近年、全国的に天候の悪化に見舞われる機会が増えてきました。
特に冬は、積雪量の多い地域以外で雪が降ることがあり、雪の影響により交通網の混乱を招くこともあります。
そこで気になるのが、賃貸物件においての駐車場の雪かきです。
少量の雪であれば問題ないと感じるかもしれませんが、天気は先が読みにくいだけでなく、積雪量の少ない地域で大雪になる可能性もあるでしょう。
これらの状況によって、積雪によって駐車できない、駐車場に入れないといった問題が起こるかもしれません。
この記事では、賃貸物件における駐車場の雪かきや起こりやすいトラブル、雪かきのポイントについて解説します。
駐車場の雪かきで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
駐車場の雪かきは誰が行うべき?
近年、各地で記録的な大雪を記録することが増えました。
これにより、交通網の混乱や立往生、ケガや事故などが起こりやすい状態になります。
雪が降った場合、自宅であれば敷地内の必要な部分の雪かきをしなければなりませんが、賃貸物件の場合は誰がどこまで雪かきしなければならないのか、疑問に感じる部分もあるでしょう。
ここでは、賃貸物件における駐車場の雪かきについて説明します。
基本は入居者が行う
積雪量の多い地域では、冬になると雪が降るので雪かきが欠かせません。
雪が降る地域に住んでいるのが長ければ、毎年恒例の出来事でしょう。
しかし、積雪量の多い地域に慣れていない方、賃貸物件に住んでいる方は雪かきの必要性やどこまでするべきか迷うこともあります。
また、雪かきの必要性がわかりにくく、トラブルに発展することもあるでしょう。
そこで知っておきたいのは、善管注意義務というものです。
善管注意義務は、賃借人が部屋を管理する者として最善を尽くさなければならないという意味があります。
例えば、部屋が汚れていたら掃除する、電球が切れたら交換するなど、日常生活を送る中で最小限必要な修繕は入居者が行うべきということです。
善管注意義務を怠り、設備が故障したり不具合が生じたりした場合は、入居者に対して支払い義務が生じる可能性もあります。
お風呂掃除を怠った結果、通常の範囲内で発生しないカビや著しく汚れている、雨が降っているのに窓開けたままで壁紙が剥がれたなども責任義務違反になるケースがあります。
もちろん、雪かきにおいても同じ考えです。
雪かきに関して特別な規定を設けていない場合は、基本的に入居者が行う必要があるでしょう。
大家さんに雪かきをする義務はない
雪かきを入居者に任せるなんて、管理会社の意味がないと思うかもしれません。
しかし、大家さんや管理会社は雪かきなどの作業義務が生じていないのです。
もし、雪かきしなければならないとすれば、管理費や共益費の対象となる共有部分になります。
ただし、管理費や共益費の中に除雪費が含まれていなければ行う必要はありません。
基本的に、管理費や共益費は日常生活を送る中で必要な範囲の管理や維持に使用されます。
限られた期間しかない除雪は、これらの範囲から除外されることがほとんどです。
そのため、一般的には契約書などに雪かきの有無について記載されていることはないでしょう。
豪雪地帯や積雪量の多い地域では雪に対しての不安が大きく、管理会社に相談したいと思うかもしれません。
それでも基本となるものは管理業務の範囲かどうかになってしまうので、事前に確認しておくと安心でしょう。
中には、雪かきの義務がなくても個人では対処できない積雪量となった場合に、大家さんが管理会社を通じて除雪を依頼することもあります。
自宅の敷地内に賃貸物件を持っている大家さんは、好意で消雪パイプから水を出してくれるケースもありますが、あくまで一部の大家さんです。
すべての賃貸物件で、このような対応をしているわけではありません。
雪かきで問題になりやすい「捨て場所」について
雪かきは誰がするのかという疑問の次に気になるのが雪を捨てる場所です。
雪は暖かくなれば溶けますが、そう簡単に溶けないものです。
特に賃貸物件の駐車場は他の入居者も使用するため、雪を捨てる場所に気を付けなければなりません。
どのような場所に雪を捨てても良いのでしょうか?
雪を捨ててはいけない場所
実は、雪を捨ててはいけない場所があることを知っていますか?
