壁紙(クロス)の種類別・特徴や費用相場をご紹介!失敗しないためのポイントやDIYについても解説

壁紙

壁紙(クロス)には種類があります。
それぞれに特徴があり、費用にも違いがあります。
賃貸物件においては、壁紙選びを間違えてしまうと「デザイン性の悪い物件」「機能性の悪い物件」などと思われて空室対策にも悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
入居者の満足度にも影響するので、壁紙選びは慎重に行わなければいけません。
そこで今回は、壁紙の種類別にみる特徴や費用、選ぶ際にチェックしたい品質の指標、失敗しないために知っておくべき事項などについてご紹介していきます。
賃貸物件の建設を考えている方や、既にある物件のリフォームを検討している大家さんは、ぜひ参考にして壁紙選びをしてみてください。

目次

壁紙(クロス)の種類別特徴をご紹介

壁紙

壁紙といっても種類は様々です。

・ビニールクロス
・紙クロス
・織物クロス
・木質系クロス
・珪藻土クロス
・オレフィン系クロス
・漆喰クロス

上記それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説していきます。
最適な場所についてもご紹介していくので、壁紙選びに役立ててみてください。

メンテナンスがしやすく安価な「ビニールクロス」

ビニールクロスは、日本の住宅で使用されることが多い壁紙で多くの賃貸物件でも使用されています。
塩化ビニール樹脂を素材としたシートの裏側に紙などで作成された施工用のシートが裏打ちされています。
加工しやすい特徴があり、壁紙の表面に凹凸を出す他、発砲やプリントを施すことも可能です。

ビニールクロスの利点

・価格が安い
・耐久性が高い
・メンテナンスがしやすい

といったメリットがあります。
他の素材と比較すると安価な壁紙となるので、導入のしやすさが大きな利点です。
また、水を通さない性質があるので、汚れたとしても水拭きがしやすいので、綺麗な状態を維持しやすい壁紙と言えます。
油汚れが付着してもメンテナンスがしやすいので、キッチンの壁紙にも活用できます。
湿度が高くなりやすい環境でも問題なく利用できるため、脱衣室といった場所にもおすすめです。
また、カラーやデザインが豊富なので、デザイン性の高い賃貸物件にしたい場合にも最適です。
消臭機能や抗菌機能のある壁紙も開発されているので、高品質な物件にすることができます。

ビニールクロスの注意点

加工をする際に使用する接着剤や可塑剤に有害物質と言われているホルムアルデヒドが含まれているケースもあります。
ホルムアルデヒドには粘膜を刺激する性質があるので、鼻水や喉の傷み、喉の渇きや目のチカチカ、涙などを引き起こす可能性があります。
健康上のリスクがあれば、安全に入居してもらえません。
また、ビニールクロスを焼却する際にはダイオキシンの発生が懸念されるため、環境問題を引き起こす可能性もあります。
有害物質を抑えるための取り組みが続けられているので、後に開設する指標を参考に壁紙選びをしてください。

デザイン性に優れた「紙クロス」

欧米で使用されるケースが多い壁紙です。
パルプを原料としており、洋紙や和紙を貼り付けるのでデザイン性の高さに特徴があります。

本物の和紙を使用すれば、日本らしさのある内装になるので、外国人を対象とした賃貸物件にもおすすめです。

紙クロスの利点

紙クロスは欧米の王室にも使用されている壁紙です。
デザイン性豊かな点が魅力となっており、他の壁紙では表現できないような上品で高級感のある内装にすることも可能です。
張り替えが比較的容易にできるため、経年劣化や汚れがあった際でも張り替えしやすい点もメリットです。

アレルギーや有害物質が発生するリスクも低いので安全に使用できる壁紙と言えます。

紙クロスの注意点

薄い紙を壁紙に張り付けて加工してあるので、他の壁紙と比較すると耐久性の低さがデメリットです。
水や油によるダメージを受けやすいので、湿気の多い部屋やキッチンには向いていません。
和室や寝室といった部屋への施工を検討しましょう。
また、薄さがあるので下処理を怠ってしまうと下地の目地が出てしまう他、時間の経過によって膨張や収縮によって失敗する恐れもあります。
紙クロスの施工経験が多い業者に依頼をしないと仕上がりで後悔する可能性が高いので注意してください。

