せっかくWi-Fi完備の賃貸物件に引っ越したのに、インターネットの接続が不安定だったり通信速度が遅かったりして「失敗した…」と感じたことのある方もいるでしょう。
Wi-Fi完備と称している物件で、なぜこのようなことが起きてしまうのか、また引越し時に加入する保険でどうにか補償してもらうことはできないのでしょうか?
今回は、引っ越し時に利用できる保険の種類や補償範囲について解説するとともに、Wi-Fi完備の賃貸物件に引っ越したものの、インターネット通信で不便を感じた場合の対処法や、Wi-Fi付きの賃貸物件を選ぶ際に失敗しないためのポイントをご紹介していきます。
Wi-Fi付きの賃貸物件へ引っ越したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
引越し時に利用できる保険とは

まずは、引っ越し先の賃貸物件におけるインターネット環境の問題は、引っ越しに関連する保険で補償してもらえるのか、という疑問にお答えしていきます。
引越し時に利用できる保険には、「運送業者貨物賠償責任保険」と「引越荷物運送保険」というものがあります。
どちらも、引越しに伴う荷物の破損や紛失に備えた保険ですが、片方は引っ越し業者が加入する保険、もう片方は依頼人が加入する保険です。
具体的な相違点について、以下で詳しく見ていきましょう。
運送業者貨物賠償責任保険
運送業者貨物賠償責任保険は、運送業者向けの損害保険です。
引越し業者を含め、運送業者は万が一運送中に依頼人の荷物を破損・紛失してしまった場合、依頼人に対してその損害を補償する義務があります。
そのため、多くの引越し業者がこの保険に加入しているのです。
もちろん、保険料は運送業者が負担するため、依頼人の負担はゼロで特に必要な手続きもありません。
ただし、荷物の破損や紛失について補償を受けるためには、引っ越し業者の過失であることが証明できなければなりません。
また、あらかじめ決められている補償範囲の適用外だった場合には、たとえ引っ越し業者の過失であっても補償は受けられないことになります。
引越荷物運送保険
引越荷物運送保険は、引越しの依頼人向けの任意保険です。
この保険に加入していれば、引越し業者に過失がない荷物の破損や紛失でも補償が受けられます。
保険料の相場は1,000~2,000円程度で、依頼人側の負担となります。
引越し業者のプランやパックに付帯されていることが多いものの、任意なので加入するかどうかは依頼人の自由です。
運送業者貨物賠償責任保険と同様、あらかじめ適用範囲が決められているので、ケースによっては補償が受けられないこともあります。
補償範囲については、次章で詳しくご紹介します。
引越したのに賃貸のWi-Fiが遅い!保険の補償対象になる?

上記でご紹介した「運送業者貨物賠償責任保険」と「引越荷物運送保険」は、あくまでも荷物の破損や紛失などを補償するためのものです。
そのため、引越し先の賃貸物件のWi-Fiが遅いという理由で、保険による補償を受けることは残念ながらできないのが実情です。
引越し業者に無理な対応をお願いして単なるクレーマーと捉えられてしまわないためにも、運送業者貨物賠償責任保険と引越荷物運送保険の補償範囲について、正しく理解しておきましょう。
運送業者貨物賠償責任保険の補償範囲
運送業者貨物賠償責任保険の補償範囲は、以下のとおりです。
・積み込みや運送、荷下ろしなどの引越し業務中に、偶然発生した事故による損害
・依頼主が訴訟を起こした場合の訴訟、仲裁、調停費用
運送業者貨物賠償責任保険の補償額の上限は、業者によっても異なりますが、多くの企業で1,000万円以上に設定されています。
一般的な荷物であれば、運送業者貨物賠償責任保険の補償ですべて賄えると考えて良いでしょう。
ただし、青果物や生鮮食品、植物、家畜や活魚を含む生動物など、ものによっては補償条件が制限されていることもあります。
詳細は、引っ越し業者から見積もりを受け取った時点で確認するようにしてください。
運送業者貨物賠償責任保険で補償されないもの
以下の損害については、運送業者貨物賠償責任保険で補償されません。
・依頼主側の故意や過失による破損
・配送遅延による損害
・自然消耗や錆び、カビなど
