フローリングは減価償却資産になる?耐用年数&張り替えるタイミングを解説

フローリング

引越しを検討すると、気になってくるのが退去する際にかかる費用でしょう。
壁を傷つけてしまった、床を汚してしまったなど、住んでいると損傷してしまう部分はあるはずです。
賃貸物件を退去する際には傷や汚れによっては修繕費用を支払う必要があります。
ただし、なかには負担をせずに済むケースもあるので、その仕組みを理解していれば退去時に損をしません。
そこで、今回は「フローリング」の費用負担について解説していきます。

フローリングは減価償却資産になるのか?

フローリング

時間の経過によってものの価値は減っていきます。
しかし、賃貸住宅ともなれば、壊れてしまった部分を引越し時に支払わなければいけないケースもあります。
負担する金額は、通常消耗や経年劣化を考慮して費用が算出されます。
原状回復はトラブルの要因にもなるので減価償却を理解しておくと、後々予想できる面倒な問題を回避できるので安心です。

減価償却資産には含まれない

フローリング

時間の経過によって劣化した部分の修繕費用は、減価償却によって負担する額に違いがでます。
例えば、壁紙を不注意で破いた場合、張り替えにかかった費用は借主の負担になります。
しかし、住んでいた年数によって変化してしまった部分や劣化した部分もあるでしょう。
その費用に関しては、貸主の負担になるので、借主は修繕費用から経年劣化や通常損耗した部分を差し引いた額のみ負担することになります。
例えば、同じ物件でも2年住んでいた人と10年住んでいた人では、壁紙の汚れに違いがあるでしょう。
10年住んでいれば経年劣化によって傷のある場所も多くあるはずです。
2年住んでいた人、10年住んでいた人、どちらも修繕費用の負担が同額であれば不公平になるため、住んでいた期間が長いほど、負担額を少なくするという考えが減価償却にあたります。
償却資産の種類によって経過年数・耐用年数には違いがあるため、しっかりとチェックする必要があるでしょう。

例えば、流し台は5年、カーペットやクッションフロアの経過年数は6年です。
冷暖房機器、インターホンは6年、便器や洗面台などの給排水、衛生設備は15年です。
問題のフローリングに関しては、法定耐用年数が定められていません。
そのため、修繕した際には全て借主が負担します。

フローリング全体の毀損による張り替えは例外

フローリング

フローリングは国土交通省のガイドラインに基づいて経過年数は考慮しないと定められています。
費用を支払わなくてはいけないので、退去時に多くの資金が必要になると考えるでしょう。
しかし、考慮しないケースは部分補修のみです。
部分的に補修をしてもフローリングの価値は復活しないため考慮されていません。
フローリングの全面張替においては、経過年数が考慮されているので、全面張り替えを行っていた場合は負担する割合も減るでしょう。
ただし、ガイドラインで「当該建物の耐用年数で残存価値1円となるような直線を想定し、負担割合を算定する」と定めています。

・木造:22年
・軽量鉄骨造:19年
・鉄骨造:34年
・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造:47年

と、建物の種類によって耐用年数には違いがあるので注意してください。

フローリング以外にも減価償却資産にならないものは多い

フローリング

経過年数は物によって考慮されている年数に違いがあります。
フローリング以外にも減価償却資産にならないものもあるのでご紹介します。

・畳表
・襖紙
・障子紙
・襖
・障子等の建具部分
・柱
・鍵の紛失
・退去時に行う部屋のクリーニング

上記は、経過年数を考慮されません。
ただし、中にはフローリングと同じように考慮されるケースもあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

フローリングを張り替えるタイミング

フローリング

ここからは、フローリングを張り替える時期を解説していきます。
引越しをまだ検討していないのなら、張り替えの時期を把握し、快適に過ごしましょう。

目安は10~15年

複数の合板を張り合わせた下地材にシートや天然木を貼り合わせた複合フローリングは、使い勝手もいいので多くの住宅で採用されています。
複合フローリングに関しては、おおよそ10~15年が耐久年数の目安です。
天然木100%の無垢フローリングは、30年以上となるので長い間使い続けられるでしょう。

ただし、上記でご紹介した張り替え時期はあくまでも目安です。
10年経過していなくても、状態によっては張り替えする必要があるため、自分自身の目で判断し、張り替えの時期を検討しましょう。

傷・汚れが目立つなら張り替えるべき

無垢フローリングは、多少の傷や汚れができても削れば補修可能です。
しかし、複合フローリングは張り替えをしない限り補修できません。
少しの傷であれば問題ありませんが、大きな傷はケガをする要因にもなります。

汚れも大きく目立っているなら張り替えを検討しましょう。

日焼け・色褪せも張り替えの目安に

日当たりの良い部屋は過ごしやすく快適です。
しかし、日焼けや色褪せするので気を付けてください。
日差しが当たっている部分だけ色が違えば目立ってしまいます。
放置のし過ぎは剥がれや浮きを引き起こしてしまうので、早い段階での補修をおすすめします。

床鳴りや軋みは張り替えだけで解決しない可能性も

長年住んでいると床鳴りが気になるケースもあるでしょう。
歩くとギシギシと音が鳴るのは、反りや縮みが原因で隙間が空いている可能性があります。
張り替えをすれば直るケースもありますが、それだけでは解決しない場合もあります。
構造部分までもが劣化をしていれば建物全体に影響を与える危険性もあるので、専門業者に依頼をして点検をしてもらいましょう。

賃貸物件であれば大家さんや不動産屋に連絡をし、状況を説明すると業者を紹介してもらえるケースもあります。
原因を知り、正しい方法で補修をしてもらえば安心して過ごせるはずです。

まとめ

減価償却や耐用年数など、詳しく知らないことで引越し時に損をしてしまうケースもあります。
支払わなくていい費用を請求されても、しっかりとわかっていれば損をしなくて済みます。
フローリングに関しては、部分的な補修のみ減価償却資産に含まれます。
それ以外にも含まれていない部材は多くあるので、しっかりと確認して退去に備えましょう。