上品で高級感のあるデザインが特徴の「織物クロス」

織物クロスは布クロスとも呼ばれています。
木綿や麻などの自然素材やポリエステルやパルプといった化学繊維を組み合わせて作られる壁紙です。
高級感のある見た目なのでホテルや美術館といった施設でも多く取り入れられています。

織物クロスの利点

布素材ならではの風合い、凹凸感で上品かつ高級感のある見た目が特徴です。
リビングや寝室など、デザイン性が高く高級感のあるホテルのような空間にしたい場合におすすめの壁紙です。

通気性にも優れているので、湿気が多い場所では湿気を吸収し、室内が乾燥している際には水分を放出して湿度を高めることが期待できます。
過ごしやすい空間になるでしょう。
化学物質も使用されていないので、健康や環境へのリスクも低いです。

織物クロスの注意点

凹凸のある壁紙が多いので、汚れが付着すると落とすことが難しいです。
そのため、キッチンでの使用は避けた方が安心です。
ビニールクロスと比較すると施工の難易度も高く、対応できる業者も少ないため、業者選びが難航する可能性もあるでしょう。

温もりと落ち着きのある空間づくりが可能な「木質系クロス」

薄くカットした木材やコルクを、紙などのシートに裏打ちした壁紙が木質系クロスです。
温かみのある風合いが特徴で、落ち着いた雰囲気のお部屋にすることが可能です。

木質系クロスの利点

デザイン性の高さが最大の利点です。
木材やコルクが使用されるので、温もりのある雰囲気を賃貸物件で作りたい場合に最適です。
また、木材やコルクには調湿機能があります。
湿度を快適に保つ際に役立つので、住み心地の良い空間を作り出せます。
寝室やリビングなど、様々なお部屋におすすめの壁紙です。

木質系クロスの注意点

他の壁紙と比べると価格が高い点に注意が必要です。
天然素材を使用しているため、同じ模様がなく、壁紙の一部分のみを張り替えたい場合に苦労する可能性があります。

また、水分を含むとシミやムラができる可能性があるため、キッチンやトイレといった水回りでの使用はおすすめしません。
どうしても使用したい場合は、耐久性を事前に確認しておきましょう。

高性能さが魅力の「珪藻土クロス」

植物性プランクトンの化石が堆積して岩石となった珪藻土を使った壁紙です。
ザラザラとした手触りが特徴で独特な風合いが特徴となっています。
和室やリビング、寝室など、様々な部屋に向いています。

珪藻土クロスの利点

珪藻土クロスの最大のメリットは、調湿効果や消臭効果に優れている点です。
過ごしやすい空間を整えてくれるので、入居者の満足度にも影響を与えるはずです。
また、塗り壁よりも抑えた価格での施工が可能となっています。
防カビや防汚性能に優れた珪藻土クロスも開発されているので、高性能な物件を提供できる特徴があります。
水拭きもできないため、汚れができやすい部屋への活用はおすすめしません。

珪藻土クロスの注意点

凹凸のある壁紙は上質な質感を引き出しますが、その分汚れが残りやすいデメリットを持ちます。
また、ビニールクロスと比較すると薄さがある壁紙です。
張り付けのしにくさがあり、突き合わせた部分のジョイントが出やすいデメリットもあります。
職人の腕に左右される壁紙なので、実績の多い業者に依頼をすることが大切です。

性能だけでなく健康や環境面にも優れた「オレフィン系クロス」

合成樹脂を主原料としたプラスチックの一種を使用して作られた壁紙です。
ビニールクロスの原料・塩化ビニールが持っている健康や環境への悪影響を無くすために、ビニールクロスの代替として普及した背景があります。