・戦争やテロ、ストライキなどによる損害
上記を見てもわかるとおり、引越し業者側に過失のない損害に関しては、補償の範囲外とされています。
また、宝飾品や貴金属製品、美術品、絵画、骨董品といった希少価値のあるものや現金・有価証券なども補償の範囲外です。
余計なトラブルを避けるためにも、金品や貴重品は自分の手で搬送するようにしましょう。
さらに、業者によっては他にも補償範囲外となるケースや荷物が存在する可能性があります。
事前に、補償範囲の確認を怠らないことが大切です。
引越荷物運送保険の補償範囲
引越荷物運送保険の補償範囲は、以下のとおりです。
・依頼主の過失による損傷
・引越し中に起きた盗難
・運送中のもらい事故による損害
引越荷物運送保険に加入していると、運送業者貨物賠償責任保険では補償されないような損害についても補償してもらえます。
補償額の上限は、運送業者貨物賠償責任保険と同様に1,000万円以上となっていることが多いです。
加入は任意で保険料も自己負担ですが、引越し業者の過失以外の予期せぬ事故やトラブルによる損害もカバーできる補償範囲の広さは、検討する価値があると言えるでしょう。
引越荷物運送保険で補償されないもの
いくら補償範囲が広い引越荷物運送保険でも、以下のものについては補償されません。
・配送遅延による損害
・パソコンなどのデータ消失
・地震や暴動などが原因の損害
この中でも多くの人が勘違いしやすいのが、パソコンなどのデータ消失です。
パソコンの外側の破損については補償されますが、内部のデータまでは対象外となっているので注意しましょう。
データが消失すると困るような電子機器は、できるだけ自分で運ぶことをおすすめします。
Wi-Fi完備の賃貸物件の回線が遅い理由とは

ここまで解説してきたとおり、引越し先の賃貸物件のWi-Fiに関しては、引っ越し時の保険では補償を受けられないため、自分で対処するしかありません。
そもそもなぜWi-Fi完備の賃貸物件で回線が遅いと感じてしまうのでしょうか?
ここからはその理由について解説します。
同一回線を利用している世帯数が多い
インターネット回線が遅くなる理由のひとつとして挙げられるのが、同一回線を大人数で共有することです。
一般的に、賃貸物件のインターネット回線は、外部から共用部分まで1本の回線を引き込み、そこから各部屋へと分配しています。
1本の回線で送信できるデータ量は限られているため、大人数が一斉にインターネットを使用すると、1人当たりが利用できるデータ量が少なくなって通信速度が低下してしまうのです。
賃貸物件で、多くの人がインターネットを利用する時間帯に、特に通信速度が遅くなるように感じるのはこのためです。
光配線以外の配線方式が採用されている
賃貸物件におけるインターネット回線の配線方式は、主に光配線方式とLAN方式、VDSL(電話回線)方式の3種類に分けられます。
このうち、最も通信速度が速いのは光回線方式で、それ以外の方式だと通信速度が遅くなります。
だからと言って、LAN方式やVDSL方式から配線に変更するには、建物全体を工事しなければならないため容易ではありません。
インターネットを利用する上で快適な通信速度を求めるのであれば、ネット回線の配線方式を確認し、光配線方式を採用している物件を選ぶようにすることがおすすめです。
接続機器が劣化している
利用環境や配線方式以外で回線が遅くなる理由としては、Wi-Fiルーターやパソコンなどの接続機器の不具合または劣化などが考えられます。
例えば、古い接続機器を使用している場合、インターネット回線の通信速度に対応しておらず、本来の通信速度が発揮できなくなってしまいます。
一度、Wi-Fiルーターを使った無線接続ではなくLANケーブルを使った有線接続を試してみて、通信速度が上がるようであれば、接続機器に問題がある可能性が高いと言えます。
プロバイダの質による影響
インターネット回線のつながりやすさは、インターネット回線を契約しているプロバイダの質によっても左右されます。
特に、従来型の接続方式を採用しているプロバイダは、時間帯による混雑や速度制限などの影響を受けやすく、通信が不安定な傾向にあります。
