土地の相続が決まっても、何から手続きを行えばいいのか分からないという方も多いでしょう。
「名義変更は必要なのか」、「税金はかかるのか」など、疑問点はたくさん浮上してくるものです。
今回の記事では、土地を相続した際に名義変更をする必要性と相続で発生する税金について詳しくご紹介していきます。
さらに注意点なども説明していくので、何をすればいいのか分からない方や疑問点を抱えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
相続財産の土地の名義変更は必須?
土地には、誰のものなのか証明するために名義が必要です。
自分が所有している物だと証明できなければ、奪われてしまうなどの可能性も考えられます。
土地を相続する時は、元々の持ち主の名義になっているはずです。
名義をすぐに変更する必要はありませんが、変更しないとデメリットが多いため、早めに変更することをおすすめします。
また、令和6年4月1日からは相続登記が義務化されるとしています。
土地の名義変更の流れと期間
土地の名義変更の大まかな流れは以下の通りです。
①名義変更の手続きを行う土地を管轄している法務局で登記申請書を購入する
②住民票や印鑑証明書などの必要な書類を用意する
③用意した書類と一緒に法的書類を作成し、捺印する
④管轄の法務局で申請を行う
⑤完了すると、土地の登記完了がもらえる
自分で土地の名義変更を行うことは可能ですが、必要書類の用意や登記申請書などを作るのはとても難しく、時間もかかります。
上記の流れで手続きを始める場合、名義変更の手続きが終わるまでには1ヶ月間は期間が必要です。
書類はしっかりと用意できていなかったり、問題が起きたりすればさらに時間がかかることが予想されます。
また、法務局の受付対応は原則平日のみなので、土日休みの会社員の方は仕事を休まなければいけません。
自分で手続きを行う自信がないという方は、司法書士に依頼するのがおすすめです。
名義変更の申請を行ってから手続きが完了するまでの期間は、大体1~2週間としています。
しかし、年末や3月末、大型連休前などは法務局が混雑するので、2週間以上かかる場合もあるので注意してください。
土地の相続で発生する税金
土地を相続した際に発生する税金は2種類あります。
それぞれの内容についてご紹介していきましょう。
相続税
1つ目は「相続税」です。
相続税は、手に入れた遺産が一定の額を超えることで発生します。
正確には土地を含む相続財産に課せられる税金であるため、名義変更によって発生する訳ではありません。
名義変更は行わないとしても、相続税の対象であれば申告と納税が必要となります。
土地の評価方法は2つ
相続税の申告が必要かどうか判断するには、土地の評価額を知る必要があります。
評価額は税金を計算する上で国が価格を定めており、一般的な取引相場とは異なります。
土地の評価方法には「路線価方式」と「倍率方式」が存在し、市街地などの路線価がある地域では路線価方式、農村部や路線価がない地域では倍率方式を用いて計算します。
路線価方式とは道路ごとにつけられた宅地の1㎡あたりの価格です。
毎年国税庁から発表され、宅地が面している道路の路線価に対して土地の面積をかけて評価額を算出します。
倍率方式では、その土地の「固定資産税評価額」に対して、国税庁が毎年発表する評価倍率をかけます。
ここで必要な固定資産税評価額については、市町村から毎年所有者に送付される納税通知書から確認可能です。
小規模住宅等の特例で税金が安くなる可能性も
税金が安くなる可能性が考えられるのは、「小規模住宅の特例」です。
亡くなられた方が使っていた土地を相続した場合、一定の要件が満たされていれば、330㎡までは土地の相続税評価額を最大80%減らしてくれます。
そのため、土地の評価額が低くなれば相続税も減るという仕組みです。
登録免許税
2つ目は、「登録免許税」です。
土地を相続した際には、「所有権移転登記」を行います。
その時に発生するのが登録免許税で、「固定資産税評価額×0.4%」で算出できます。
土地の名義変更で税金以外の注意点
土地の名義変更を行う際は、税金以外にも注意しなければいけない点があります。
ここでは、注意点について解説していきます。
土地の相続はよりに慎重に
土地の名義変更を行うのであれば、誰の名義にするのか慎重に考える必要があります。
例えば、被相続人が亡くなった後もその家で暮らす親がいる場合、名義を親にするのか子どもにするのか悩みどころでしょう。
配偶者控除がある場合は、土地が高額な場合でも相続税がかからないことがほとんどです。
親が相続しても後に子が相続することになるため、相続税が発生している場合は子が支払う必要があります。
また、親の名義になっている土地の売却を考えた時、親に判断能力がなくなっている場合は売却の手続きが進められません。
そのため、土地を誰の名義にするのかどうかは慎重に考えなければいけないのです。
税金以外にも費用がかかる
税金以外にも、所有権移転登記(贈与)や財産分与にする所有権移転登記、所有権移転(売買)登記をする際の必要書類の取得に費用がかかります。
また、司法書士や税理士に依頼する場合は報酬の支払いが発生します。
司法書士に支払う報酬は明確に決まっておらず、依頼する司法書士によって異なります。
何も分からないまま依頼すると多額な費用がかかる場合もあるので、あらかじめ相場を知っておくことが大切です。
名義変更の手続きを司法書士に依頼した場合の相場は5~7万円程度と言われており、司法書士によっては10万円前後になる場合もあるので内容をよく確認するようにしてください。
まとめ
今回は、土地を相続した際に名義変更をする必要性と相続で発生する税金、その他の注意点などについてご紹介しました。
相続した土地の名義変更は現時点では任意となっていますが、令和6年4月1日より義務化されることが決まっています。
名義変更の手続きを自分ですることは可能ですが、必要書類なども多く非常に複雑です。
「手続きがややこしくて分からない」、「準備している時間がない」という方は、相続を専門とする税理士や司法書士にご相談されることをおすすめします。