のコストが上がりやすくなります。
特に冬場は部屋を暖めるまでに時間もかかってしまうので、断熱材の導入も考えるようにしましょう。

耐震強度が低い恐れがある

現在の住宅には新耐震基準が設けられており、地震への強度を高めています。
しかし、1981年以前になると旧耐震基準、さらに古民家となると旧耐震基準が成立した1950年よりも前に作られているケースもあるでしょう。
そうなると、大規模な地震が発生した時に倒壊するリスクが高まります。
リノベーション時には耐震リフォームについても考えなくてはなりません。

建て替えのメリット・デメリット

古民家リノベーション

古民家を丸ごと壊し、新築の住まいへ建て替える場合、どのようなメリット・デメリットが生まれるのでしょうか?

メリット

耐震工事がしやすい

古民家リノベーションだと柱や梁、土台などはそのままに、その他の部分を新しく変えていくのですが、建て替えだと一度家を全て壊し、その上から新しく家を建てていきます。
土台も壊してしまうため、地盤改良も可能であり耐震工事がしやすいです。

また、土台を作る際にも耐震強度を高める工事を取り入れられるため、地震が不安な場合は建て替えを選択した方が良いかもしれません。

建物の形状を変えられる

リノベーションは間取りを変えることはできるものの、建物自体の形状は変えられません。
建て替えの場合、敷地内であれば自由に家の形状を変えることができます。
例えば狭小地なので3階建てにしたいといった場合は、古民家リノベーションよりも建て替えの方が向いているでしょう。

デメリット

工事期間が長くなる

建て替えの場合、一度家を壊さなくてはならないため工事期間が古民家リノベーションよりも長くなりやすいです。
それまで仮住まいを用意しなくてはなりませんが、工事期間が長くなればなるほど仮住まいにかかる費用も上がっていきます。

税金がかかる

古民家リノベーションのメリットにも書きましたが、固定資産税は築年数が経つにつれて減額されていきます。
しかし、建て替えて新築になってしまうと固定資産税も前より多く納める必要があります。
また、都市計画税や登録免許税など、様々な税金がかかってくる可能性もあるので注意が必要です。

費用相場はどれだけ違う?

古民家リノベーション

古民家リノベーションと建て替えのメリット・デメリットをご紹介してきましたが、費用相場には違いがあるのでしょうか?
まず古民家リノベーションの費用相場は家の状態や変更の規模によっても異なりますが、最低でも300〜500万円はかかり、デザインや設備にこだわった場合1,000〜2,000万円以上になることも少なくないでしょう。

一方、建て替えの相場は1,000〜4,000万円程度かかると言われています。
古民家リノベーションに比べて相場は大きく異なっていることが分かるでしょう。

この違いは、工程の多さが関係しています。
建て替えになると解体工事と本体工事、別途工事の最低3つの工事が行われます。
さらに耐震性を強化するのであれば地盤改良工事が必要となるでしょう。
工事の工程が増えればその分人件費も増え、工事費用が上がってしまうのです。

古民家リノベーションの業者はどう選ぶべき?

古民家リノベーション

古民家リノベーションで失敗しないためには、施工に携わる業者選びも重要となります。
リフォーム・リノベーション業者は多く存在していますが、古民家リノベーションに対応しているところは意外と少ないです。
古民家の特色を活かしながら、家族のライフスタイルに合った住まいづくりをしていくためには、きちんと古民家の伝統的な工法を理解しており、適切に設計できる業者を選んだ方が良いでしょう。
特に、古民家リノベーションの施工実績が既に何件かある業者だと安心して相談できます。

なお、古民家リノベーションに活用できる補助金制度に詳しい業者に相談してみるのもおすすめです。
補助金制度を活用すれば、できるだけコストを抑えながら理想的な住まいづくりが行えるでしょう。

まとめ

古民家リノベーションと建て替えにはそれぞれメリット・デメリットがあります。
それぞれの特徴を比較しながら、これからの家族の暮らしに合う方を選ぶと良いでしょう。

また、費用相場だけで言えば古民家リノベーションの方がコストを抑えられるかもしれません。
ただし家の状態や規模によって費用は大きく変わってくるため、業者と相談する中で最適な方法を見つけていきましょう。