一方で、混雑する時間帯を避けてインターネットに接続するなどの、新たな接続方法を採用しているプロバイダであれば、快適な通信環境が期待できます。
賃貸物件によっては、コスト削減のために大手以外のプロバイダと契約しているケースもあるため、インターネット利用可能な賃貸物件を探す際は、どこのプロバイダと契約しているかも確認すると良いでしょう。
その他(通信障害や電波干渉など)
一時的に回線がつながりにくくなる場合は、通信障害や電波障害などが発生していることが考えられます。
通信障害については、契約しているインターネット回線の事業者やプロバイダのホームページから確認できます。
また、電波干渉かどうかを確認するには、まずWi-Fi電波の周波数を把握する必要があります。
Wi-Fi電波には、2.4GH帯と5GHz帯の2種類がありますが、それぞれ以下のような特徴を持っています。
・2.4GHz:障害物に強く、端末との距離が離れていても通信しやすい一方、通信速度は遅めで、家電などの電波による干渉を受けやすい。
・5GHz:障害物に弱く、端末との距離が離れると通信しにくくなる半面、通信速度は早い。
現在使用している周波数帯が2.4GHzの場合は、5GHzに切り替えることで通信速度が改善することもあります。
そもそもインターネット完備の賃貸物件ってどんなもの?

インターネットが利用できる賃貸物件を探していると、「インターネット完備」「インターネット無料」「インターネット対応」などといった表現の違いに戸惑う方もいるでしょう。
快適なインターネット環境が整った賃貸物件を選ぶためには、それぞれの違いや特徴をきちんと理解しておく必要があります。
ここでは、「インターネット完備物件」「インターネット無料物件」「インターネット対応物件」について、それぞれの特徴をご紹介します。
インターネット完備物件
インターネット完備物件とは、大家さんが回線事業者やプロバイダと契約を結んでおり、なおかつ各部屋への回線引込工事が完了している物件のことです。
入居者自身でインターネット契約を行ったり工事を申し込んだりしなくても、入居してすぐにインターネットを利用できるのが特徴です。
ただし、Wi-Fiを利用したい場合は自分でルーターを用意しなければなりません。
また、インターネット料金は入居者が負担する場合と、無料の場合があります。
インターネット無料物件
インターネット完備物件の中でも、入居者がインターネット料金を負担する必要のない物件を「インターネット無料物件」と呼びます。
しかし、物件によっては家賃や管理費の中にインターネット料金が含まれているケースもあるため、完全に無料とまでは言い切れません。
それでも、賃貸物件全体で契約することで割引が適用されているケースも多いため、個人で契約するよりはお得と言えるでしょう。
Wi-Fi完備物件
インターネット完備物件の特徴に加えて、さらに各部屋にWi-Fiルーターが設置されている物件を「Wi-Fi完備物件」と呼びます。
通常、「インターネット完備物件」とだけ表現されている場合、Wi-Fiを使用するためには自分でルーターを準備しなければなりません。
しかし、「Wi-Fi完備物件」を表現されていた場合は、入居直後からWi-Fiが利用できる環境が整っていると判断できます。
インターネット対応物件
インターネット対応物件は、インターネット完備物件やインターネット無料物件などと混同してしまいがちですが、入居後すぐにインターネットを使用できるかどうかという点が、大きく異なります。
インターネット対応物件とは、建物の共用部分までの回線工事が完了している物件のことを指します。
各部屋への回線引き込み工事は済んでいないため、インターネット回線事業者やプロバイダの選定、契約、回線工事の申し込みは入居者自身で行う必要があります。
契約や工事が完了するまではインターネットを利用できない上に、工事費用やインターネット料金は入居者が負担しなければなりません。
そうした手間がかかる一方で、事業者や契約プランを自由に選べるというメリットもあります。
インターネット対応物件で、速やかにインターネットを利用したい場合は、早めに手配するようにしましょう。
Wi-Fi完備の賃貸物件を選ぶメリット

Wi-Fi完備の賃貸物件には、以下のようなメリットがあります。
