オール電化は、その名の通り住宅内の生活家電を全て電気エネルギーでまかなうことを言います。
今では一般的なオール電化ですが、賃貸物件の場合はどうでしょうか?
この記事では、オール電化が何かに加えて設備やメリット、デメリットなどをご紹介します。
賃貸物件でオール電化をメインに検討されている方は、この記事を参考にしてみてください。
目次
そもそもオール電化とは?
オール電化とは、どのようなものを意味しているのでしょうか?
基本的には、住宅内の設備に関して全て電気エネルギーを使うというものです。
全てを電気エネルギーにするため、専用の設備が取り付けられています。
また、オール電化になっていることで利便性が高い部分もありますが、今まで使用してきた用品が使えないケースもあります。
そのため、オール電化には専用のアイテムでなければならないことも覚えておきましょう。
オール電化賃貸は増えている?
実際にオール電化設備の賃貸物件は増えているのでしょうか?
オール電化賃貸に関しては、比較的新しい賃貸物件もしくは貸家などに多い傾向ですが、浸透しているほどではありません。
どちらかといえば、戸建て住宅をメインに増えている傾向です。
しかし、オール電化の賃貸物件であればガス工事の必要性がなく、建築に必要なコスト削減が期待できることから、屋根部分にソーラーパネルを設置して太陽光発電を活用する物件もあります。
他にも、ガスはないので直接火を使うことがありません。
高齢者などがいる場合の安全面に配慮したオール電化の賃貸物件も存在しています。
様々な生活する相手に合わせた配慮をしている賃貸物件では、オール電化を積極的に取り入れていることでしょう。
他にも、設備などの性能の向上やエコ意識の高さなどもオール電化普及に関係します。
IHクッキングヒーターや給湯器は性能が向上してきたため、電気調理でも快適に使用できるようになりました。
オール電化が登場してきたのは1980年代からですが、家庭ではガスを使うのが当たり前だと考える方が多かったことから、なかなか浸透しませんでした。
しかし、近年は電気でも満足できる調理ができるだけでなく、エコや効率を考えて生活する家庭が増えてきたことから、オール電化の方がメリットを感じやすい方が増えてきました。
オール電化の設備について
賃貸物件には、どのようなオール電化設備があるのでしょうか?
ここでは、気になる設備についてご紹介します。
IHクッキングヒーター
キッチンと言えば、コンロに火がついて調理ができるイメージですが、オール電化の場合はIHクッキングヒーターを利用します。
IHクッキングヒーターは、火を使うことなくフライパンや鍋などを加熱できる機器です。
火を使わなくても温められるのは、搭載されているコイルに電流を流して磁力を使うため加熱される仕組みとなります。
理科や物理の授業で習ったような仕組みであり、難しいものではありませんが、この内容を聞いて電磁波が起こるのではないかと不安になる場合もあるでしょう。
IHクッキングヒーターには磁界が発生しますが、他の電化製品と同様のレベルであり、必要以上に不安を感じることはないでしょう。
賃貸物件では、IHクッキングヒーターの他にラジエントヒーターが使用されているケースもあります。
ラジエントヒーターの場合、プレートの下にあるニクロム線が発熱し、トッププレートが熱くなって加熱できる仕組みです。
ラジエントヒーターの場合は、IHクッキングヒーターでは使用できない耐熱ガラスやホーローも使用できます。
他にも、ぐるぐると渦巻き状のニクロム線が熱くなって使用できるシーズーヒーターもあります。
エコキュート
エコキュートは、空気の熱を使用して効率的にお湯を沸かす給湯器です。
空気の熱と電気の熱を使用する技術はヒートポンプ技術と言われ、エアコンや冷蔵庫にも取り入れられている仕組みです。
