不動産の耐用年数で決定する「減価償却費」とは?仕組みや計算方法を理解しよう

減価償却

不動産の売却を検討している方で、「減価償却費」という言葉を目にしたり、聞いたりしたことがある方も多いでしょう。
この言葉の意味を理解するのは、初めて耳にする人にとって難しい内容と言えます。
例えば、収益物件を売却する時と自宅を売却する時では、減価償却の計算方法が変わってきます。
収益物件の場合の計算方法は、取得時期によって計算式や使用する率なども違うのです。
このようなことから、減価償却は様々な計算のルールが決まっていて複雑な部分も見られます。
そこで今回は不動産の売却を検討している方に向けて、減価償却費の仕組みや計算方法について解説していきます。

減価償却費とは?

減価償却

減価償却とは、土地以外の建物や備品などの固定資産に関する価値を減少させていく手続きのことを言います。
この減価償却によって計上された費用が「減価償却費」です。
建物や備品などの固定資産は、使用すればするほど年々価値が下がっていきます。
その価値に関する減少分を決まったルールに沿って計算したものが減価償却費です。
減価償却資産を手にするために掛かった費用を、資産が使用できる期間で分けて経費として配分されるという仕組みです。
減価償却費はあくまでも会計を行っていく上でのルールなので、実際に減耗したり劣化したりすることに対する金額ではありません。

減価償却費の特徴

特徴としては、土地に関しては減価償却を行わないことが決まっています。
土地に関する価格は、市の状況によって上下はあるものの会計上では何年経っても価値は下がらないと考えるのがルールです。
そのため、不動産で減価償却を行う際には「土地価格」と「建物価格」の2つに分け、建物価格に対してのみ減価償却を行うことになっているのです。

不動産における耐用年数

耐用年数とは、減価償却資産が利用に耐えられる会計上の年数のことを言います。
不動産などの固定資産は使えば使うほど価値は年々下がっていってしまいます。
中古物件の価格を考える時、不動産の場合は「耐用年数」という基準が使われます。
耐用年数には「法定耐用年数」「物理的耐用年数」「経済的残存耐用年数」という3つの考え方が存在します。

それぞれの内容について説明していきます。

・法定耐用年数
3つの中でも目にする機会が多いのが「法定耐用年数」です。
それぞれの不動産価値を算出するために国が決めたものです。
用途によって決められており、この法定耐用年数により建物の価値を決めるのが一般的です。

・物理的耐用年数
構造物の仕組みなど材料の品質が維持できなくなったり、建物自体が劣化したりして使用できなくなるまでの年数を示しています。

・経済的耐用年数
対象の不動産が実際にあとどれくらい使えるのか、不動産の価値がなくなるまでの期間を示しています。
今後見込まれる修繕費用なども含めて算定されます。

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事業用と居住用で異なる耐用年数

減価償却

事業用と居住用では耐用年数が変わってきます。
事業用の不動産として挙げられるのは「事業用」や「貸付用」です。
事業用は、個人事業主が個人で持っている店舗や事務所などを指し、貸付用は賃貸マンションやアパートのような賃貸物件のことを指します。

例えば木造の建物を事業用で使う場合、耐用年数は22年となりますが、居住用の場合の耐用年数は33年になります。
このように、居住用の方の耐用年数を長く定めているのは、マイホームを売却する時になるべく税金が掛からないにようにと考えられているからです。

減価償却費を算出するには?

減価償却

減価償却費を出すには、不動産を取得した年月日が2007年3月31日以前か4月1日以降であるかを確認してください。
その後、法律で決められた計算方法に沿って対象になる耐用年数を当てはめて減価償却費を算出していきます。
「減価償却費=取得価格×耐用年数に応じた償却率」が計算式として用いられます。
償却率は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和四十年大蔵省令第十五号)で定められています。

「定額法」と「定率法」

減価償却費の算出方法には、「定額法」と「定率法」の2つがあります。
この2つの方法についてご紹介します。

・定額法
耐用年数の期間において、一定の額を毎回減価償却していくという方法です。
耐用年数は、会計上の使用可能年数を指しています。
定額法を使った減価償却費の計算方法は、「定額法による減価償却費(1期分)=取得価額×定額法の償却率」です。
比較的計算は簡単ですが、収益力が低下するために修繕などが必要な時期に負担率が高くなってしまうという点がデメリットと言えるでしょう。
しかし、最初のうちに利益が出やすいというメリットも存在します。

・定率法
未償却の残高に対して一定の率で毎回減価償却していく方法です。
定率法を使った減価償却費の計算方法は、「定率法による減価償却費(1期分)=未償却残高×定率法の償却率」です。
最初は償却額が多くなりますが、月日が経っていくうちに償却額が少なくなっていくという特徴があります。
そのため、収益力が低い時期に負担が軽くなるのはメリットです。
しかし、定額法と比べると最初に利益が出にくいという点がデメリットと言えます。

2007年4月以降に取得した不動産は、税制改正によって「定額法」の計算方法が主流となっています。

減価償却費の計算方法

減価償却費は、取得価格×耐用年数に応じた償却率で算出します。
用途が同じ住宅でも、建物構造によって耐用年数に応じた償却率は異なります。
例えば非事業用の木造なら耐用年数は33年で償却率は0.031です。
非事業用の鉄筋コンクリート造だと耐用年数は70年になり、償却率は0.015になります。
非事業用の償却率はすべて建物構造によって決められており、築年数は関係ありません。
そのため、たとえ築10年であろうと築30年であろうと、どちらも償却率は同じになります。
例として、築30年の木造戸建て住宅を購入したとします。
購入にかかった費用が1,000万円だった場合、減価償却費は以下の計算式になります。

建物購入額1,000万円×0.9×償却率0.031×経過年数15年=減価償却費418万5,000円

さらに建物取得費は、以下の計算式で算出できます。

建物購入額1,000万円-減価償却費418万5,000円=建物取得費581万5,000円

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まとめ

ここまで、不動産の減価償却費の詳細や特徴、算出するための計算方法、不動産における耐用年数について解説してきました。
減価償却は、不動産の売却を検討している方や経営者の方には必要になってくる知識です。
減価償却の算出方法は事業用と居住用で変わったり、色々な計算方法があったりして、少々ややこしく感じてしまいますが、基本を理解すれば特に難しい点はありません。
自分の不動産に合わせた減価償却方法を使うようにしましょう。