月々のインターネット使用料を節約できる
自宅でインターネットを利用する場合、契約する会社やプランにもよりますが、毎月3,000~5,000円程度の支払いが必要になります。
この月々の回線使用料の負担が無料になるというのは、固定費を抑える上で大きなメリットとなるでしょう。
開通工事やプロバイダ契約をする必要がない
インターネット使用料が無料である場合、各設定や契約手続きは既に終わっている状態です。
もし、インターネット回線が入っていない物件の場合は、入居者はプロバイダを比較検討し、業者に連絡して、開通工事を待たなければなりません。
工事の日程が合わなければ、使用開始までに時間がかかるでしょう。
面倒な手続きや設定が苦手な方にとって、余計な労力が必要ないことは大きなメリットです。
入居後すぐにインターネットを使用できる
Wi-Fi完備の賃貸物件の場合、入居後すぐにインターネットを使えるケースが多いです。
そのため、引越し当日からインターネットが利用でき、回線の開通を待つ必要がありません。
引越し後は新生活で忙しいため、何も考えずに引越し直後からインターネットを利用できる点はメリットと言えるでしょう。
退去時にインターネット解約の違約金の支払いがない
自分自身でインターネット契約を結んでいる場合、契約期間中に解約した場合には、違約金が発生する可能性があります。
しかし、Wi-Fi完備の賃貸物件の場合、大家さんまたは、物件所有者が契約者なため、契約期間を気にして退去時期を決める必要はありません。
Wi-Fi完備の賃貸物件を選ぶデメリット

メリットが多いWi-Fi完備の賃貸物件ですが、デメリットもあります。
デメリットを踏まえて、後悔のない物件選びに役立てましょう。
家賃にインターネット料金が含まれている場合もある
「インターネット無料」の賃貸物件であっても、実際はインターネットの回線料金が家賃に上乗せされている場合もあります。
家賃は大家さんが自由に設定できるので、インターネットの回線料金を考慮して家賃設定している場合も多いでしょう。
Wi-Fi完備、インターネット無料であっても、周辺の家賃相場よりも高いのであれば、自分自身で好みの回線を契約する方が満足度は高いかもしれません。
時間帯によって通信速度が遅いことがある
Wi-Fi完備の賃貸物件の場合、アパートやマンション全体で1つの回線を契約し、複数の入居者と共用して使用しているケースも少なくありません。
そのため、利用者が多い夕方から夜間の時間帯や休日などは、通信速度が遅くなりやすい傾向にあります。
通信速度が遅くなると、動画の視聴、Web会議、オンラインゲームなどに影響がでるため、快適に利用することができません。
契約するプロバイダを選べない
Wi-Fi完備の賃貸物件の場合、既に無料で使えるプロバイダや回線の種類が決まっているケースが大半です。
建物状況によっては、光回線など物理的に部屋に引くことができない場合もあるでしょう。
自分自身でプロバイダを選びたい方や通信速度にこだわる方はWi-Fi完備の賃貸物件は向かないかもしれません。
自分でネット回線を契約する場合、二重支払いになる(ネット使用料が管理費や家賃に含まれている場合)
通信速度に不満があり、提供されている回線とは別に個人で契約をする場合、支払いは自分自身になります。
また、既存のWi-Fiを使用していないからといって、その分の回線使用料が管理費や家賃から差し引かれることはないでしょう。
そのため、実質的に二重で回線使用料を支払うことにつながってしまいます。
個人で新たに契約する場合は注意が必要です。
回線が遅い時の対処法

入居した物件でインターネットの速度が遅かった場合、無料とはいえスムーズに使えないことはストレスにつながります。
ここでは、回線が遅い時の対処法について手軽にできる順に紹介していきましょう。
ルーターの設置場所を変えてみる
Wi-Fiルーターの設置場所を変えることで、速度を改善できる可能性があります。
Wi-Fiルーターは無線の電波を使用しているため、障害物が邪魔をして、電波が遮断されたり、途切れてしまったりして通信が不安定になるケースがあるからです。
一般的にWi-Fiルーターは、部屋全体に電波が届きやすい部屋の中心や障害物の少ない場所に置くことが望ましいです。