雪は道路、下水道、川などに捨てることができません。
雪を道路に捨てたことがきっかけで交通障害が起こる可能性があり、支障をきたすとして法律で禁止されています。
違反者には1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科せられます。
道路と同じように、下水道や川にも雪を捨てることができません。
下水道や川なら交通の妨げにならないだけでなく、水で溶けて問題ないと解釈している人も多くいます。
下水道に捨てれば5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、川に捨てれば6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられる可能性があるので捨てないようにしましょう。
雪を捨てていい場所
雪を捨てていい場所には、いくつかの決まりがありました。
では、どこなら雪を捨てられるのかと思うでしょう。
雪は、駐車場の自分のスペースの後方、また他の車の迷惑にならず通行の妨げにならない場所を選んで捨てましょう。
駐車場の後方が開いている場合、雪かきした雪を積んでおきます。
この時、車のマフラーが隠れないように気を付けましょう。
他にも、使っていない駐車スペースや出入り口の脇の部分に積むようにしてください。
他の日との駐車スペースと近くなってしまう場合は、一言声をかけておくと良いでしょう。
車に傷をつけないように雪かきをしてください。
賃貸物件で起こりがちな雪に関するトラブル
賃貸物件で除雪作業が必要になった場合、入居者によって雪かきに対する意識が異なるため、トラブルにつながるケースも多いです。
ここでは、賃貸物件で起こりうるトラブルと対策について紹介します。
車の雪落としによるトラブル
豪雪地帯に住む場合、車を利用する度に車の雪落としが必要になります。
少量の雪や、雪を溶かしてくれる消雪パイプが設置されていれば問題ないのですが、車に積もった雪を自分の駐車スペースに落とされていた場合、不快に思う人が多いです。
もし自宅へ戻ってきた時に、自分の駐車スペースに雪が積まれていたらどう感じるでしょうか?
駐車する前に雪かきが必要になり、また、雪を捨てるスペースもないので苦労するでしょう。
雪を捨てる場所が限られる場合は、雪を運ぶか、すくった雪を高く積む作業になるので、重労働になります。
配慮のない車の雪落としが原因で、隣人との関係が悪くなってしまうケースも見受けられます。
トラブルに発展させないためにも、車の雪を落とす際は、自分の駐車スペースか端へ落としましょう。
事故防止の観点から、できるだけ雪を砕いて捨てます。
また、なるべく雪かきの作業を少なく効率的に動くことも大切です。
車に積もった雪だけでなく、車周りの雪かきも必要な場合、車を動かすのに最低限必要な部分のみ雪かきします。
両脇に停まる車があり横に捨てにくい場合は、車の前・後方に雪を落とすと良いでしょう。
他の入居者が雪かきをしてくれない
賃貸物件に住んでいると必ず起こるのが、雪かきをしない入居者がいるという問題です。
駐車場までの道や共有スペースがあるアパートに住むとわかりますが、生活するには自分の駐車スペース以外の雪かきが必要になります。
車を出す場合は、駐車場から道路に出るまでの道を確保しなければならないので、駐車場によってはかなり広範囲に渡って雪かきをすることになるでしょう。
また、玄関前や階段など必ず通る場所の雪かきも入居者同士でしなければなりません。
しかし、入居者の中には「雪が気になる人が進んでやればいい」「誰かがやってくれるから自分がわざわざ協力しなくてもいいか」など思う人もいるのです。
雪かきは重労働なので、自分だけが何故他の入居者のために動いているのだろうと不満を感じる方もいるでしょう。
本来ならば入居者が協力して雪かきを行いますが、こういった場合、正しい解決策がないのが現状です。
必ず雪かきをしてくれる方向にいくとは限りませんが、雪かきをしない入居者に遭った際、自ら進んで挨拶をしてみてはいかがでしょうか。
無視する人はいないと思うので、雪かきに対して何か返事があるかもしれません。
