マンションは外廊下と内廊下のどっちを選ぶのがおすすめ?それぞれのメリット・デメリットとは?

マンション廊下

マンションを選ぶ際、立地や間取り、設備などを重視して選ぶ方は多いです。
必ずある共用部分として「廊下」がありますが、廊下を意識して物件選びをする方はあまりいないでしょう。
しかし、廊下はほぼ毎日利用する場所であり、暮らしの満足度にも影響がでるため、物件選びでは重要な判断基準になります。
そこで、今回はマンションの共用施設である廊下についてその種類やメリット・デメリット、どの廊下が自分に適しているかなどを解説します。
自分が生活しやすい物件を探している方、廊下の違いがわからない方はぜひ参考にしてください。

目次

マンションの外廊下と内廊下とは?

マンション廊下

マンションの廊下は、階段の位置や形状により、大きく「外廊下」「内廊下」の2種類に分けることができます。
ここでは、共用施設である2種類の廊下についてその特徴や違いについて説明しましょう。

外廊下の特徴とは?

外廊下とは、漢字からわかるように、マンションの外側に面した階段を指します。
別名、開放廊下とも呼ばれています。
一般的にマンションの廊下と言えば、外廊下を思い浮かべる方が多いかもしれません。
築年数が古いマンションの廊下の多くはこの外廊下であることが多く、外廊下を採用しているマンションの住戸は、基本的にすべて同じ方向に配置されているのが特徴です。

そのため、内廊下のマンションと比較して住戸の数が少ない傾向にあります。

内廊下の特徴とは?

続いて、内廊下について紹介しましょう。
内廊下とは、マンションの内側に廊下が設置された廊下を指し、中廊下とも呼ばれています。
廊下が外気に露出しておらず、一度マンションの中に入ってしまえば、外気に触れずに室内まで行くことができます。

タワーマンションや高級マンションなどで採用されているケースが多いです。
マンションが内廊下を採用している場合は、住戸は廊下の両側に設置されています。
ホテルと同じような配置と考えるとイメージしやすいかもしれません。
マンションによっては、内廊下にカーペットが敷かれていたり、大理石が石張りされていたり、高級感漂う造りになっているケースも多いです。
内廊下にBGMを流す高級タワーマンションも存在します。
リッチで高級感がある分、マンションの価格帯は高い傾向にあるでしょう。

外廊下のメリットについて

マンション廊下

外廊下、内廊下それぞれメリット・デメリットが存在します。
廊下は、共有部分とはいえ、自分の部屋につながる重要な設備です。
メリット・デメリットを把握して、自分の暮らしに合う廊下を選択する必要があるでしょう。
主な外廊下のメリットは、以下のようなものが挙げられます。

地震や火災など災害時に避難経路を確保しやすい

外廊下は、外側に廊下が設置されているため、防災面でメリットがあります。
もし、マンションで火事が発生した場合、消防車は外廊下に梯子をかけることができます。
そのため、ベランダだけではなく、廊下からでも避難することが可能なのです。
また、廊下が外気に面しているので、火災で大量の煙が発生しても、蔓延して視界が遮られたり、一酸化炭素中毒になったりするリスクを抑えることができます。
内廊下よりも避難経路が確保しやすいため、逃げ遅れの可能性も低くなるでしょう。
また、外廊下は外の明かりが入るため、停電時でも真っ暗になる状態を防ぐ効果も期待できます。
家族に高齢者や小さな子どもがいる場合は、避難経路の確保のしやすさは大きな判断基準のひとつになると言えるでしょう。

日光が入りやすく室内が明るくなる

外廊下が採用されているマンションは、住戸が片側に配置されるため、南向き、東向きといった日当たりの良い向きでマンションが建てられていることも多いです。
そのため、廊下から日光が入りやすく、室内も明るくなるため、快適に過ごすことができるでしょう。
晴れた日など、日中部屋の電気を点けなくても明るい状態であれば、電気代節約にもつながります。