また、床に直接置くのではなく、床から1~2mほど高さのある場所に設置する方が快適な通信が期待できるでしょう。
スマートフォンをWi-Fi接続にすると、どの場所で通信状況が整っているか調べる指標になります。
速度が遅い場合、確認してみると良いでしょう。
回線に障害が発生していないか、ルーターやモデムに異常がないか確認する
突然Wi-Fiの通信速度が遅くなったり、不安定になったりする場合は、ネット回線に障害が発生していないか確認してみましょう。
通信機能が途絶えている場合、Wi-Fi利用を止め、スマホのモバイル回線から障害発生状況をチェックします。
例え障害が発生していたとしても、一時的な場合が多く、やがて復旧します。
それまではWi-Fi以外の通信手段を取る必要があるでしょう。
また、初歩的な問題として、ルーターやモデムを接続するケーブルの接続不良が原因になっている場合もあります。
部屋の掃除や家具の移動などで、接続端末が外れそうになっていたり、ケーブルが断線したりして通信に影響が出ることがあるからです。
しっかり接続されているか、ケーブルに損傷や破損はないかなどチェックしてみましょう。
ルーターやモデムなど接続端末を再起動する
「最近通信速度が遅くなったな…」と感じる場合には、Wi-Fiのルーターやモデム、接続端末を再起動すると、改善する可能性があります。
ルーターやモデムなどは24時間ずっと稼働し続けている状態です。
調子が悪くなって接続が途切れて、通信速度に影響が出る場合もあるでしょう。
再起動することにより、あらためて接続が確立され改善されることがあります。
使用機器に電源ボタンやリセット用のスイッチが見当たらなければ、コンセントを抜くことでも対応可能です。
コンセントを抜き、10秒ほど時間をおいて挿し直して再起動してください。
有線のケーブルで接続してみる
壁にあるLANコンセントにLANケーブルの差し込み口があります。
一般的にインターネットの通信速度は、無線接続よりも有先接続の方が早いです。
有線を利用した方が、無線よりも電波が無駄にならないので、速度が出やすくなるためです。
もしネットで利用したい機器がパソコンやゲーム機など1台で済むのであればこの方法を使ってみましょう。
なお、マックbookなどLANケーブルの差し込み口がないパソコンもあります。
有線LANへの変換アダプターを利用することもできますが、3,000円ほど購入にかかります。
混雑しやすい時間帯を避けて利用する
毎回通信速度の低下が同じような時間帯に発生するのであれば、回線の混雑が原因の可能性が高いでしょう。
ストレスなく使用するためには、混雑しやすい時間を避けて利用した方が良いかもしれません。
混雑時には、スマートフォンのデザリング機能を使って作業するなど対策を取りましょう。
通信量が大きくかかるアプリのダウンロードなどは、この時間帯での利用は厳しいです。
深夜や早朝など別の時間帯に済ませておくようにしましょう。
インターネット接続に「IPv6」を利用する
IPv6は、インターネットプロトコルの規格を指し、データが正しい宛先に到達できるためのルールのようなものです。
最新の規格であるIPv6を利用することで、通信環境を高速化することが可能です。
Wi-Fi通信の速度は、ネット回線の状況や性能で大きく異なります。
ネット環境を改善させるには、IPv6を採用しているか、また新方式の接続方法であるIPoE方式が使われているかがポイントになってくるでしょう。
今現在契約している回線状況がどうなっているのか、あらためて大家さんに確認してみてください。
自分でルーターを新たに設置する
ルーターのWi-Fi規格を確認してみましょう。
Wi-Fiルーターの包装パッケージかWi-Fiルーター本体に表記されています。
もし、IEEE802.11aのような古い規格であれば、ルーターそのものが原因で通信速度が遅くなっているかもしれません。
Wi-Fi完備で、通信速度の速い光回線を契約していたとしても、ルーターの規格が古ければ速度に制限がかかってしまうからです。
ネット回線によってはプロバイダが、IEEE802.11n以上の利用を推奨している場合もあります。