また、雪が降ってもたまに手を抜く、雪かきをしない、という方法もあります。
雪かきが必要だと気づいてもらえるきっかけになるかもしれません。
適度に心に余裕を持って、お互いに住みやすい環境を維持できるのが理想でしょう。
駐車場の雪かき前に準備すべきもの
雪に慣れている方にはお馴染みの道具でも、雪国に引っ越してきた方にとってはたくさんある道具の中から何を選べばいいのか迷うことでしょう。
ここでは、駐車場の雪かきに必要な道具についてご紹介します。
用途に合わせて準備しましょう。
雪はね(雪ベラ)
除雪用のシャベルです。
軽くて柔らかい新雪(5~10cm程度)の雪かき使用します。
特徴として、プラスチックなので軽量であり子どもでも使用可能です。
固い雪を無理に崩そうとするとヘラの部分が破損する恐れがあります。
また、柄が長いので、重い雪を持ち上げると腰に負担がかかるので注意しましょう。
スノースコップ
スノースコップは、ヘッド部分の材質をプラスチック、アルミにした軽量化した製品が多いです。
車載用として積み、出先での雪かきに使用しても良いでしょう。
使用する際は、腕だけではなく、足と腰にも力を入れると効率良く雪かきができます。
プラスチック製のスノースコップは、固い雪にスコップを差すと破損しやすいので注意してください。
ラッセル(スノープッシャー)
ヘッドの部分が幅広く、シャベルのような形状なので、広範囲の雪を一度に多く押しのけられるので便利です。
スチール製のブレードが付いたタイプでは、圧雪した雪や凍った雪にも対応しており、ヘッドと柄が分解でき、また壊れた際はヘッド部分のみの交換もできます。
スノーダンプ
20cm以上の雪かきに適している大型の雪かき道具です。
広範囲での雪をまとめて運べるので、雪国では多く利用されています。
使用方法は雪に突き刺して、雪をのせ、そのままスノーダンプを押して雪を運んでいきます。
雪が固い場合は、スコップなどで雪を砕いてからスノーダンプに乗せましょう。
角スコップ
先が平らになっており、スノースコップに比べて頑丈なのが特徴です。
圧雪や凍結した固い雪でも、角を利用して雪を剥がせます。
耐久性もあるので、雪かき以外でも家庭菜園や造園など1年通して使えるスコップです。
剣先スコップ
剣先スコップは、先が剣の様に尖ったスコップを指します。
角スコップでは、太刀打ちできない固さの積雪に使うと良いでしょう。
スコップの先を雪に突き刺して、雪を砕き運びます。
地面にしっかりとスコップを刺せるので、土木作業や家庭菜園にも利用できます。
雪かきを行う時に注意したい場所
冬になると雪かきで起こる事故をニュースで目にすることが多くなります。
雪かきに慣れていても危険が伴います。
雪に不慣れな方はもちろん、雪国に住んでいる方も雪かき時に注意したい場所について押さえておきましょう。
屋根からの雪
駐車場近くに屋根がある場合、屋根から落ちてくる雪に注意しましょう。
雪国に住んでいると屋根から雪が落ちる場面を目にするので、被害に遭ったことがなくてもイメージしやすいかもしれません。
しかし、何となく落雪の危険性は理解していても、多くの方が思っている以上に落雪は危険です。
なぜなら、屋根に積もる雪は想像以上に重たく、落ちる量も屋根によっては相当な量になるからです。
固く重い雪が一気に落下するので、直撃してケガをしたり、雪の下敷きになって身動きができなかったり、最悪の場合窒息したり凍死してしまうケースもあります。
屋根の雪につららや雪庇(氷状の雪の塊)がある場合は、さらに危険性が高くなるので注意しましょう。
屋根に雪が積もっている時期は不用意に近くで作業しない、事故の際発見が遅くならないよう2人以上で作業するなどの対策が必要です。
タイル・敷石の上
玄関やアプローチなど雪が溶けたことにより、凍結し滑りやすくなっています。
注意して雪かきの作業をしていても、思わぬ場所で大きく転倒する可能性があります。
骨折や頭部を打ちつけて大怪我につながるケースも少なくありません。
特に、タイルや敷石の上は非常に滑りやすくなっているので細心の注意を払いましょう。
その他にも、車が出入りする部分も凍結しやすく滑りやすいです。