給湯器はガスや灯油を使用するイメージが強いかもしれませんが、エコキュートを使用すると空気と電気の熱を使うため、エネルギー量が少なくて省エネになるのが特徴です。
エコキュートは、ヒートポンプユニットでお湯を沸かします。
ここでは、空気の熱を集めて冷媒に運び、この過程で膨張する時に熱を吸収し、高温になったら熱交換で水を温めて沸かす仕組みです。
お湯を使うたびに沸かすのではなく、空気の取り込みや冷媒の圧縮などに電気を使用し、熱交換のエネルギー以上の力を生み出すため省エネとされています。
ガスや灯油などの給湯器は、使う時に直接水を温める仕組みなので、使えば使うほど電気代とガス代などが必要になります。
床暖房
床暖房は、床材の下部分にヒーターを埋め込み、電気を流すことで床面を温める仕組みです。
電気を使用した床暖房は、電気ヒーター式と温水循環式に分かれます。
電気ヒーター式は、床下に設置された電熱線に電気を流して床を温めます。
一方の温水循環式は、ヒートポンプの仕組みが使用されていて、自然エネルギーを使って沸かしたお湯を利用します。
床暖房があることで、床一面が季節に合わせて快適な温度に保てるため、全体的な光熱費の削減も期待できるでしょう。
床から直接伝わってくる温かさと、室内を下から空気で温める組み合わせにより、体に優しく気持ちよく過ごせます。
蓄熱式暖房機
蓄熱式暖房機は、夜の安い時間帯の電力を使用して暖める仕組みです。
夜に暖めた熱は、昼間に使います。
この仕組みは、暖房機内に蓄熱レンガという蓄熱体が内蔵されていて、日中に蓄熱したものが放熱されて温かくなります。
機器によってはファンが付いているものもあります。
一般的な暖房機となるエアコンは、対流式を使って早く部屋を暖めることができますが、蓄熱式暖房機は輻射式が使用されていて、空気よりも壁や天井を暖めて空気の温度を上げていく仕組みです。
部屋にほこりやハウスダストを巻き上げることがないので、高齢者や小さなお子様がいる家庭には優しい設備でしょう。
蓄熱式暖房機は、構造上暖房を完全にオフにすることができませんが、24時間室内の温度変化を無くせます。
太陽光発電
太陽光発電もオール電化に活用したい設備です。
太陽光発電は、半導体に太陽光が当たると電気が発生する仕組みを使ったもので、再生可能エネルギーとしても注目されています。
エネルギー源は太陽の光なので、設置地域などに制限もありません。
オール電化で太陽光発電が勧められる理由は、半永久的にエネルギー源が失われることなく、大家さんが許可している場合は太陽光発電で集めた電気が使用できます。
これにより、オール電化でも電気代の高騰を感じにくくなるでしょう。
さらに蓄電池を使用している場合は、非常時に貯めた電気が使えます。
オール電化のメリット
オール電化には、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、メリットについて注目してみましょう。
キッチン周辺のお手入れが簡単
ガスコンロを使用している場合、デコボコや五徳があることでお手入れのしにくさを感じている方もいるでしょう。
オール電化のIHクッキングヒーターはフラットになっているため、調理後にサッと拭くだけで簡単に清潔を保てます。
掃除が苦手な方や面倒に感じている方は、IHクッキングヒーターに変えるだけで大きなメリットを感じるでしょう。
光熱費削減
オール電化で多くのメリットを感じやすいのが、暖房やお湯に関する費用を節約できることです。
電気の単価が安く傾向の夜間を中心にお湯を沸かしてくれるエコキュートなどが設置されている場合、そのお湯を日中に使えるため、電気代削減が期待できます。