オレフィン系クロスの利点

ビニールクロスと同じようにお手入れのしやすさに魅力があります。
表面強度も高いので、傷が付きにくく、汚れにも強い性質を持っています。

汚れたとしても水拭きをすれば、ある程度の汚れが落とせるのでメンテナンスのしやすさも利点の1つです。
また、健康や環境に配慮した壁紙なので、地球に優しいクロスとして注目されています。
デザインも、木目調や木など、複数あるのでナチュラルな印象を与えたい場合に最適です。

オレフィン系クロスの注意点

ビニールクロスと同じような性質があり、健康や環境に配慮された壁紙なので、価格が高価になりやすい点がデメリットです。
予算によっては賃貸物件に採用できない可能性もあります。
また、施工できる業者が少ない点もデメリットです。
実績の高さに注目して業者選びをしてみてください。

耐久性の高さが特徴「漆喰クロス」

珊瑚礁を原料とした自然由来の石灰を使用して作られた壁紙が漆喰クロスです。
湿度や温度を一定に保つ作用が期待できるため、快適性のある物件にすることが可能です。

漆喰クロスの利点

耐久性があるので、適切なメンテナンスを行えば経年劣化を軽減させることができます。
ホコリやゴミも付きにくいので、お手入れのしやすさも特徴です。
また、漆喰は不燃材料なので防火対策効果が期待できる点も魅力です。
安全面でも魅力があるので、入居者の満足度にも良い影響を与えるはずです。

漆喰クロスの注意点

壁紙に使用できる漆喰の寮には制限が設けられています。
そのため、漆喰の塗り壁と比較すると調湿効果や消臭効果が期待できない可能性があります。

また、ビニールクロスと比較すると柔軟性がないので施工の手間があります。
業者の腕によって仕上がりが異なるので、後悔しないリフォームや建設を目指すためにも、実績の高い業者への依頼を検討してください。

壁紙(クロス)の種類別で見る費用相場

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ここからは、壁紙の種類ごとの費用相場を解説していきます。

壁紙の種類費用相場(1㎡あたり)
ビニールクロス500円から1,700円
紙クロス1,500円から15,000円
織物クロス1,500円から10,000円
木質系クロス1,000円から6,000円
珪藻土クロス・漆喰クロス1,000円から6,000円
オレフィンクロス1,500円から2,000円

壁紙の種類によって費用相場は異なります。
紙クロスに関しては、使用する紙の種類によって価格が変動します。

グレードの高い和紙を使用した場合は、10,000円を超えるものもあるので、予算に合わせて壁紙選びをしていきましょう。
価格の安さで選ぶなら、やはりビニールクロスがおすすめです。
量販品であれば1㎡あたり500円程度となります。
デザイン性だけではなく、機能性を壁紙でも打ち出したいなら、コストのかかる壁紙をアクセントで使うのもおすすめです。
予算や好み、入居者のニーズに合わせて最適な壁紙を選択しましょう。

壁紙(クロス)を選ぶ時にチェックしたい品質の指標

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壁紙には、安心して使用するためにも基準となる指標が用意されています。
健康・環境・安全性などに関わる指標となるので、壁紙を選ぶ際にも役立ちます。
代表的なマークをご紹介していくので、壁紙選びの参考にしてください。

Fフォースター

JIS工場で生産している壁紙に対して表示が義務付けられています。
ホルムアルデヒドの排出量を示すマークで、レベルは4段階です。
「F★」や「F★★★★」などと表記され、星の数が多いほど上位を示しています。

「F★★★★★」が最も上位となり、ホルムアルデヒドの排出量が少なく、健康面へのリスクに関しても低い結果を表しています。

SV規格適合品マーク

壁紙製品規格協議会による快適・健康・安全を配慮した製品の供給が目的に作成した自主規格を表しているマークがSV規格適合品マークです。
ホルムアルデヒド、揮発性有機化合物(VOC)、塩化ビニルモノマーなどに関する規格値を設けて検査によって安全性が証明された場合のみSVマークが付けられます。