転倒事故を防ぐために、スリップ対策をした冬靴を選び、手袋や帽子を装着し
ましょう。
融雪槽や川
溜まった雪を効率良く捨てるために、近くの川や融雪槽(地中に設置された雪を水で溶かす装置)を利用する方も多いでしょう。
思い切り雪を投げ捨てようとすると、滑ったり転落したりする恐れがあります。
特に川を利用する場合には、岸の近くは雪の状態が不安定で、わかりにくく、崩れやすいので危険です。
誤って転落する事故が相次いで発生しているので、川に雪を捨てる際にはなるべく岸付近には近づかないようにしましょう。
駐車場を雪かきする際のポイント
雪かきは重労働で、ケガのリスクもあります。
単調な作業に見えますが、実は体のあらゆる筋肉を使うため、疲労が溜まってしまうのです。
冬の運動不足解消には適していますが、ポイントを押さえておかないと体を痛めてしまうこともないとは言い切れません。
そのため続いては、駐車場を雪かきする際のポイントについてみていきましょう。
いきなり作業に入らない
駐車場の雪かきをする時は、いきなり作業をスタートしないようにしましょう。
除雪では重たい雪を運ばなければいけないため、急に始めると血圧や脈拍が急激に高まってしまいます。
体にとって大きな負担になってしまうので、雪かきをする前は準備体操をするようにしてください。
特にふくらはぎは疲れが溜まりやすい場所となっていることから、作業が終わった後のケアも大事です。
急に作業をやめてしまうと、下半身に溜まっている血液が上半身に行き渡らなくなり、貧血の原因になります。
服装にも気を遣う
雪かきをする時の服装は、水がしみない素材のものを選びましょう。
ただ防水性が高い上着を着るだけではなく、汗をかくので作業中に体温調整がしやすくなる重ね着も意識するのがおすすめです。
汗で濡れて体が冷えるのを防ぐため、吸水性が良く、乾きやすい服を身に付けることもポイントの1つです。
ただし、帽子や防寒着のフードをかぶると周りの音は聞こえにくくなり、車や除雪機に気づけなくなる場合があります。
事故の原因になるため、周りの車や除雪機の動きにも意識を向けるようにしましょう。
靴は、滑りにくくて雪が内部に入らないような防寒靴を選んでください。
全身を使って雪かきをする
雪かきをする際、ついつい腕の力だけに頼りがちです。
しかし、腕の力だけで作業するよりも全身を使った方が効率的に作業を進められます。
雪を持ち上げる時は、背筋を伸ばした状態で腰を曲げ、体全体で持ち上げるというやり方がおすすめです。
腕の力だけで持ち上げようとすると、腕だけではなく腰にも大きな負担がかかってしまいます。
スコップを使う時はできるだけ雪のかたまりに近づき、スノーダンプを使う時は上半身の力で押すのではなく腰から進むようなイメージで作業してみてください。
腰をひねりすぎない
スコップで雪かきをする時、雪を投げようとします。
その時、腰をひねりすぎると痛める原因になってしまうので注意してください。
雪を投げ捨てる際は、腰をひねるのではなく、投げたい方向に体を向けて正面に捨てることを意識してみましょう。
背骨や背中の筋肉はひねる動作に弱いとされているため、ひねって投げ捨てるという動作は大きな負担になってしまいます。
無理せず取り組む
除雪はそこまで大変そうに見えないかもしれませんが、実はかなりの重労働です。
大雪が降った後や除雪車が残していった雪の処理は、特に大変です。
短時間で一気に片付けようとするのではなく、無理のない範囲で進めるようにしてください。
最初からペースを上げた作業をせず、少しずつ体を慣らしていくこともポイントです。
時間に余裕を持って作業を始めることができれば、無理なく取り組めます。
また、疲れている時や風邪を引いている時などは、無理をしないようにしましょう。
作業をするならこまめに水分補給を行い、少しでも異変を感じたら作業を中断することも視野に入れます。
具合が悪くなくても水分補給を怠ると、脱水症状になってしまい、脳梗塞や心筋梗塞になるリスクも高まってしまいます。
2人以上で作業する
雪かきをしている最中に体調が急激に悪化してしまったり、屋根からの落雪で下敷きになってしまったりといったケースもあります。