通気性に優れ、風通しが良い

廊下が外に面しているということは、常に換気ができている状態であるとも言えます。
気になる臭いや湿気臭さなどが廊下にこもることはないでしょう。
また、ドアを開けるだけで簡単に部屋の換気ができるため、空気の入れ替えもしやすいです。
ベランダと廊下側の扉や窓を開ければ、居室全体に風邪を通す道ができ、スピーディーに部屋全体の空気の入れ替えもできます。
こまめな換気は、ウィルス感染や風邪などの予防にもつながることでしょう。

管理費などのコストを抑えられる

コストが抑えられるのも外廊下のメリットです。
快適な廊下を作ろうと思うと、電気代や設備を設置するための費用、メンテナンス費用などがかかってきます。
しかし、外廊下であれば、太陽光を十分に取り込めるため、日中は電気代がかかりません。
さらに風がよく通るので、空調設備を設置する必要がなかったり、外壁が少なくなるため、施工費やメンテナンス費用を抑えられたりします。
これは管理費削減にもつながるため、大家さんだけでなく、入居者にとっても大きなメリットとなるのです。

ポーチが付いていれば自転車や傘立ても置ける

外廊下の場合、門扉付きのポーチが設置されている物件もあります。
廊下は共有部ですが、玄関ポーチを出入りできるのはその部屋に住んでいる人のみという決まりがあります。

そのため、家に入れたくないものを安心して外に設置できるのです。
玄関ポーチに自転車を置いたり、傘立てを設置したりすることができれば、玄関内部を広々と使えるほか、使い勝手が良くなるでしょう。
ただ、玄関ポーチに私物を置いても良いかどうかは、マンションの規定によって異なります。
自転車やベビーカー、傘立てなどを置きたいという方は、管理会社に確認しておきましょう。
私物の設置が禁止されている場合、撤去される可能性があるため注意です。

外廊下のデメリットについて

マンション廊下

外廊下は避難経路を確保しやすい、通気性が良いなど、安全や健康面でのメリットが多くあります。
では、デメリットにはどのようなものが挙げられるのでしょうか?

雨や雪、ゴミなどが入り込んでしまう

ドアの正面に高い壁がないため、雨や雪が吹き込んだり、ゴミが入り込んだりします。
つまり、外出時に雨が降っている場合、雨に濡れることが避けられないのです。
もちろん雨の強さにもよりますが、台風などの悪天候であれば、傘やレインコートの使用が必須になるでしょう。

ゴミに関しては、風で飛んできてしまうケースがほとんどです。
せっかく外観を気に入っていても、ゴミが廊下に落ちていると、魅力が半減してしまいます。
ゴミだけでなく、虫の侵入を防げないのも無視できないポイントです。

ドアを開けた瞬間に虫が家の中に入り込んでくる確率は、内廊下よりも高いと言えます。
高頻度で見ることはないかもしれませんが、そういったこともあると理解した上で物件を選ぶのがおすすめです。

廊下が傷みやすい

外廊下が太陽光によって明るくなるということは、紫外線の影響も受けやすくなると言えます。
外廊下は、日中に降り注ぐ紫外線によって玄関ドアや廊下の手すりが傷みやすく、劣化のスピードが速く感じることがあるのです。

もちろん、紫外線だけでなく、雨や雪、砂などによって外観が悪くなってしまう可能性があります。
定期的にメンテナンスを行って劣化速度を抑えることは可能ですが、それが手間に感じる方は少なくありません。
メンテナンスを怠れば、劣化が早くなり、設備の交換や修理を余儀なくされることもあります。

夏は暑く、冬は寒い

外気の影響を受けやすい外廊下は、当たり前ですが、夏は暑く冬は寒いです。
真夏であれば、強い日差しを浴びることになるのはもちろん、暑くなった外壁からの照り返しでより暑く感じる場合もあるでしょう。
冬も同様、ドアを開けた瞬間に寒さを実感することになります。
エントランスまでの距離が遠ければ、エントランスに設置されたポストまで行くのも億劫になるかもしれません。
内廊下に比べると、外気が居室に与える影響も大きくなります。

