空き家となった家屋は年々増加している傾向にあります。
「他の人も空き家をそのままにしているから」という理由で放置するのは大変危険です。
ここでは空き家を放置することの危険性と、正しい空き家管理の方法を徹底解説していきます。
空き家をどうすればいいか分からないと悩む方はぜひ最後までご覧ください。
目次
空き家管理を行う際に気を付けたい4つのポイント
空き家をそのままにしておくとどんなデメリットがある?
まずは空き家を放置した場合のデメリットについて説明していきましょう。
建物の価値が下がる
空き家をきちんと管理することなくそのまま放置するということは、建物の価値を下げてしまっていると言っても過言ではありません。
建物は使われていなくても劣化が進んでいくものです。
むしろ人が行き来することなく建物の密閉状態が続く方が、劣化が進みやすくなります。
室内に発生した湿気によってカビが繁殖し、家具だけでなくフローリングなどの建材まで傷んでしまいます。
その他にもドアが歪んでしまったり、水回りの封水が蒸発して悪臭を放ったりと様々な問題によって建物の価値が下がり、より売りづらくなってしまうでしょう。
事故が発生した場合に責任を問われる
空き家であったとして住宅の所有者には「所有者責任」というものが課せられています。
所有者責任とは建物が崩壊する事故が起きた時、所有者に建物の設置条件や管理状態に問題があった場合は、いくら崩壊を及ぼす過失がなかったとしても責任を取らなくてはなりません。
他にも、ブロック塀が崩れて隣の家屋を傷つけてしまった、強風によって家屋の一部が飛んで人を怪我させてしまったという場合にも、所有者が責任を負うことになります。
いくらわざとやったことではなくとも、所有者の責任にされてしまうため、空き家所有者は十分管理に気を付けなければならないのです。
「特定空き家」に指定され、強制的に取り壊される
空き家を所持し続けることによって生まれるリスクは他にもあります。
空き家というのは社会的問題を発生させる要因でもあります。
不法投棄によって起こる環境の悪化、害虫の発生、街の景観を悪くする、火災の発生リスク、不審者の不法滞在など、あらゆる問題を引き起こすのです。
こういった問題につながらないためにも、2015年に「空き家等対策の推進に関する特別措置法」という法律が施行されました。
上記問題を与える危険性のある空き家は「特定空き家」として指定されてしまい、強制的に取り壊しが行われるようになったのです。
この際、取り壊し費用に関しては所有者に請求されます。
そのため空き家の所有者は、土地や建物を失うだけではなく、お金も失うというリスクが生じてしまうのです。
空き家管理を行う際にやっておくべき4つのポイント
空き家の管理は今後リスクを負わないためにも非常に重要なことです。
しかし空き家の管理をしなければならないと思っても、何をすべきか分からない人も多いでしょう。
続いては、空き家管理を行う際にやっておくべきことを4つご紹介していきます。
換気を行う
空き家の劣化が進んでしまう一番の原因は湿気にあります。
湿気だらけにさせないためにも、定期的に換気するようにしましょう。
換気を行う際は窓やドアを開けるだけではなく、靴箱やクローゼット、押し入れといった場所も開くようにしてください。
様々な場所を換気することでより家全体の腐食が進むことを防いでくれます。
ただし、換気後はきちんと戸締りする必要があります。
通水をしておく
空き家の管理では通水も大事になってきます。
水道は使用しない状態が続くと水道管がどんどん錆びてきます。
錆びが発生する程度なら問題ないと放置してしまう人が多いですが、この錆びによって水道管が破裂してしまうこともあるのです。
また、水道管は放置によって内部の水が蒸発し、下水管の匂いが水道管を通ってくることもあります。
それにより家の中には悪臭が漂い、害虫が住みついたり、水道管から小さな生物が浸入したりするケースも見られるのです。
最低でも1ヶ月に1回は通水をしておくようにしましょう。
室内の掃除・庭の手入れを行う
空き家であっても室内の掃除は行うようにしてください。
なぜなら、ホコリがダニやカビの餌となってしまうからです。
換気を定期的に行ったとしてもホコリがあると腐食を防ぐことは難しくなるので、きちんと室内も清掃するようにしましょう。
また、空き家の一部に含まれる庭は手入れを怠ると、どんどん雑草が生い茂っていきます。
雑草だらけの庭となると害虫が多く寄り付くようになり、大量発生した害虫によって空き家だけではなく近隣の住宅にも影響を与えることになります。
庭もきちんと手入れするように心掛けてください。
防犯対策も忘れずに
長年放置されていることが目に見えて分かる家屋だと、犯罪に絡んでしまう場合があります。
放火された、知らない人が住み着いていた、さらには犯罪者の拠点に使われたなどの危険が潜む可能性もあると覚えておきましょう。
そうならないために、防犯対策は忘れずに行ってください。
窓は2階であってもきちんと鍵を閉め、浸入されやすそうな窓には防犯フィルムを貼ったり、補助鍵を付けたりしましょう。
複数対策してあることで、定期的に人が出入りしていることが分かり、犯罪に巻き込まれる可能性も低くなります。
自分だけで管理するのが大変なら代行サービスを利用する
仕事や自宅のことをやりつつ空き家も管理するのは、非常に大変です。
実際に自分で空き家を管理している人はいますが、普段忙しい人がいきなり空き家管理をしようとしても難しい場合が多いでしょう。
適切な管理ができないと感じたら、代行サービスを利用するのも一つの手です。
代行サービスを提供している会社では複数のプランを用意していることが多く、所有者は必要な管理サービスを選べるようになっています。
負担を一気に軽くしたい場合には、掃除や換気、手入れといったあらゆるサービスを行うプランを選択しましょう。
ただし、代行会社は近年急増していることもあって、中には悪質な代行会社もあります。
代行会社を選ぶ際は信頼できる会社かどうか確かめておきましょう。
まとめ
空き家は放置しても問題ないと考える人はまだまだ多いのが実情です。
しかし、ご紹介してきたように放置によって恐ろしい結末を迎えてしまう危険性もあります。
空き家は適切に管理していかないと、どんどん劣化が進んで価値も薄れてしまいます。
時には犯罪に利用されるケースもあるので、ご紹介してきた管理ポイントをしっかり押さえつつ正しく空き家を守っていきましょう。
管理が難しいと感じたら無理せず代行会社に依頼してみてください。
その際は口コミや評判を確認し、代行会社を精査することも重要です。