ISM壁紙

一般社団法人の日本壁装協会が制定した自主規格です。
規格に基づいて化学物質の発散を最小限に抑えた壁紙にISMマークが認定されています。
ISM機構による厳正な審査に合格した工場で製造されているもの、ホルムアルデヒドの他にも厚生労働省の13化学物資、TVOCを規制しているといった基準が設けられています。

入居者の安全を守るため、安全性を打ち出して新しい入居者を募るためにも、上記のマークが付いた壁紙を選んで所有する賃貸物件のリフォームや物件の建設を検討してみましょう。

壁紙(クロス)の機能性にも注目

壁紙

壁紙には、部屋の雰囲気を変える効果や、壁を保護するだけではなく、様々な機能性が備わったものも多いです。
リフォームやこれから壁紙を導入する際に重要になってくるので確認しておきましょう。

消臭効果

消臭剤で表面を加工された壁紙を選ぶことで、タバコや部屋の生活臭、キッチン臭、トイレ臭などの臭いを緩和することが可能です。
消臭効果のある壁紙は、幅広く利用できるので家の臭いが気になる場所に向いています。
使用環境にもよりますが、一般的に消臭効果の持続年数は約10年程度とされているので、お手入れや貼り替え時期など注意しておきましょう。

抗菌効果

衛生面を気にする場所には、抗菌効果のある壁紙利用がおすすめです。
壁紙表面に抗菌剤が使用されており、様々な菌やウィルスの増殖を防ぐ効果があります。

家族に免疫力がない小さな子どもや高齢者がいる場合など安心して利用できるでしょう。
抗菌効果+防汚機能がついた壁紙も多くあります。
トイレやキッチン、洗面所といった水撥ねが多く、衛生面が気になる場所に適しているでしょう。

防汚効果

防汚効果のある特殊なフィルムやシートが壁紙表面に加工されているため、汚れが付きにくく、落としやすい特徴を持っています。
一般的な壁紙では落としにくい汚れでも水拭きや中性洗剤だけで落とすことが可能です。

子どもによる落書きや食べ物汚れの付着に困っているご家庭でも、簡単なお手入れで汚れを拭き取ることができるのでおすすめです。

表面・耐久性の強化

壁紙の中には、表面に特殊フィルム加工をした硬度や耐衝撃性を強化した壁紙もあります。
耐久性のある壁紙は、傷が付きにくく壁紙も破れにくいため、人の出入りが多い場所での利用が適しています。

例えば、廊下や玄関、階段など移動が激しい場所は、他の部屋に比べて摩擦や衝撃などが蓄積されやすく、キズも付きやすいです。
耐久性を備えた壁紙を選択することで、壁紙の剥がれや傷みを防ぎ長くキレイな状態を保つことができるでしょう。
その他、壁にキズを付けられてしまう恐れのある小さな子どもやペットを飼っているご家庭にもおすすめです。

防カビ効果

湿気の多い場所や調湿機能が低い壁紙の場合、壁紙にカビが生えてしまうことがあります。
カビは、見た目だけでなく、衛生面にも影響が出るため注意しなければなりません。
湿度の高さが気になる部屋やカビが発生しやすい場合は、防カビ処理がされた壁紙を導入し、カビの繁殖を防ぎましょう。

キッチンや洗面所、トイレなど湿度が高まりやすい部屋への利用がおすすめです。

吸放湿効果

日本は、四季がはっきりしており、梅雨や高温多湿な夏、乾燥する冬など1年を通して調湿が難しい傾向にあります。
湿度が高い時期が比較的長いため、梅雨から夏の間は部屋の湿度が高くなる傾向にあるでしょう。
そのため、カビが生えるだけでなく、不快指数も上がり、生活にも影響が出やすいので注意が必要です。
近年は温暖化の影響もあり、高温多湿によって熱中症のリスクも高まっています。
吸放湿効果のある壁紙は、湿気が高い時期には水分を吸収してくれるので、快適な湿度を保つ効果が期待できるでしょう。
また、乾燥の激しい冬には水分を放出してくれるので、室内の湿度を高めて乾燥を防いでくれます。