蓄熱式の暖房機が設置されていれば、夜間の電力で蓄熱しておくことで暖房費などの光熱費全般が削減できるでしょう。
他にも、オール電化専用の電力プランなどへの加入で全体の光熱費が抑えられるケースもあります。
電気やガスを分ける必要がない
光熱費は一般的に電気、ガス、水道代が含まれますが、オール電化であれば電気代と水道代だけになります。
ガスが含まれないため、ガス使用量において必要な基本料金を支払うこともありません。
これにより、電気とガスの基本料金を2つ支払うことがないだけでなく、電気プランによってはよりお得なオール電化プランに変更できます。
このプラン選択で基本料金が0円になったり、より安くなったりする場合もあり、負担額の軽減が期待できるでしょう。
火災リスクを減少できる
オール電化の場合、ガスコンロの使用がありません。
火やガスを使わないため、火災発生リスクを大幅に削減できるでしょう。
また、ガス漏れや不完全燃焼などによる中毒も生じないことから高齢者や小さなお子様がいる家庭でも安心です。
特に親が共働きで子どもが先に帰宅している場合、火の取り扱いに関して不安になることもあるでしょう。
これまでに高齢者や子どもが使い方を間違ってしまった結果、火災などを引き起こしたケースは全国的に発生しています。
オール電化にすることで、ガスによる事故や火災を防ぐだけでなく、安全に生活できるようになります。
災害対策としても役立つ
オール電化の場合、電気が止まったら何もできないと不安になるかもしれません。
しかし、災害時に真っ先に復旧が早いとされているのが電気です。
主要なライフスタイルが一時的に止まった場合でも、オール電化であれば電気が開通すれば何の問題もありません。
日本は地震大国なので、大きな地震と津波などが起こった場合は電気であっても簡単に復旧できませんが、エコキュートなどが設置されている場合は水圧を利用して貯湯タンクにあるお湯を使えます。
断水しているとお湯は使えませんが、タンクに溜まっているお湯は水圧で蛇口から取り出せます。
ただし、高温のお湯がそのまま出てくる可能性があるので注意してください。
火災保険割引になる場合も
オール電化は火を使うことがないから火災保険も不要だと考えるかもしれませんが加入は必須です。
賃貸物件の場合、入居前に火災保険をセットにされる場合もありますが、原則加入するのが決まりとなっているのがほとんどです。
火災保険は、火災以外に台風によって飛んできたもので窓ガラスが割れた、落雷で家電がショートしたなどでも補償範囲になるケースが多いです。
また、オール電化であっても家電のコードからショートした、近隣の火事をもらってしまったなどの被害に遭わないとは限りません。
そのため、火災保険の加入は必須ですが、オール電化による割引を受けられる可能性があります。
保険料は、リスクが少ないほど安くなるようになっていますが、2010年の保険法で廃止になってしまいました。
ただし、一部の火災保険ではオール電化に関係する割引があります。
電力自由化でよりお得になる
賃貸物件の場合、電力自由化になっても勝手に電力会社を選べないと考えている方が多くいます。
しかし、賃貸物件でも電力会社の変更は可能です。
マンションなどでは、高圧一括受電契約という建物一棟全体で電力会社に契約しているケースがあり、このような場合は個人で変更できません。
しかし、特に説明がなかった場合は電力会社を自由に変更でき、切り替えの際にはスマートメーターを設置すれば問題ありません。
電力自由化がスタートして以降、スマホなど身近なものとセットで加入するとより割引率が良くなったり、お得になったりするケースが増えました。
割引や特典などを比較して、電力会社を決めればよりメリットが得られるでしょう。
オール電化の賃貸物件がよりメリットになる方法はある?
