社会問題になっているマンションのスラム化!リスクや対策法とは?

マンション

マンションのスラム化は不動産投資家を目指す人ならぜひとも覚えておきたい知識です。
万が一マンションがスラム化してしまうと、投資家生活を諦めなくてはならないほどの大きな影響を受けてしまいます。
今回は、マンションのスラム化がどのようなことを指しているのか解説します。
また、スラム化しやすいマンションの特徴や、スラム化しないための秘策などもご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

マンションのスラム化とは?

マンション

まずはマンションのスラム化について説明していきましょう。
スラムというのは都市部の中でも乏しい人々が集まる区域を指しており、マンションの改修・改善工事が行われずに区域全体が古びていることが多いです。

多数の人が住んでいるはずのマンションでも空き家状態になってしまうことは珍しくありません。
行政サービスは届かずに荒れてしまった廃墟は不法侵入される様子も多く見られ、犯罪の温床となり、不衛生な場所もたくさん見られます。

これらを懸念する言葉を「マンションのスラム化」と呼んでいます。

スラム化しやすいマンションの特徴

マンション

マンションのスラム化は海外で多く発生している問題ですが、日本の一部でも起こっているため見逃してはなりません。
続いては、スラム化が起こりやすいマンションについて解説していきます。

高齢の入居者が多いマンション

入居者における高齢者の比率が多いマンションはスラム化しやすいと言われています。
その理由は、高齢の入居者が亡くなった後を狙って、何者かが住み着いてしまうからです。
子どもや孫など、新たに別の人が入居するなら問題はないですが、昨今は子どもや孫世代は別のマンションに入居してしまうことがほとんどです。
高齢化が進んでいる古いマンションは将来的に住民が多く減ってしまうリスクから、かなり危険が高いと言えるでしょう。

空室率30%以上のマンション

空室率30%以上となったマンションも注意が必要です。
空室率は高ければ高いほど、他人に狙われやすくなります。

不法侵入だけではなく、盗難被害にも遭う住民は増え、治安が低下していってしまうことでしょう。
マンション内でさらに空き家が増えるとなれば、スラム化してしまう可能性もゼロではありません。
立地や利便性が悪くて度々空室が生まれてしまうマンションは注意しましょう。

管理が行き届いていないマンション

管理が行き届きているかどうかは、マンションの見た目であらかた分かります。
汚れていたりゴミが落ちていたりといったように不衛生であることが見た目で分かってしまうと、誰もが管理されていないマンションであると考えてしまうはずです。

また、老朽化が進み古い状態のままである外壁や設備、人気がないことを象徴するかのように人の出入りが少ないマンションは危険と言えます。
お金がかかる、面倒だからといって管理を怠ると大変な目に遭います。

マンションのスラム化によるリスク

スラム化

マンションはスラム化してしまうと様々な問題が生じてしまいます。
ここからはマンションがスラム化した場合のリスクを解説しましょう。

空室の増加

マンションがスラム化してしまうと、さらに空室率を増加させると言われています。
老朽化して明らかに管理されていないことが分かる不衛生なマンションには、新たな住み手が見つからないほか、入居していた人も出て行ってしまうことがあります。
スラム化したマンションだと知られてしまえば、人気もかなり下がってしまうでしょう。
住む人の評判やマンションの近くを通る人からの評判が落ちればどんどん人気のないマンションになってしまいます。

管理費や修繕費などの回収が難しくなる

空き家率が上がってしまったら収益を増やすことも難しくなります。
収益が増えないということは、マンションの購入費や管理費などにあてるお金がなくなってしまう可能性があります。

共用エリアの修繕をしたいと思っても積立金がなければできません。
外壁、水道管、配線設備などマンションは修繕すべき部分がたくさんあります。
こうして古びたマンションになっていくと、さらにスラム化を加速させる要因になるのです。

治安や衛生環境の悪化

マンションがスラム化し管理が行き届かない場合には、様々な設備が故障してしまう恐れがあります。
設備が故障したとしても放置されている現状は、多くの人が異常であると判断するはずです。
さらに、清掃が行われていない場合には、近隣の衛生環境にも影響が出始めるでしょう。
スラム化した場所には清潔にしている人よりも不衛生の人の方が集まりやすい傾向にあります。

衛生マンションの印象悪化に拍車をかけるようになってしまうリスクがあることを覚えておきましょう。

マンションのスラム化を回避する対策方法

マンション

マンションのスラム化を回避するには対策を講じなくてはなりません。
最後に、どのような対策が効果的なのかご紹介します。

将来の計画を事前にしっかり立てる

計画を立てずに運用されたマンションの多くは収益が満足に回収できなかったり、そのせいで設備を一新できなかったりと、スラム化の様々なリスクに直面します。
反対に将来の計画を事前に立てた場合には、しっかりと収益を確保できるため建物の劣化につながりにくくなるとされています。

古いマンションは建て替える

築30~50年ほど経過した古いマンションは建て替えをおすすめします。
マンションの建て替えというのは以前なら居住者の5分の4以上の賛成者が必要でした。しかし、現在は都市計画法の改正により変わっています。
市街地再開発事業者かつ自治体が承認するようであれば、居住者の3分の2以上の賛成数があれば建て替えができるようになったのです。
また、再開発以外での条件となればこれまでと同じ賛成者の数が必要ではありますが、再開発事業の対象の場合には通常よりも設定条件が少なくなり、建て替えがしやすくなります。
建て替えはお金がかかるイメージですがランニングコストを考えると、細かな修繕を繰り返すよりもお得になるケースが多いです。

築年数が古くなる前に売却

築年数が20年程度であるなら売却を検討してみるのも良いでしょう。
マンションは集合住宅であるため、複数の権利者が存在します。
オーナー一人の力だけではどうにもならないことは多く、築20年というベストなタイミングで手放すことでマンションのスラム化から避けられるようになるのです。
築年数が古くなりすぎないうちに、早めに手放す決断をしましょう。

まとめ

今回は社会問題にまで発展してきているマンションのスラム化についてまとめてきました。
スラム化した場合の恐ろしい惨状や、スラム化しやすいマンションの特徴、さらにはスラム化を避けるための手段など、マンションを運用する方は知っておくべき内容です。
日本ではただでさえ高齢化が進んでいます。
マンション内でも高齢化が進まないよう、そして日々新たな入居者が集まるように、管理を徹底していくべきです。