カーポートを設置するなら建ぺい率に注意!

カーポート

カーポートと言えば、現在では一戸建て住宅のほとんどに設置されていると言っても過言ではありません。
車を所有しない家庭も中にはありますが、車の置き場所としてカーポートは利便性も高く重宝されています。
中には、これから住宅の敷地内にカーポートを設置しようと考えている方もいるでしょう。
そこで注意したいのが、カーポートの建築における建ぺい率です。
建ぺい率をしっかり理解していないと、たとえ設置後でも最悪の場合取り壊しや再度建築し直さなければならないといったことになりかねません。
今回は、そんなカーポート設置に伴う建ぺい率について解説していきます。

カーポートと車庫は違うの?

カーポート

車も置き場所と言えば、カーポート以外にガレージをはじめとする車庫も同じ扱いとなります。
では、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?

カーポートとは「屋根付き駐車場」のこと

既にご存知の方も多いかもしれませんが、カーポートは別名「屋根付き駐車場」とも呼ばれるものです。
柱と屋根のみの簡単な構造となっており、シンプルなものからオシャレなものまでデザイン性が高い点も特徴です。

壁やシャッターがあるならガレージとなる

一方、壁やシャッター、扉などが付いているのは車庫やガレージです。
こちらもデザインは様々ですが、壁やシャッターが付いているかどうかでカーポートなのかガレージなのか判断できます。

カーポートの設置には建築確認申請が必要!

申請

カーポートは、たとえ簡単な作りで大きなものでなかったとしても、設置には建築確認申請が必要です。
住宅と同じように建築物として扱われるカーポートは、建築基準法が適用されるため、建築確認申請を行う義務があります。
万が一建ぺい率違反となる建物を建築した場合、違反建築となって取り壊しや建て直しを求められます。
カーポートも、住宅と同じように建築基準法における敷地面積や建物面積などを示す建ぺい率が計算されることになるのです。

建築確認申請とは?

建築確認申請は、建築基準法を基に対象の建築物が法に準じているかどうかを確認するために必要なものです。
床面積10平米以上の建築物が対象で、カーポートやガレージも建築確認申請に該当します。
一般的なカーポートであれば、車が2台分駐車できるスペースと高さで設置されますが、こうした大きさのカーポートの場合は必ず建築確認が必要になります。
建築確認では建築物の面積を計算しますが、カーポートは柱から柱までの面積を表すため、広いスペースを確保しなければならないカーポートは建築確認が重要なのです。

カーポートの建ぺい率はどう計算するの?

そもそも建ぺい率とは、建築基準法に基づき敷地の広さと建築物の面積の割合を算出したもので、住む地域によって異なります。
様々な建物が建ぺい率に基づいて建築されるので、それに準じた建物でなければ建築することも不可能です。
建ぺい率によってどれくらいの建物が建設できるか決まるため、広い敷地であっても大きな住宅が建てられるとは限りません。
建ぺい率の計算は建築面積に敷地面積を割り、そこに100をかけて計算します。
例えば、敷地面積が100平米で建ぺい率が40%だった場合、60平米の建物が建築可能です。
つまり、建ぺい率によってどれくらいの大きさのカーポートが設置できるか変わってくるということです。
住宅が大きい場合、大きなカーポートは設置できない可能性もあるでしょう。

カーポートを設置する際の注意点は?

カーポート

建築基準法に基づく建築確認申請が必要なだけに、カーポート設置には注意しなければならないことがあります。
ここでは、カーポート設置前に理解しておきたい注意点を見ていきましょう。

駐車に必要な広さを正しく把握しよう

まずは、何台の車を駐車するのか、どれくらいの広さが必要なのかを確認します。
カーポートは、車1台の場合に必要な広さとして、幅2.5メートル・奥行5メートル高さ2.1メートル以上が一般的です。
駐車する車の大きさにもよりますが、基本は上記を目安にすると良いでしょう。
ただ、車の乗り降りでドアを開閉させる広さが十分かどうかも重要です。

「建ぺい率の緩和措置」は自治体によって違う

カーポートは建築確認申請が必須ですが、自治体によっては建ぺい率緩和措置が設けられていることがあります。
例えば、柱と柱の間隔が2メートル以上・壁がない部分が4メートル以上・天井の高さが2.1メートル以上・階数が1階までなどです。
これらが条件であれば、ほとんどのカーポートは緩和措置が適用されますが、事前に自治体に確認が必要です。

近隣とのトラブルに注意しよう

雨や雪が多い地域では、カーポートの設置における近隣住民とのトラブルが起こることが少なくありません。
例えば、カーポートの屋根が隣の家に向かって傾斜が付いている場合、積雪が隣の敷地に落ちてしまう可能性があります。
場合によっては、隣の家の庭や車などに被害が出るといったことも考えられるため、敷地境界線を踏まえトラブルにならないよう注意しましょう。

固定資産税の対象となるおそれもある?

固定資産税の対象になるのは、基礎で土地に固定されているもので、居住や作業などで利用できるもの、屋根付きで3方向以上が壁や建具で囲われているという3つの条件を全て満たした場合です。
カーポートは、屋根付きではありますが壁や建具で囲われたものではないため、固定資産税の対象にはなりません。
ガレージや車庫の場合、固定資産税の対象になる可能性が高いでしょう。

まとめ

今回は、カーポート設置における建ぺい率について解説してきました。
カーポートは、大切な車を雨や雪、直射日光を避けて駐車することができ、ガレージや車庫よりも比較的安価に設置できるなど、様々なメリットがあります。
しかし、建ぺい率は住んでいる地域によって違いはあるものの、カーポートも含まれます。
カーポートの設置を検討しているなら、まずは地域の建ぺい率を把握し、敷地や住宅の面積を踏まえて適切な広さがどれくらいなのか把握しなければなりません。
理想のカーポートを実現するためにも、建築確認申請や注意点を考慮して進めていくようにしましょう。