オール電化の賃貸物件でよりメリットを感じたいなら、いくつかの設定を見直すのがおすすめです。
オール電化になっていることで、電気料金がお得なるなどの恩恵が受けられますが、それに甘えるのではなく、自分自身でもお得なる使い方を確認してみましょう。
例えば、基本的に夜にしか電気を使わないなら電気プランを夜間料金プランに変更したり、冷房や暖房などの設定温度などを見直したりすることでより快適な生活になります。
エコキュートなどが設備としてある場合、最低限のお湯を使うことを意識して自動の炊き増しなどにしないようにしましょう。
夏場は省エネモードなどを使用して、季節に合わせた温度に見直してみてください。
このような意識と設定などを再確認すると、オール電化の賃貸物件がより快適な生活になるでしょう。
オール電化のデメリット
オール電化にはメリットもたくさんありますが、デメリットだと感じてしまう部分もあります。
オール電化の賃貸物件に初めて済むという場合は、どのようなデメリットがあるのか、といった点も把握しておかなければいけません。
そこで続いては、オール電化のデメリットを6つピックアップしてご紹介します。
昼間の電気代が高くなってしまう場合がある
メリットの中で電気代を削減できるという点をご紹介しました。
確かにオール電化にすると電気代を削減できる場合もありますが、ライフスタイルによっては逆効果になってしまう場合があります。
オール電化の料金プランは、夜間の電気代を抑えられるような設計になっています。
一方、昼間の電気代は高めに設定されているケースが多いので、昼間は家で過ごすケースは多いといった場合は電気代が割高になってしまう可能性が高いです。
夜勤メインの仕事をしている場合などは、それが負担になってしまうことが考えられます。
また、夜に熱を貯め忘れてしまうと、日中の電気使用料が多くなってしまい、割高な電気代を支払わなければいけなくなるといったパターンもないとは言い切れません。
設置するための初期費用が高額になる
オール電化を新たに設置する場合のデメリットとして、設置するための初期費用が高額になることが挙げられます。
初期費用が高額になってしまうので、アパートやマンションなどの賃貸物件ではオール電化への切り替えができていないケースも少なくありません。
初期費用には、エコキュート・蓄熱暖房機・IHクッキングヒーターなどの本体価格や設置工事費(基礎工事費用・水道関連工事費用・電気工事費用など)といったものが含まれます。
オール電化へ切り替えると光熱費を抑えられるなどのメリットも生まれますが、高額な初期費用がかかるという点で躊躇ってしまう大家さんもいるでしょう。
オール電化の賃貸に住みたいのであれば、最初から設備が整っている物件を探すのが無難です。
コストがかさむので、入居後にリフォームしてもらえる可能性がかなり低いためです。
停電すると機能しなくなってしまう
オール電化の設備は、電気がないと稼働しません。
何らかの理由で停電してしまうと、全ての設備を使えなくなってしまうのはオール電化ならではの大きなデメリットです。
熱源の確保ができなくなると、冬は暖を取れなくなってしまいます。
災害時は長期的に電気を使えなくなってしまうことも考えられるので、万が一に備えた対策は必要不可欠です。
停電に備えて準備しておきたいアイテムには、カセットコンロとガスボンベ、飲料水、非常食、湯たんぽ、石油ストーブ、モバイルバッテリーなどがあります。
太陽光パネルと蓄電池も用意してあると役に立つのでおすすめです。
使える調理器具に制限がある
IHクッキングヒーターは、ガスを使わないので直火調理ができません。
直火で料理するのに慣れていると不便だと感じる可能性があります。
また、直火を使った料理にこだわりたいと思っている人には向いていません。
それだけではなく、IHクッキングヒーターで使える調理器具に制限があることもデメリットの1つだと言えます。
IHに対応している調理器具には、「製品安全協会のSGマーク」が付いています。
このマークがあれば問題なく使えるので、購入する際は必ず確認するようにしてください。
どこにでも設置できるわけではない
オール電化を導入するためには、エコキュートの設置が必要不可欠です。
しかしエコキュートは、どこにでも設置できるわけではありません。
サイズが大きいので、設置場所を確保する必要があります。
アパートやマンションなどの賃貸物件では、リフォームでオール電化にしたくてもエコキュートの設置場所がなくて諦めてしまうといったパターンも考えられます。
マンションで個人的にエコキュートを導入したい場合は、分譲マンションなら管理組合、賃貸マンションなら管理会社に事前相談することが重要です。
エコキュートを初めて導入する場合は、配管の増設工事など大掛かりな工事が必要です。
そのため、自宅内だけの工事で終わらないケースがほとんどなので、管理組合や管理会社への相談が必要となります。
音がうるさいと感じる