居室が外気の影響を受けやすければ、当然、光熱費を節約するのも難しくなるでしょう。

足音が響きやすい

外廊下は基本的に足音が響きやすい傾向にあります。
足音が響くといっても、玄関前を人が通ったり、走ったりしない限りは気にならない方が多いです。
しかし、小さな騒音でもストレスになる方、生活スタイルを他人に知られたくない方にとってデメリットになります。
足音によって家を出る時間や帰宅する時間を他の住人に知られてしまう可能性もあるため、気になる方はより防犯対策に力を入れる必要があるでしょう。

外から家の出入りが見られてしまう

足音によってマンションの住人に生活スタイルが伝わってしまうことは、気にならない方が多いかもしれません。
しかし、外廊下は内廊下に比べてプライバシー性が低いです。
外から玄関が見えるため、誰が住んでいるのか、何時に帰宅するのかなどの把握がしやすいのです。
マンションの周辺環境によって、部外者に家の出入りを見られる可能性が高まると言えます。
空き巣だけでなく、性被害などに遭うリスクが高まるため、外から見えやすい1階や2階は特に注意が必要でしょう。

防犯性が低い

オートロック付きの物件でも、壁を乗り越えられれば、部外者でも侵入できてしまうのが外廊下の欠点です。
外廊下のマンションを選ぶ場合は、オートロックが付いているだけでなく、廊下から侵入できないようにしっかりとした対策がされているかをチェックしましょう。
例えば、目隠しパネルや面格子などが設置されていると安心です。

内廊下のメリットについて

マンション廊下

内廊下が採用されているのは、タワーマンションや新築マンションです。
メリットは多くありますが、人によってはデメリットになるおそれがあるため、内容をよく確認してから選択するのがおすすめです。
それでは、内廊下のメリットを見ていきましょう。

ラグジュアリーな雰囲気を堪能できる

内廊下ならではのメリットと言えば、ホテルのような高級感、重厚感があるという点が挙げられます。
カーペットやオシャレな照明が設置されている他、ゆったりとしたBGMが流れていることもあります。
毎日ホテルで過ごしているような贅沢な気持ちになれることから、精神的な余裕にもつながるかもしれません。
もちろん、高級感がありすぎて落ち着かないという方もいるでしょう。
内廊下はマンションによってテイストが異なることも多いため、自分にあった雰囲気の内廊下を探すのが大切です。

防犯性やプライバシー性が高い

廊下が建物内にあるため、部外者に生活スタイルを把握されるリスクが抑えられます。
外壁をよじ登って侵入するということもほぼ不可能でしょう。
オートロックがあれば侵入することが難しくなるため、より安全性が高まります。
マンションの住人に見られることはあるかもしれませんが、不審な動きを抑制するための防犯カメラがいたる所に設置されているため、安心です。

足音が響きにくい

内廊下はカーペットが敷いてあることがほとんどです。
カーペットは防音効果があるため、下の階に伝わる振動音を軽減してくれます。

一般的な生活スタイルと異なる場合、足音によって他の住人を不快にさせないか不安な方もいるでしょう。
カーペット完備の内廊下であれば、そういった心配もなく、安心してその生活スタイルを続けられます。
もちろん内廊下のマンションは音に敏感な方にもおすすめです。
他の住人による足音が軽減するため、ストレスフリーで快適に過ごせるでしょう。

天候に左右されない

悪天候であっても、建物内から出るまでは傘やレイングッズの用意は不要です。
エントランスから居室まで距離があっても、天候問わず快適に移動できる点は大きなメリットとなるでしょう。

もちろん、玄関に雨や雪が吹き込むこともありません。
その分、玄関ドアや廊下の劣化も緩やかで、メンテナンスも簡単です。
設備の交換や修理の頻度も抑えられるため、コスト削減にもつながるでしょう。

空調が管理されているので快適

内廊下は、空調が管理されているため、暑さや寒さを感じにくいです。
天候と同様、エントランスを出るまでは快適な温度感となっているため、ストレスフリーです。
空調は基本的に24時間稼働しているので、どの時間帯であっても快適に過ごせます。