また、除雪機のトラブルによる事故が発生する可能性もゼロではありません。
予期せぬ事態に備え、作業は2人以上で行うようにしましょう。
また、作業をスタートする前に家族や近所の人に声をかけておくのもおすすめです。
緊急時の連絡手段としてスマートフォンや携帯電話の携行も忘れないようにすると、安心感が高まります。
周囲の状況をよく確認する
雪かき中の事故は、毎年のように発生しています。
特に多いのは、屋根からの落雪や融雪槽への転落といった事故です。
雪かきをする場所の周りにはどのような建物があるのか、融雪装置はどこに設置されているのか、などをあらかじめ確認しておくと事故を防ぎやすくなります。
FFストーブやボイラーの排気口が雪で詰まってしまうと、一酸化炭素中毒の原因になります。
そのため、排気口の周りに雪がないか確認し、こまめに雪かきするようにしましょう。
気象情報もチェックする
雪かきをしようと考えている日は、気象情報のチェックも忘れずに行います。
雪がたくさん積もっていたとしても、天候が荒れる予報の日に作業をするのはおすすめできません。
朝までに降雪予想がある場合は、少し早めに起きると余裕のある作業が可能となります。
雪の降りが激しい時は、雨雲レーダーなどをチェックして除雪のタイミングを見計らうと良いでしょう。
晴れて気温が高くなる日は、屋根の落雪が起こりやすくなります。
天気が良いからと油断するのは禁物です。
雪かき道具を使って駐車場を綺麗にしよう
雪かきをする時は、スコップやスノーダンプを使うと効率的かつ綺麗になります。
続いては、スコップとスノーダンプで除雪する方法についてみていきましょう。
スコップを使って除雪する方法
スコップを使って除雪する方法は以下のとおりです。
①雪に切れ目を入れる
まずは、雪に対してスコップを縦に刺し、切れ目を入れます。
さらに、その切れ目に対して直角になるようにスコップを指しましょう。
もう1つ切れ目を入れるとサイコロのような形になり、スコップで持ち上げやすくなります。
②地面から雪を剥がして持ち上げる
雪をサイコロ状に切ったら、地面から剥がしていきます。
この時、腰をどっしりと構えた姿勢にすると体への負担を軽減できます。
イメージは、お相撲さんが四股を踏む時のような姿勢です。
地面から剥がした雪を持ち上げる時は、投げ捨てたい方向に体を向けるようにしましょう。
腕の力とひねりの反動だけだと、腰や膝をひねって負傷する恐れがあります。
③雪を投げ捨てる
雪を投げ捨てる時は、スコップの自重と雪の重さを利用します。
振り子のように雪を放り出すイメージです。
この時、スコップから手を離さないようにしましょう。
手を離してしまうと雪が変な方向に飛んでしまったり、スコップが予期せぬ方向に飛んでトラブルの原因になってしまったりする可能性があります。
スノーダンプを使って除雪する方法
スノーダンプを使って除雪する方法は以下のとおりです。
まず、除雪したい雪を1つの場所に集め、雪山を作っていきます。
何度か雪を運び、少しずつ山を大きくしていきましょう。
足が抜かってしまう時は、何度か雪を運ぶ作業を繰り返し、足場を固めていきます。
しっかりと足元を踏み固めていけば、スノーダンプを使っての作業がしやすくなります。
そうすることで無駄のない効率的な作業が行えるでしょう。
駐車場の雪かきを楽にするなら融雪剤の利用がおすすめ
駐車場の雪かきは入居者の負担になってしまいます。
少しでも楽にするためには、融雪剤を利用するのがおすすめです。
最後に、融雪剤とはどのようなものか、凍結防止剤と何が違うのか、どれを選んだらいいのか、などの疑問に答えていきます。
融雪剤とは?
融雪剤は、路面の凍結、雪が原因のスリップや転倒を防止するために散布されます。
塩化カルシウムなどの作用により、雪の凝固点を引き下げ、溶かしていきます。
駐車場の雪かきによる負担を軽減するためにも役立つため、持っていて損はありません。
入居者が自分の駐車場を除雪する場合も、融雪剤が撒かれていれば楽になります。
誰が雪かきをするにしても、負担を軽減できるメリットは大きいでしょう。
凍結防止剤と何が違う?