防火機能

マンションや集合住宅など、火災で被害の拡大を防ぐために不燃性のある防火機能が備わった壁紙を使うケースも多いです。
防火機能がある壁紙は燃えない壁紙ではなく、燃えにくい壁紙となります。

防火種別ごとに分類され、不燃では20分、準不燃は10分、難燃は5分の間加熱しても燃焼されず、有害な煙も発生しません。

マイナスイオン効果

在宅時間が長かったり、家に居心地の良さを求めたりするのであれば、マイナスイオン効果のある壁紙がおすすめです。
この壁紙は、壁紙の生地に天然鉱石を配合し、水分と反応させてマイナスイオンを発生させています。

天井やリビングに貼られた壁紙から出るマイナスイオンが、部屋の空気をフレッシュに保ってくれるでしょう。
癒しやリラックス効果が期待できるので、家での時間を重視する方におすすめです。

蓄光機能

夜間にほんのり光を放出する壁紙は、暗がりを気にする方に人気の壁紙です。
部屋の照明や太陽からの光を蓄えて、消灯してから約20分程度柔らかい光が放出されます。

暗闇で眠るのが怖い子どもや消灯後少し明るさが欲しい廊下などでの利用がおすすめです。
電気を利用しない分、節電効果も期待できます。

このように、壁紙と言っても様々な機能が備わっているので、壁紙を貼り替える際は、使う部屋や用途に合わせて選択することをおすすめします。

壁紙(クロス)で失敗しないために知っておきたいこと

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壁紙は部屋の面積の多くを占めるため、選ぶ壁紙によってイメージが左右されやすいです。
サンプルなどを見て直感で選んでしまい、貼り替え後に「イメージと違う…」とならないよう注意しましょう。
ここでは、壁紙選びで失敗しないためのポイントや壁紙選びのコツについて紹介します。

失敗しない壁紙選びのポイントとは?

まず、壁紙を選ぶ前に重要なのは、各部屋でどのように過ごしたいのか、どういう雰囲気にしたいのかなどイメージすることです。
壁紙の種類は豊富にあり、カラーや柄、機能性など何を基準に選ぶのか悩む方も多いからです。
リビングは落ち着いたカラーでくつろげる空間にしたい、全体的に北欧風でまとめたい、子ども部屋は明るいカラーがいいなどどんな部屋にしたいのか考えましょう。

そして、壁紙選びで失敗を避けるためのポイントは3つあります。
それぞれ確認していきましょう。

サンプルはできるだけ大きいもので確認する

カタログやサンプルで見た場合と、実際に壁紙に使われているものでは印象や見え方が変わってきます。
例として、サンプルで見たものより、実際に施行された壁紙の方が明るく見える傾向にあることが挙げられるでしょう。
そのため、できるかぎりサンプルよりも大きいサイズでの確認が望ましいです。
メーカーによっては、A4サイズよりも大きいサンプルが用意されている場合もあります。
実際に使用する部屋の照明の下や壁に当ててどう見えるか確認しましょう。

雑誌やネット、住宅展示場などを活用し自分の好む雰囲気を掴む

壁紙の色や柄など壁紙だけに意識をむけず、たくさんの画像から参考にしたい部屋や壁紙の写真をストックしておくことをおすすめします。
部屋全体の壁紙の使い方や自分がどういう雰囲気を求めているのか知ることができるからです。
また、保存した画像を担当者に見せれば、イメージが伝わりやすく、希望の壁紙を探しやすくなるでしょう。
写真だけではなく、住宅展示場などに出向き、実際の壁紙の使い方を見るのもおすすめです。

部屋全体のバランスを考え、使う色は3色までにする

一部屋あたりに使う色は3色程度に絞りましょう。
色を多く使いすぎるとどうしても落ち着きのない雰囲気になってしまうからです。
複数の色を使いたい場合は、薄い色の割合を多くするとバランスがとりやすくまとまりやすいでしょう。

失敗しない壁紙の選び方のコツとは?