内廊下のデメリットについて

マンション廊下

内廊下には、ホテルのような高級感がある、プライバシーを守れる、天候に関係なく快適に過ごせる、といったメリットがある一方で、下記のようなデメリットがあります。

暗く感じることがある

内廊下のデメリットは、暗い印象を受けやすいことです。
建物の内側に位置していることから、日光が一切差し込まないので、照明がついていても外廊下に比べれば全体的にやや暗いです。

照明がたくさん設置されていたとしても、晴天時の外の明るさには及ばないでしょう。
一般的に、蛍光灯点灯時の部屋の照度が500ルクス程度なのに対して、晴天時の昼間の太陽光は、10万ルクスとも言われています。
そのため、外出から戻って内廊下を歩く際は、特に暗く感じやすいです。

ドアの開閉に力がいる

内廊下のマンションは、気密性が高い反面、気圧差によってドアの開閉に力がいる場合があります。
内廊下のマンションでは、換気のために外気を室内の空気口から取り入れて、換気扇などの排気口から排出しています。
しかし、空気は気圧の高い所から低い所に流れ込む性質があるため、排気量が給気量を上回ると、外の空気が室内に入ろうとドアを押し付けてしまうのです。
特に、子供や高齢の方は、ドアの開閉に苦労する可能性があるため注意が必要です。

気圧のバランスを整えるためにも、給気口は常に開放しておき、換気扇のスイッチは使用するとき以外切っておくようにしましょう。

ニオイや湿気がこもりやすい

内廊下は外気が遮断されているため、温度や湿度は空調によって管理されています。
とはいえ、直接外に面している外廊下に比べれば換気性能は劣るため、ニオイや湿気がこもりやすいです。

内廊下のマンションでは、廊下側の居室が、窓を設けないことによって納戸のようになっている所も多いです。
そのため、廊下だけでなく個々の部屋に関しても、十分な風通しを確保しにくいです。
外廊下のマンションように、廊下側とベランダ側の両方の窓を開放して部屋中に風を取り込むことができないので、どうしてもニオイや湿気がこもりがちになってしまいます。

物件価格や管理費が高い

内廊下のマンションは、外廊下のマンションよりも建築費が高く、ハイグレードな設備が備わっているケースが多いため、物件価格が高い傾向にあります。
また、内廊下は日光が差し込まないことから、日中でも照明が必要です。
加えて、自然換気ができないので空調も24時間稼働させておかなければならず、電気代がかさみます。
さらに、内廊下に絨毯が敷かれている場合は、日常清掃や修繕にもコストがかかります。
他にも空調や照明のメンテナンスなど、高級感のある内廊下を維持するためには、様々なランニングコストが発生することから、管理費や修繕積立金も高くなりやすいです。
外廊下のマンションに比べると、多くの居住費用が必要になることがデメリットと言えます。

制限が多い

内廊下の使い方には、様々な制限が設けられています。
主な制約の例としては、置き配の禁止や玄関ドアを長時間開放しての換気の禁止などが挙げられます。

また、外廊下のように、玄関横に自転車やベビーカーなどを置いたりすることもできないため、人によっては少し不便に感じるかもしれません。

災害時はどっちが安全?

マンション廊下

外廊下も内廊下も、それぞれにメリット・デメリットがありますが、災害時の安全性の観点からすると、外廊下の方がおすすめです。
例えば、火災が起きた際、外廊下であれば煙が外に逃げやすいため、視界が遮られたり一酸化炭素中毒になったりするリスクが低いです。
消防車のはしごもベランダ側と廊下側の両方にかけられるため、効率よく避難できます。
一方、内廊下の場合はどうしても煙が充満しやすく、はしご車による救助もベランダ側からしか行えないため、逃げ遅れてしまう可能性があります。
また、夜間に災害が起きた場合、非常用電源装置があったとしても長時間停電が続くと、廊下の照明が消えてしまい、真っ暗な中での避難を余儀なくされるかもしれません。
内廊下も排煙設備を設置するなど、安全性は十分考慮されていますが、より高い安心感を求めるのであれば外廊下を選んだ方が良いでしょう。

防犯面ではどっちが優れている?