融雪剤と凍結防止剤の大きな違いは、含まれている成分です。
融雪剤は、主に塩化カルシウムが使われており、雪を解かすことが目的となっています。
塩化カルシウムは、雪が固まる温度を-50度まで引き下げるため、雪が積もっている場所に撒くと溶けやすくなります。
さらに、再凍結も防げるため使う価値は大いにあるでしょう。
凍結防止剤には塩化ナトリウムという性分が含まれていて、凍結を防ぐ目的で使用されます。
雪が降る前に撒いておくと、凍結防止効果を発揮するという点が特徴です。
融雪剤と凍結防止剤は、同じようなものだと思われるかもしれませんが、含まれている成分や用途が異なります。
それを踏まえた上で考えると、雪かきを楽にするためには融雪剤を使うのが無難だと言えます。
融雪剤の選び方
融雪剤には色々な種類があるので、どれを選んだらいいか迷ってしまう人も少なくありません。
駐車場の雪対策をする際に知っておきたいポイントもあります。
融雪剤の選び方について解説していきます。
含まれている成分で選ぶ
融雪剤には、塩タイプと無塩タイプがあります。
それぞれの特徴は以下のとおりです。
・塩タイプ
塩タイプの融雪剤は、道路の凍結対策に使われるケースが負いです
塩化カルシウムや塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなどの成分が含まれています。
凝固点を下げる作用により、高い凍結防止対策効果が期待できます。
しかし、金属が腐食してしまったり、植物が枯れてしまったりする塩害の原因になる場合もあるので使用時は注意が必要です。
・無塩タイプ
無塩タイプは、カルボン酸や尿素などが含まれています。
塩タイプよりも効果は劣ってしまいますが、塩害を気にせずに済むというメリットがあります。
そのため、庭先や駐車場で使いたい場合は、無塩タイプを選ぶのが無難です。
賃貸物件の駐車場に使う場合も、無塩タイプの融雪剤を選ぶようにしましょう。
形状で選ぶ
融雪剤の形状は、粒状タイプと液体タイプの2種類があります。
それぞれの特徴は以下のとおりです。
・粒状タイプ
粒状タイプの融雪剤は、使う回数が多い場合に適しています。
価格もリーズナブルでたくさん入っているという点が大きなメリットです。
保管する時は高温多湿や日光を避けなければいけませんが、道路や庭など広い範囲に使えます。
一気に雪を溶かしたいのであれば、粒状タイプは使いやすいと感じられでしょう。
雪国に住んでいて、1年間に何度も雪が降る場合や賃貸物件の敷地が広い場合などは、粒状タイプの方が高コスパです。
・液体タイプ
液体タイプは、ボトルを傾けることで散布できるため、粒状タイプよりも手軽に使えます。
スコップなどを用意する手間も省けます。
価格は粒状タイプよりも高めですが、長期間保管できる商品も多いです。
1年間で数回しか雪が降らない地域に住んでいるなら、液体タイプでも問題ないでしょう。
融雪剤を使用するタイミング
融雪剤を撒くタイミングは、雪が降り始めたり、地面が凍結したりする前がおすすめです。
天気予報などをチェックし、雪が降りそうなタイミングや路面が凍結しそうなタイミングを見極め、使用するようにしましょう。
融雪剤を撒くと、数分くらいで効果が出始めます。
そのため、地面に降り積もった雪を効果的に溶かせるのです。
気温が低い日や降雪が長時間に渡る予報が出ている日は、効果が長く続くタイプを使用するとより効果が期待できます。
融雪剤の使用方法と注意点
融雪剤を使う時は、素手ではなく手袋を使うようにしましょう。
お菓子などに入っている乾燥剤と同じで水分が混じると発熱する性質を持っています。
素手で撒こうとすると、やけどのような痛みが残ったり、手荒れの原因になったりします。
そのようなトラブルを回避するためにも、ゴムなどのように水分を遮断できる素材でできた手袋を使うようにしてください。
融雪剤を使う時は、適切な量を守ることもポイントになります。
散布する量は、1㎡あたり30~100gほどです。
成人男性の場合だと、一握りでこのくらいの量になるでしょう。
適量より少ないと効果が薄まってしまいますし、多すぎると塩害のリスクが高まります。
無塩タイプなら塩害のリスクは回避できますが、思ったような効果は得られなくなってしまいます。
雪が降った時、賃貸物件の駐車場は基本的に入居者が雪かきを行います。
しかし雪に降り方によっては個人で対応できず、大家さんが管理会社を通じて除雪を依頼するケースもあります。
また、大家さんの家と同じ敷地内にある場合は、消雪パイプから水を出してくれることもありますが、それは稀なケースです。
雪が降って駐車できないなどのトラブルを回避するためには、雪かきに必要な道具を用意したり、駐車場を雪かきする際のポイントを把握したりすることが重要になります。
効率的かつ負担軽減を目指したいなら、融雪剤の使用も視野に入れましょう。