壁紙選びのポイントを押さえた上で、壁紙の失敗しない選び方についても紹介しましょう。

床の素材や色、扉の色など色調やバランスを合わせる

自分の好きな壁紙を選択しても、その他の部屋にあるものとのバランスが悪ければイメージと違う雰囲気になってしまうでしょう。
床や扉の素材や色によって、合わせる壁紙のカラーも変わってきます。
赤茶系の床や扉であればベージュ系の壁紙、ダークブラウン、無彩色の床であればグレー系を合わせると統一感がでます。
白や黒などモノトーンカラーの床であれば、白系の壁紙がしっくりくるでしょう。
既にその部屋で使うカーテンや家具が決まっているのであれば、そこから壁紙の色を絞っていくのも良いでしょう。

壁と天井に使う壁紙の効果を利用する

部屋を大きな空間として見せたい場合、壁と天井の色を統一することをおすすめします。
一体感が出るため、バラバラな色を使うよりも部屋が広く見える効果が期待できるからです。
その際、選ぶ色を床、壁、天井と下から上に向かって明度を上げるとより天井が高く感じられ、部屋も広く見える効果があります。
反対に、天井に一段暗い壁紙を使用した場合は、空間に落ち着きを出すことができます。

機能性も考慮する

先述したとおり、壁紙によっては様々な機能を持つものが多くあります。
壁紙を選ぶ際に、機能面も考慮して選べばより快適で理想的な空間を作ることができるでしょう。

ペットがいる場合は、消臭効果や耐久性のある壁紙、湿度が高くカビの発生が気になるなら防カビ効果のある壁紙など目的に合わせて選択すると良いでしょう。

壁紙(クロス)はDIYで貼り替えできる?

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壁紙の貼り替えはポイントを押さえれば比較的簡単な作業なため、DIYで貼り替える方も多いです。
ここでは、壁紙を張り替える際に注意すべきポイントや張替えの手順について紹介しましょう。

壁紙の張替えをDIYで行う際に注意すべきポイントとは?

DIYで壁紙を貼り替えられれば、費用を抑えて自分好みの壁紙にすることができるでしょう。
また、業者を通さないため、好きなタイミングで壁紙を替えられます。
壁紙が劣化した場合や部屋の雰囲気を変えたい時など自分のタイミングで作業できるのでDIYにチャレンジしたい方も多いかもしれません。
しかし、メリットの多いDIYですが、誰でも満足する結果になるわけではありません。
注意すべきポイントを知った上で、作業に取り掛かることをおすすめします。
まず、注意点としてまず挙げられるのが、壁紙をDIYする場合は、専用の道具を揃える必要があり、当たり前ですが時間と手間がかかるということです。
道具だけでなく、壁紙の知識も乏しければ、自分で調べて部屋に適した壁紙を選ばなければなりません。
また、作業に慣れていないため失敗する可能性も考えられるでしょう。
業者に依頼しなかった分、壁紙や道具にお金をかける方も多いです。
しかし、思ったように仕上がらなければ、逆にやり直しで費用が掛かってしまうケースもあると知っておきましょう。

DIYで壁紙を貼り替えるために必要な道具と手順について

ここからは、実際に壁紙を貼り替えていくために必要な道具と手順について紹介します。

壁紙を張り替える際に必要な道具

壁紙を貼り替えるための道具はホームセンターなどで揃います。
基本的な道具は以下のとおりです。

・カッター:壁紙を切るために使用
・竹ベラ:壁紙のクセ付け、四隅の角を出すために使用
・地ベラ:カッターガイドとして、壁紙を切る際に壁紙に押し当てて使用
・ローラー:壁紙を貼り付けた際にできる継ぎ目を目立たせないように壁紙と下地を圧着させる
・撫で刷毛:張られた壁紙の空気を抜き、表面を整えるために使用

DIYで壁紙を貼り替える手順

ここからは、壁紙を貼り替えていく手順について紹介します。

①壁紙を剥がし、下地を整える
裏紙を剥がさないように表面の壁紙だけを剥がしていきます。
うまくはがれない場合は、壁紙と裏紙の境目に地ベラを差し込み、そこへカッターの刃を入れ少しずつ剥がしていきましょう。