マンション廊下

災害時の安全性で選ぶ場合は外廊下がおすすめですが、防犯性の観点からは甲乙つけがたいです。
外廊下の場合は、廊下や玄関の様子が外の通行人から見えるため、プライバシーを守りにくいです。
もし、犯罪者が外廊下を観察することによって家族構成や外出時間などが知られてしまえば、留守の時間帯を狙って家に侵入されてしまう可能性もあります。
低階層の場合は、外壁を少しよじ登ればそのまま廊下から侵入することもできるので、特に警戒が必要です。
それならば、「外から見えない内廊下の方が防犯性も高いのでは?」と考える方もいるでしょうが、実はそうとも言い切れません。
なぜなら、外部の視線が届かない点は、侵入者にとっても好都合だからです。
実際に空き巣は、できるだけ人目に付かない場所から侵入を試みる傾向にあります。
外廊下であっても内廊下であっても、より防犯性に優れたマンションを選ぶためには、防犯カメラの位置やオートロックの有無といったセキュリティシステムの充実度を確認することが大切です。

また、犯罪者の侵入を防ぐためには、できるだけ高層階を選ぶことも有効な手段のひとつとなるでしょう。

外廊下のマンションはこんな人におすすめ!

マンション廊下

外廊下のマンションと内廊下のマンション、どちらを選ぶべきなのかは重視する内容によって異なります。
ここからは、いくつかの条件ごとに、外廊下のマンションがおすすめの人、内廊下のマンションがおすすめの人をご紹介していきます。
まず、外廊下のマンションをおすすめするのは、以下のような人です。

・災害時の安全性を重視する人
・居住費を抑えたい人
・日当たりや通気性を大事にする人
・廊下に自転車などの荷物を置きたい人
・様々なマンションを比較して決めたい人

災害時の安全性を重視する人

災害時の安全性を重視する人は、外廊下のマンションがおすすめです。
先述でもご紹介したように、火災が起きた時も外廊下であれば煙が充満しにくく、ベランダ側と廊下側の両方からはしご車による救助を受けられます。
また、廊下から外に手を振って助けを求めることも可能ですし、低層階であれば、廊下の柵を乗り越えるだけで簡単に逃げられます。
このように、内廊下のマンションよりも外廊下のマンションの方が、救助や避難の選択肢が豊富です。

居住費を抑えたい人

マンションの居住費をできるだけ抑えたい人も、外廊下のマンションを選ぶと良いでしょう。
内廊下のマンションの場合、元々の建築コストが高い上に、日光や外気が入らないことで長時間、照明や空調を使用しなければなりません。
そのため、外廊下のマンションに比べて物件価格や管理費、修繕費が高額になります。
特に、大規模修繕が実施される際には多額の費用が発生するため、修善積立金が不足して一時金の支払いを求められる可能性もあります。

これらのコストを抑えたいのであれば、外廊下のマンションを選んだ方が賢明と言えます。

日当たりや通気性を大事にする人

外廊下のマンションは、日当たりや通気性を重視する人にもおすすめです。
日当たりの良い廊下に面している窓があれば、室内にまで日光が差し込むため、日中は照明をつけずに過ごせます。
また、廊下側の扉や窓を開放すれば、いつでも外の新鮮な風を取り入れることも可能です。
内廊下のマンションのように、天気の良い日中でも照明をつけたり、換気のためにエアコンを使用したりする必要がないため、電気代の節約にもなります。

廊下に自転車などの荷物を置きたい人

内廊下のマンションでは、廊下に荷物を置くことが禁止されているケースが多いですが、外廊下のマンションでは、廊下の玄関扉付近に邪魔にならない範囲で自転車やベビーカー、傘立てなどを置くことができます。
廊下側に門扉の付いたポーチが設けられているマンションであれば、プライバシーを守りつつ、玄関内のスペースを広く確保することが可能です。
ただし、マンションによっても廊下に置ける荷物は異なるため、あらかじめ各マンションの規約をよく確認しておくようにしましょう。

様々なマンションを比較して決めたい人

外廊下のマンションと内廊下のマンションとでは、外廊下のマンションの方が数も多いため、様々なマンションを比較して決めたいという方は、外廊下のマンションから探してみてください。
立地から間取りや家賃まで幅広い選択肢があるので、自分の希望通りの物件が見つかりやすいです。
一方、内廊下は高級マンションやタワーマンションに設置されているケースが多いため、希望条件によっては見つけるのが困難なこともあります。

内廊下のマンションはこんな人におすすめ!