オール電化だと、お湯を沸かす時にエコキュートや電気温水器を使用します。
エコキュートは。ヒートポンプユニットで空気を圧縮させることで熱を発生させるため、少ない電力でお湯を沸かせます。
魅力的な機能を持つエコキュートですが、ヒートポンプユニットが作動する時に機械音が発生するのです。
この機械音が原因で隣人と騒音トラブルに発展したというケースもあります。
マンションなどの集合住宅では、スペース的に防音壁の設置が難しいケースが多いです。
そこまで大きな音がするわけではないので問題ないと感じる人もいますが、機械が作動する音と振動が気になってしまう人も少なからずいます。
騒音や振動に関するクレームがこないように万全の対策を講じることも重要なポイントです。
具体的には、防音シートや防振ゴムを使用するといった対策があります。
オール電化賃貸で失敗したと感じるケースも…
オール電化の賃貸物件を選んで良かったと感じる人もいれば、後悔してしまう人もいます。
せっかくの新生活で後悔しないようにするためには、どのような失敗事例があるのか把握しておくことが重要です。
そのため続いては、具体的にどのような失敗事例があるのかみていきましょう。
湯切れが頻繁に起こって不便だと感じるようになった
オール電化は、ガスを使わずに給湯器やエコキュートを使ってお湯を作り出します。
基本的には電気代が安くなる夜のうちにお湯を作って溜めておくという仕組みです。
1日分のお湯をあらかじめ作っておくのですが、食器洗いの量や朝シャワーの有無などは家庭によって異なるので、お湯の消費量にも差があります。
朝の時点でシャワーなどをする場合、昼や夜に使う分のお湯が足りなくなる湯切れが頻発する可能性が高まります。
お湯が足りなくなったら再度貯めれば問題ないと思われますが、給湯器でお湯を作って溜めるには1~2時間程度かかってしまうのです。
そのため、急にお湯を使いたいと思ったり、お風呂に入ろうとしたりした時に待たなければいけない可能性もあります。
お風呂が好きな人や家族が多い人にとって、大きなストレスになってしまうでしょう。
ストレスを軽減するためには、ガス併用賃貸を選択するのがおすすめです。
エコキュートが夜になるとうるさい
エコキュートは、前述したように音が気になる可能性があります。
注文住宅など一戸建てであればどちらか選択できますが、賃貸物件だと給湯器を選ぶことができません。
電気温水器は比較的静かなので音が気になることは基本的にありませんが、エコキュートは稼働音が気になる可能性が高いことを念頭に置いた上で賃貸物件選びをするようにしてください。
エコキュートだと一戸建てでも騒音トラブルに発展する事例があるため、入居前にきちんと確認しておきましょう。
ただし、電気温水器には電気料金が高めになるといったデメリットもあるので、どちらを選択すべきなのかライフスタイルなどを加味してじっくり選ぶようにしてください。
ペットがやけどをしないか不安
ペット可の賃貸物件では、猫などのペットと一緒に生活するケースが多いです。
オール電化だと火が見えないので、うっかり触れてやけどを負ってしまうリスクがあります。
実際に、ペットが飛び乗って肉球をやけどしてしまうのではないかなどの心配が絶えなくなるといった失敗事例もあります。
すぐにやけどしてしまうような温度ではなかったとしても、大切な家族の一員であるペットがやけどなどをするリスクは少しでも減らしたいと考えるものです。
ペットが触れないようにするには、柵などで入れないようにするといった対策を講じる必要があるでしょう。
入居してすぐにお湯が使えなかった
オール電化住宅の場合、電気温水器の通電作業を行わないとお湯が出ません。
通電作業は立ち合いが必要ないケースが多いため、引っ越しの5日前くらいには通電作業を依頼しておくのがおすすめです。
契約内容や通電するタイミングによりますが、お湯が使えるようになるまで1日くらいかかる場合もあります。
通電作業の必要性を説明してくれない不動産会社や大家さんもいるので、お湯が出ないと戸惑ってしまう可能性もあるでしょう。
そのような時は、通電作業を行っているか確認してみてください。
そして、お湯が出るようにするためにはどうすればいいのか、どのくらい時間がかかるのか、などもその時に確認しておくと予定が立てやすくなります。
寒い地域だと電気代がかなり高くなる
電気代を節約できると言われているオール電化ですが、寒い地域ではそこまで大きな節約効果が期待できないといったケースもあります。
北海道や東北地方などの寒いエリアでは、基本的に電力が高めです。
オール電化の場合だと、ガスの分も電気を消費することになります。
そのため、オール電化=節約とはならない可能性も非常に高いのです。
ガス併用でも使うほどガス代が高くなってしまいますが、オール電化よりは負担を軽減できます。
それを踏まえて考えると、もともと電力が高いエリアに住んでいる場合はガス併用賃貸を選択するのが無難でしょう。
オール電化賃貸はこんな人におすすめ!
