家族が多いと部屋数も必要になり、2階、3階と階数の多い家になりがちです。
現在は核家族化が定着してきた結果、平屋住宅を検討する家族が増えています。
平屋がどのようなものなのか、なんとなくイメージできる部分もあると思いますが、実際に建てるとなれば快適な生活を送るために注意したい所もあるでしょう。
この記事では、平屋の魅力や建てる際のポイントについて解説していきます。
1人または2人の生活スペースに適した、20坪の平屋という例を挙げて紹介していくので参考にしてみてください。
目次
平屋にはどんな魅力がある?
現在、新築住宅で平屋を選ぶ家族が増えています。
どのような理由や魅力から平屋を選んでいるのでしょうか?
ここでは、平屋の魅力について紹介していきます。
家族を近くに感じられる
平屋は部屋が上下になく、ワンフロアのような雰囲気があります。
孤立したような空間ができにくく、常に家族が集まりやすい環境になっているため、家族の存在をより近くに感じられるでしょう。
また家族の帰宅もすぐわかる環境なので、いつ帰ってきたか分からないということもありません。
平屋で、家族のコミュニケーションが自然と取りやすい環境が生まれます。
家事がしやすい暮らしを得られる
階段がない平屋は、常に平行での移動となります。
平屋なら洗濯物の2階のベランダに干して、収納のために1階に持ってくるという動きもなくスムーズで動きやすい環境が自然と作れます。
生活動線も確保されやすいので、家事を無理なくこなせる環境へと変えられます。
設計の際に、効率的な生活動線になる間取りを考えると、より家事もしやすくなるでしょう。
地震や台風に強い
日本は自然災害が多い国なので、地震や台風の際に建物被害を受けやすいです。
しかし、災害時の建物リスクは耐震性能を高めるだけで大きく変わってきます。
特に平屋は高さが低く、家そのものがシンプルな構造で作られているため、地震などの倒壊リスクが低く、揺れなどによる建物への負担がかかりにくいとされています。
建物の高さが低いことから、台風などの風にも強いといわれています。
メンテナンスがしやすい
平屋は高さがないため、建物の状態が把握しやすくなっています。
屋根や壁をメンテナンスする際も、足場をかけることがほとんどありません。
メンテナンス費用も、平屋の方が最小限に抑えられるでしょう。
高齢になっても安心して暮らせる
幼い子どもや高齢者は、階段の上り下りに苦労する場面があります。
特に階段からの転倒や落下は、家庭内で起こりやすい事故とされています。
平屋なら階段がないので、高い所からの転倒や落下リスクが減少でき、バリアフリー設計にすることで移動しやすく安心して生活できる環境になるでしょう。
20坪の平屋…広さはどれくらい?
もし20坪の平屋を建てるとしたら、どれくらいの広さになるのでしょうか?
20坪と聞いても、想像がつきにくいかもしれません。
ここでは、20坪の広さと可能な間取りについて説明していきます。
畳40畳分の広さの家
20坪は畳約40帖の広さ、約66平米になる計算です。
1坪は約3.3平米、1辺が1.82mの正方形の大きさです。
コンビニの店舗は20坪が多いようなので、同じくらいの広さになります。
夫婦やカップルなど、2人での生活に適した広さくらいでしょう。
20坪で可能な間取りとは
20坪の平屋なら、1LDK~3LDKくらいの間取りが設計しやすいでしょう。
全てワンフロアにして仕切りを少なくすると家族との距離も縮まりますが、生活空間が多くなってしまいます。
将来のことを視野に入れつつ、生活動線や採光を視野に入れた間取りを考えてみましょう。
20坪の平屋を建てる際のポイント
20坪という決して多くない空間を、より生活しやすい環境に整えるには、どのようなポイントに注目するとよいでしょうか。
廊下を減らす
廊下は、基本的に部屋同士を行き来するための移動スペースです。
2階建てでは、上下への移動に必要な階段スペースや廊下が必要でしたが、平屋では廊下部分も床面積にプラスできます。
さらに床面積を広く確保したいなら、廊下部分を最小限にすると、リビングやキッチンなどで使える面積を増やせるでしょう。
引き戸を活用する
20坪という環境をより有効にするなら、部屋の扉には引き戸を選びましょう。
開き戸にすると、開け閉めに必要なスペースが必要となりますが、引き戸であれば横にスライドさせるので、扉の開閉部分を他のスペースに活用できます。
同じ引き戸でも壁と壁の間に収納できる引き込み戸なら、よりスペースが上手く使えるでしょう。
いかに空間が使えるかを考えながら、部屋のデザインやテイストに合わせた扉を選ぶのがおすすめです。
断熱対策が必要
平屋は2階部分がないため、断熱対策が重要なポイントです。
2階部分がある住宅では、太陽の熱は空に近い2階部分に溜まりやすく、1階部分は間接的な熱しか伝わってきません。
しかし、2階部分がない平屋では屋根の熱が伝わりやすくなってしまうので、2階建ての住宅以上の断熱対策を行いましょう。
屋根裏を設ける、屋根裏に換気扇を取り付ける、断熱材のグレードアップを行う、遮熱機能などが備わった屋根材に変えるなど、適した断熱対策が必要です。
天井を高くする
2階建てなど上に部屋がある住宅と平屋では、天井の高さが異なります。
上に部屋がある住宅は、天井の高さを大きく変えることは難しいのですが、平屋の場合は天井の高さを変えられるのがポイントです。
天井を高くすると圧迫感がなく、広い空間が保てます。
家族が集まるリビング部分のみ縦の空間を活かしたデザインにもでき、壁や天井の窓を設置すれば、広く明るく自然な採光を取り入れられるでしょう。
その反面、寝室など落ち着いた空間では天井を低くするなど、メリハリを付けることもできます。
まとめ
幅広い世代で注目されている平屋住宅は、家族とのコミュニケーションが取りやすい環境が自然に生まれる空間で家事や生活動線もスムーズにできます。
バリアフリー設計によって、小さなお子様や高齢者でも安心して生活できる環境となり、いつまでも安心して生活できる家となります。
20坪という広さは1人~2人の生活環境に適した広さですが、天井の高さや間取りによって適度なプライベートな空間が確保できます。
この記事を参考に、自分らしいスタイルに合った平屋を検討してみましょう。