高度経済成長期を支えてきた築古の団地が、実は今、不動産市場で注目されています。
安くオシャレな暮らしをしたいという新しい価値観を持った層、子育て世代に団地リノベーションが支持されてていることを知っている人も多いでしょう。
今回は、団地リノベーションの魅力や上手に団地をリノベーションするポイント、不動産投資的価値について、詳しくご紹介していきます。
目次
団地リノベーションの魅力とは
集合住宅という意味では、団地は通常のマンションと似ています。
しかし、団地にはマンションとは違う団地ならではの魅力があります。
これから集合住宅のリノベーション物件購入を検討するなら、ぜひ団地の魅力も知っておきましょう。
団地は立地条件が整っている
団地の多くは自治体などの都市計画に基づいて建てられているので、立地条件が良い傾向があります。
広々とした土地に整然と建てられていて、周辺には公園や公共施設、病院、学校などが揃っていることがほとんどです。
植栽も計画的に配置され緑豊かな環境が整っていて、日当たりや風通しなども良好な物件が多い点も団地ならではの魅力と言えるでしょう。
駅からのアクセスが良い、商業施設などが近くに揃っている団地も多いです。#
価格が安い
同じ立地条件のマンション物件と比較して、団地は圧倒的に購入価格を安く抑えられます。
住宅ローンにゆとりを持たせたい人にとっても価格の安さは大きな魅力です。
物件購入価格を安く抑えて、充実したリノベーションで理想の住まいで暮らしたい人にとっても、安く購入できる団地は魅力的な物件と言えます。
安心の管理体制
大規模な団地の場合、修繕計画などの管理が徹底しているので築古物件でも耐震などの部分に安心感があります。
団地ならではの自治会などで住民間のコミュニティもしっかりしているので、防犯的にも、いざと言う時にも助け合える体制が整ってます。
団地リノベーションのポイント
団地リノベーションでは室内の全てを一度解体することがほとんどです。
そのため、バスルームやキッチンなどの住宅設備も含めてすべてが一新され、過ごしやすい空間づくりが実現します。
より住みやすい物件にするための、団地のリノベーションポイントをご紹介しましょう。
ゆったりとした間取りに
団地の間取りは、複数の和室に区切られていることが一般的です。
リノベーションでは、ダイニングキッチンと和室をつなげて、ゆったりとしたリビングダイニングへと変更すると良いでしょう。
人気の対面キッチンや、アイランドキッチンを中心とした間取りも団地リノベーションで意識したいポイントとなります。
日当たりの良さを活かす
団地の魅力の1つ、日当たりの良さもリノベーションのポイントです。
オシャレな窓に変えるだけでも室内の雰囲気は大きく変わります。
明かり取り用の窓などの位置も意識しながら、室内の壁の配置を工夫し、団地ならではの日当たりを活かした間取りを工夫してください。
自然素材を使ったリノベーション
古い物件だからこそ、自然素材を活用したリノベーションもおすすめです。
漆喰の塗り壁や、無垢材を使った床など、自然の素材感を楽しむリノベーションが、古い建物ならではの魅力を活かせます。
敢えて古いデザインを活かして、レトロモダンな室内空間に仕上げても楽しいでしょう。
水回りの機能性はマスト
築古の団地では、水回りのリノベーションはマストです。
排水管や水道管なども含めて、いかに水回りの機能性を上げておくかがポイントとなります。
キッチン、バスルーム、洗面所、トイレは最新設備で快適に整えましょう。
注意したい団地ならではのリノベーション
一般住宅のリノベーションと団地のリノベーションでは違う部分があります。
団地リノベーションならではの注意点をご紹介します。
構造によってはリノベーションの制限がある
団地の中には、壁式の構造で部屋を仕切る壁が鉄筋コンクリート製の建物もあります。
壁式構造は、建物としての強度が確保できるものの、耐震性能上の問題で一部の壁は取り除くことができない場合があります。
そのため、間取り変更の自由度が低く、壁を壊して広々とした空間を確保しにくいことがある点は注意しましょう。
もし、自由度の高いリノベーションをしたい場合は、ラーメン構造の物件を選んでください。
団地コミュニティとの相性
団地は住民同士の交流がメリットの反面、交流がデメリットともなります。
コミュニティの質によっては、価値観が合わない場合もあるでしょう。
どんな人が住んでいるのか、住民同士の関係性は良いかなどを事前にチェックしておくことをおすすめします。
建て替えリスク
せっかく自分好みにリノベーションをしても、団地には建て替えのリスクがあります。
建て替え計画の有無も、事前に確認しましょう。
エレベーターがない
多くの団地にはエレベーターがありません。
年齢と共に階段の上り下りが辛くなったり、実際に住んでみると不便に感じたりする可能性は否定できません。
高層階に住む場合は、きちんと検討しておきましょう。
不動産投資先として考える団地リノベーション
老朽化している団地も、活用次第では有効な資産となることが団地リノベーションの人気で証明されました。
最近は団地再生プロジェクトも多く立ち上がっていて、個性的な団地が各地に誕生しています。
無印良品とのコラボで話題となった団地リノベーションプロジェクトでは、スタイリッシュで個性豊かな物件が人気となって各地でほぼ満室となりました。
さらに、最新のIoTを導入した団地リノベーション物件も登場しています。
不動産投資では、築浅物件を購入してそのまま貸すという従来の手法が、近年の建築費高騰でメリットが薄くなっていることもあり、団地リノベーションのような築古リノベーション物件への需要が高まっているのが現状です。
まとめ
団地リノベーションの人気は、これからの住まい方、暮らし方の価値観を変える新しい流れとも言えます。
子育て世代にとっては、公園などの遊び場もあり、安心できる団地コミュニティの中で、自分らしいインテリアの住まいで暮らせるリノベーション団地は、価格の安さも含めて大変魅力的です。
手つかずの団地を再生させてリノベーション物件として扱う手法は、社会問題の解消という側面からもますます期待が高まっています。
団地リノベーションは今後の不動産投資のカギを握る存在として、ますます注目が集まるでしょう。