オール電化の賃貸物件にはメリットもデメリットもあるので、双方を踏まえた上で選択することが重要になります。
また、オール電化の賃貸物件が向いている人もいれば向いていない人もいます。
最後に、どのような人にオール電化賃貸が向いているのかみていきましょう。
昼間は基本的に留守にしている人
オール電化賃貸は、昼間は仕事や学校で留守にしている人に向いています。
なぜかというと、光熱費が高くなる時間帯に電気を使う割合が少ないからです。
共働きをしていたり、子どもが保育園や学校に行ったりしている家庭であれば、オール電化の恩恵を受けやすいです。
オール電化は省エネ効果が高いので、在宅時間が長くてもある程度は電気料金を抑えられます。
しかし、プランによって昼間の電気代に大きな差が出る可能性があるので、プランに依存する部分が大きいと言えるでしょう。
昼間も家にいる時間が長い場合は、昼間の電気代が安くなるプランを選択するのはおすすめです。
シン・シナジーの【昼】生活フィットプランは、業界初となる昼間の電気代が安くなるプランです。
その他にも、LooopでんきのスマートタイムプランやHTBエナジーのぜんぶでんきといったプランも選択肢に入ってきます。
子どもなど家族の安全性を第一に考えたい人
子どもなど家族の安全性を第一に考えたい人にも、オール電化の賃貸物件はおすすめです。
オール電化は火を使わないため、ガス漏れや住宅火災のリスクを抑えられます。
子どもや高齢者と一緒に暮らしている場合の安心感は大きくなるでしょう。
そのため、子どもが小さい家庭や要介護者と同居している家庭にはオール電化が適しています。
しかし、リスクがゼロになるわけではありません。
IHクッキングヒーターの使い方を間違えると大きな火災につながる可能性があるのです。
具体的には、揚げ物の油が高温になり過ぎて発火してしまったり、経年劣化で内部に水分が入り込むことで漏電して火事が発生したりといったトラブルが考えられます。
安全性の向上を願ってオール電化の賃貸物件を選んだことが仇となってしまう可能性もあるため、正しい使い方を理解することが何よりも重要です。
プロパンガスを使っている人
プロパンガスの賃貸物件に住んでいる人がオール電化の物件に引っ越すと、光熱費のランニングコストが抑えられます。
そのため、光熱費の大幅な節約効果が期待できます。
オール電化であれば、プロパンガスを配達するコストがかからない分、節約につながることが大きな理由です。
掃除のしやすさを第一条件にしている人
掃除のしやすさを第一条件にしている人にも、オール電化の賃貸物件は向いています。
オール電化に切り替えると、IHクッキングヒーターやエコキュートなどガス設備よりも掃除がしやすい仕様の設備になります。
キッチン回りは、ガスコンロよりもIHクッキングヒーターの方が圧倒的にスタイリッシュで管理もしやすいです。
天板がフラットなので掃除が簡単にできるという点が大きなメリットとして挙げられます。
きれい好きで掃除のしやすさを重視したいのであれば、オール電化の賃貸物件は魅力度が高いと考えられます。
近年、少しずつではありますがオール電化の賃貸物件も増加傾向にあります。
エリアによってはまだまだ少ないところも多いですが、全くないというわけではありません。
オール電化を導入すると、キッチン回りの手入れが楽になる、光熱費を削減できる、などのメリットを享受できるため、賃貸物件でもオール電化設備が整っているところを選択したいと考える人もいるでしょう。
ただし、デメリットも把握しておかないと「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。
オール電化の賃貸物件に住むのであれば、メリットとデメリットの双方を理解しておきましょう。