マンション廊下

上記とは反対に、内廊下のマンションをおすすめするのは、以下のような人です。

・プライバシーを重視する人
・風雨の影響を受けたくない人
・ホテルのような高級感を求める人

プライバシーを重視する人

内廊下のマンションは、プライバシーを重視する人にピッタリです。
外部から廊下や玄関の様子が見える外廊下とは違い、建物内部に設置されている内廊下は外部から中の様子が見られることがないため、特に一人暮らしの女性や小さな子供がいる家庭にとっては、大きな安心感につながります。

中には、外部から見えないことを利用して侵入を試みる不審者もいますが、防犯カメラやオートロックを設置している物件であれば、防犯性を高めることができます。
内廊下のマンションを選ぶ場合は、なるべくセキュリティーが厳重なマンションを選ぶようにしましょう。

天候による影響を避けたい人

天候による影響を避けたい人も、内廊下のマンションがおすすめです。
外廊下の場合、風が強い日は廊下だけでなく玄関内部まで雨や雪が入りこんでくることがあって掃除が大変です。
しかし、内廊下であれば天候の影響を受けないため、手入れがしやすいです。
また、ゴミ出しに行く時に、いちいち天候を気にする必要もありません。
内廊下のマンションでは、24時間換気や空調などのシステムが稼働しており、常に快適な環境が保たれている所も多いです。
「コストがかかることよりも快適な住環境を手に入れることの方が大事」という人には、外廊下よりも内廊下のマンションの方が向いています。

ホテルのような高級感を求める人

内廊下のマンションは、ホテルのように高級感のあるマンションに住みたいという人に最適です。
内廊下はハイクラスのマンションで採用されているケースが多く、廊下の内装にも高級感のあるデザインが施されています。
足元には、絨毯が敷かれているため足音も響きにくいです。
玄関扉を開けても十分なスペースが確保されている物件もあります。

マンション選びの際に重要な共用廊下のチェックポイント

マンション廊下

マンションを選ぶ際は、外廊下か内廊下かにかかわらず、住民のマナーや管理体制、安全性などについてもチェックが必要です。
例えば、ゴミや私物を置きっぱなしにしている人がいないか、清掃やメンテナンスがしっかりと行き届いているかなども確認しておきましょう。
廊下の使い方によって、そのマンションの住民性を知ることができますし、清潔さを見ればマンションの管理体制についてもわかります。

また、音の響き具合をチェックすることで、その後の騒音トラブルもある程度防げます。
また、共用廊下のチェックポイントとして最も需要となるのが防災設備です。
特に、内廊下の場合は火災が起きた時に煙が充満しやすく、はしご車による救助を受けにくいというデメリットがあります。
内廊下のマンションを選ぶ際は、排煙設備がしっかり設置されていることを確認してください。

また、高層マンションの場合は、火災時に廊下を加圧して煙漏れを防ぐ「加圧防煙システム」という設備が設置されているとより安心です。

まとめ

外廊下のマンションと内廊下のマンションでは、構造の違いによってそれぞれに、いくつものメリット・デメリットがあります。
共用廊下は、マンションに住んでいる全員が日常的に使用するものであり、災害時には大事な逃げ道となります。
そのため、マンション選びの際は、居室だけでなく共用廊下も入念なチェックが必要です。
コストや利便性はもちろんのこと、災害時の安全性や防犯面、プライバシー性など、様々な観点から検討した上で、自分に最適かつ安心して住めるマンションを選ぶようにしましょう。