快適な利用を求めるのであれば、できるだけ速度の速い規格のルーターを選ぶと良いでしょう。
ポケットWi-Fi・モバイルWi-Fiなどを検討する
有線LANやルーターを変えても改善できなかった場合、備え付けのインターネット回線は諦めて、新たに別の回線を契約するか考える必要があるでしょう。
手軽な方法としてポケットWi-Fi・モバイルWi-Fiで回線を確保することも可能です。
ポケットWi-Fi・モバイルWi-Fiは、持ち運びのできるタイプのインターネット契約です。
固定回線にこだわりがなく、Wi-Fiを利用する家族が少ないのであれば、ポケットWi-Fiの利用でも問題ないでしょう。
旅先や仕事先でも利用できるメリットもあります。
自分でインターネット回線を新たに契約する
大家さんによっては、回線工事を認めてくれない場合もあります。
その際は、ホームルーターやケーブルテレビのインターネット回線を契約しても良いでしょう。
ホームルーターとは、工事の必要がなく、自宅のコンセントに差し込むだけで、Wi-Fi環境を手に入れられる通信方法です。
しかし、毎月の使用料がかかるのと、光回線に比べて通信速度が遅いデメリットがあります。
一方、ケーブルテレビのインターネットは、賃貸物件にケーブルテレビが通っている場合に利用できるネット回線です。
しかし、こちらも通信速度が遅い傾向にあるため、動画やゲームなどを楽しみたい方には向いていないでしょう。
大家さんから回線工事の許可が得られなかった場合の選択肢の1つです。
引越し後に後悔しないために!Wi-Fi付きの賃貸物件を選ぶ際のポイント

Wi-Fi付きの賃貸物件は、手間もかからず、入居後すぐに利用できるメリットもありますが、通信速度や安定性が悪く、不満を抱く方もいます。
快適なネット環境を手に入れるためには、次の点に注意して物件選びをすると良いでしょう。
インターネット「無料」なのか「対応」なのか注意する
ネット完備の物件が増えていますが、「ネット無料」と「ネット対応」では意味が異なります。
「インターネット対応」物件の場合、インターネットに対応しプロバイダと契約ができる物件を指します。
無料ではなく、入居者がプロバイダと契約して使用料を負担しなければならないので、注意しましょう。
内見時に回線・プロバイダの会社名やプラン名を確認する
入居を決める前に、プロバイダや回線の種類を確認しておきましょう。
これらを確認しておくことで、回線の速度や安定性を事前に把握することができるからです。
最近は安定した高速通信が可能な1Gbps以上の光回線が普及しています。
無料であっても通信速度を求める場合には、1Gbps対応の賃貸物件を選ぶと良いでしょう。
また、回線の接続方法も有線か無線か確認しておきましょう。
無線LANの物件で、自身でルーターを用意しなければならない場合もあるからです。
自分で他のプロバイダと契約可能かどうか確認する
通信速度重視で物件選びをしていても、Wi-Fi完備の物件が気に入ってしまう場合もあるでしょう。
また、入居後に、通信速度に不満が出て、他のプロバイダと契約し直したくなる場合もあります。
そういったケースも考慮して、事前に大家さんに他のプロバイダと契約が可能か確認しておくことが重要になってきます。
物件の構造や大家さんの都合上で、契約可能なプロバイダが制限されている場合があるからです。
もしもの場合を考えて、あらかじめ自分自身で他のプロバイダと契約可能か確認しておきましょう。
今回は、Wi-Fi完備の賃貸物件について、通信速度の遅さは保険の対象になるのか、Wi-Fi完備のメリット・デメリット、物件選びのポイントについて紹介しました。
賃貸物件でWi-Fiが遅かった場合、回線工事やルーター交換などで費用がかかったとしても保険の対象外です。
せっかく無料でネット環境を手に入れても、使用目的によっては、快適に利用できず、結局契約し直す場合もあるでしょう。
この記事を参考に、まずはWi-Fi完備の賃貸物件が自分に適しているか考え、大家さんにプロバイダや回線の種類を確認しておくと良いでしょう。
仕事や趣味の利用でネット環境を重視する方は、Wi-Fi完備の賃貸物件ではなく、自ら好みの回線・プロバイダを契約することをおすすめします。