②壁紙をカットする
貼り替えをする壁の長さを測り、壁紙をカットしていきます。
カットする際は、上下5cm程度の余裕を持ってカットするようにします。
柄壁紙を使用する場合は、柄を合わせる必要があるので注意してカットするようにしましょう。

③壁紙にのりを塗る
のりがついていない壁紙を使用する場合は、下地に合ったのりを準備する必要があります。
初心者は原液タイプののりを使うと良いでしょう。
壁紙の裏側に刷毛やローラーを使ってのりを塗り、壁紙の伸縮を安定させるために少し時間を置いてください。
のりの種類によって、置き時間が異なるので必ず規定時間を確認するようにしましょう。

④じゃばらおりにしておく
のりを塗った壁紙を一時的に置いておく場合は、じゃばら折りにしておくと良いでしょう。
のりが付いた面が重なるようにじゃばらに折っていきます。
サイドにしわが入らないよう気を付けて折りたたんでいきましょう。

⑤基準線を引き、壁紙を貼っていく
壁紙を貼る際の基準となる垂直の線を鉛筆で引き、五円玉をつけた糸を垂らして天井から糸に沿って線を入れていきます。
線が引き終わったら壁紙を手に持ち、上部が5cm余るようにして基準線の近くに大まかに貼り付けましょう。
仮止めで貼り付けた後、基準線側の端が合うように貼りなおします。

⑥ヘラを使って空気を抜く
壁紙を貼った後は、ヘラを使って上下左右と全体的に空気を抜いて壁紙を圧着させましょう。

⑦余分な切りしろを切っていく
壁紙を貼った後にできる切りしろをカッターでカットします。

⑧付着したのりを拭き取る
天井や床面などのりが付着した部分を固く絞った雑巾で拭き取りましょう。
目立たない状態であっても、付着したのりを放置しておくと変色の原因になります。

のり付き・のりなし・シール壁紙(クロス)の違い

壁紙

DIYをするにあたって、できれば簡単で失敗しない壁紙がないか探している方もいるでしょう。
壁紙は大きくわけてのり付き・のりなしの2種類があります。
初心者でも利用しやすい壁紙も多く販売されているので、それぞれの違いについて紹介しておきましょう。

のり付き壁紙の特徴

裏面にのりがつけられた壁紙で、フィルムを剥がしてすぐに使用することが可能です。
手軽に使えるので初心者におすすめの壁紙と言えるでしょう。
しかし、フィルムを剥がすとのりが乾いていくため、乾いて貼れなくなる前に作業を終える必要があるので注意してください。

のりなしの壁紙の特徴

のり付き壁紙に比べてコストを抑えられ、のりの乾きを気にせずに貼れる特徴があります。
また、のり付きやシール壁紙の場合、のりが劣化すると使えませんが、のりなしの場合は残った壁紙を保管して、使いたい時に再度使うことができます。
好きな時に好きな分だけ使用でき、自由度が高い壁紙と言えるでしょう。

シール壁紙(クロス)の特徴

手軽に壁紙をチェンジしたい方に人気がある壁紙です。
シール壁紙は、壁紙の裏の剥離紙を剥がして貼り付けるタイプのものです。
のり付きの壁紙と似ていますが、シール壁紙は壁紙を剥がさず、直接壁紙の上から貼り付けることができます。
道具も必要ないので、DIYに自信がない方や時間をかけたくない方におすすめの壁紙です。

今回、壁紙について種類や特徴、費用相場などとともにDIYについても紹介しました。
壁紙といっても、その種類は豊富で、カラーだけではなく、機能や部屋全体のバランスなど気をつけて選択する必要があるでしょう。
選んだ壁紙によって、部屋の雰囲気や印象は大きく変わってきます。
理想どおりの空間を作るためにも、壁紙を選ぶ際にポイントを意識して部屋に合った壁紙を選びましょう。
また、DIYに適した壁紙も多く販売されているので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。